アニメ質問状:「プリパラ」 “かしこま!”誕生秘話とは……

(C)T-ARTS/syn Sophia/テレビ東京/PP製作委員会
1 / 7
(C)T-ARTS/syn Sophia/テレビ東京/PP製作委員会

 話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は小学生女児を中心に人気の「プリパラ」です。森脇真琴監督に作品の魅力を語ってもらいました。

ウナギノボリ

 −−作品の概要と魅力は?

 「プリパラ」はアーケードゲームを原作にした女児向けアニメですが、世界観やキャラクター以外のストーリーは、ほぼアニメオリジナルという感じですね。誰でもアイドルになれるアイドルテーマパーク「プリパラ」を舞台に“神アイドル”を目指す女の子たちの活躍を描く、というのが一応のあらすじなんですが、作っているとやっぱり自分の過去作品と自然に似てきちゃうみたいで。基本はやっぱりコメディーで、明るく楽しく難しくなく、が魅力かと。

 −−アニメにするときに心がけたことは?

 女の子向けということで、とにかく小学生の女の子がテレビの前で30分集中して見てくれるような作品を心がけています。あと先ほども言いましたけど、セリフとかあまり難しくならないように気をつけてます。シオンというキャラが何かと四字熟語を使うんですが、しゃべった後でちゃんと意味も説明させています。たまに説明しきれずに投げっぱなしの時もありますけど(笑い)。

 −−3DCGのダンスシーンが魅力の一つですが、苦労した点は?

 「プリパラ」のダンスシーンって、ステージと歌がセットになっていて、新曲がないと見た目があまり大きく変わらないんですよ。最初のうちは、その変化をどうつけようかと結構悩みましたね。ただ、話が進んでキャラの魅力が深まるとダンスシーンにも感情移入できるようになって、同じ映像でも印象が変わるんですよ。愛が深まると別の見え方ができるというか。それは新しい発見でしたね。

 −−主人公・真中らぁらの決めぜりふ「かしこま!」の誕生秘話があれば教えてください。

 最初は「かしこまり!」だったりもしましたが、割とすぐに「かしこま!」に落ち着きましたね。お笑いの人のネタで「かしこ かしこまりました かしこ」っていうのがあって。「すごく変格活用があるなー」って印象に残ってて(笑い)。あと「あけおめ ことよろ」みたいに何でも四文字に略すのとか。今思うと、そのあたりから無意識に出てきたんだと思います。

 −−作品を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったことは?

 構成上、毎クールの終わりにクライマックスがあるんです。その生みの苦しみが3カ月ごとにやってくる。「今度はダメかも~」って毎回思うんですけど、追い詰められて追い詰められてようやく答えが出る。1クールもの深夜アニメを連続で作っている感覚ですね。深夜アニメだと3カ月乗り切れば一息つけるのに、こっちは休む暇なく次のクールがやってくる(笑い)。それがツラいけれど楽しい部分でもあります。

 −−今後の見どころを教えてください。

 3クール目も終わりということで1年目のシリーズ全体のクライマックスですね。キーになるのはファルルというキャラクターなんですが、ファルルは人間ではなく「プリパラ」で生まれた存在なので、自我というものがないんです。自分の意思がないキャラにどう共感させるか、どうらぁらたちと交流させるかは大分苦労しましたが、そのあたりをぜひ見ていただければと思います。

 そしてファルル役の赤崎千夏さんはとても歌がうまくて、作詞の三重野瞳さんの歌詞も素敵で。歌にはすごく助けられているのでそれも聴きどころです。

 −−ファンへ一言お願いします。

 この作品ではとてもたくさんの人に助けられています。CGディレクターの乙部善弘さんの3DCG、声優さんの演技や歌のうまさ、三重野さんの作詞……みんなが監督を助けてくれています。ですので、ファンの皆さんもぜひ監督を助けてください。ギャグがスベっても見ないフリをするとか(笑い)。ご協力よろしくお願いします。

監督 森脇真琴

写真を見る全 7 枚

アニメ 最新記事