劇団ひとり:大河初出演「かなり悩んだ」 伊藤博文役を語る

NHK提供
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 お笑い芸人の劇団ひとりさんが、女優の井上真央さん主演のNHK大河ドラマ「花燃ゆ」の1日放送の第9話で伊藤利助(後の伊藤博文)役として初登場する。大河ドラマに出演するのは初めてで「最初にお話をいただいた時、かなり悩みました」と明かす劇団ひとりさんに、意気込みを聞いた。

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 ◇一念発起で初のムードメーカーに

 「花燃ゆ」は、幕末の長州藩士で思想家の吉田松陰(伊勢谷友介さん)の妹・文が主役のオリジナル作品。文は長州藩の尊王攘夷(じょうい)派の中心人物・久坂玄瑞(東出昌大さん)と結婚し、久坂が死去した後は、群馬県初の県令(現在の県知事)の楫取素彦(大沢たかおさん)と再婚した人物。ドラマでは動乱の幕末の長州で、困難を乗り越えながら生きた文の生涯が描かれている。

 劇団ひとりさんが演じる伊藤利助は、松陰が主宰していた松下村塾の塾生で、下級武士だったが、明治維新で活躍し、初代内閣総理大臣となる人物。大役ということもあり、劇団ひとりさんは「芸人が大河ドラマで初代内閣総理大臣を演じていいのか?と悩んだ。でも、今後、こんな大役をいただけることはないと思い、お受けしました」と悩みながらもオファーを引き受けたという。

 劇団ひとりさんはドラマ「永沢君」(TBS)で主演を務め、映画「八日目の蝉」に出演するなど俳優としても活躍中だが、「ドラマの現場が苦手で、今まで距離を置こうと、割り切っていた」と明かす。しかし、長丁場として知られる大河ドラマの撮影では「ムードメーカーになります!と井上さんに報告して、メールでグループを作ったりした。初のムードメーカーですよ」とこれまでとは意識を変えて臨んだという。

 松下村塾の塾生を演じる高杉晋作役の高良健吾さん、久坂玄瑞役の東出昌大さんら男性が多い現場については「撮影は最初は息苦しかったけど、今はちょっとうるさいくらいみんな仲がよくなっている。男子校的な雰囲気で楽しい撮影現場です」と話す。主演の井上さんとは「八日目の蝉」などで共演経験はあるが「やっと話せるようになりました」とすっかり仲良くなったようだ。

 ◇職人もカッコいいけど一つに絞れない

 ドラマでは伊藤利助の“人たらし”な一面が描かれる。コミカルなシーンも多く、特に第9話の登場シーンは「おいしい」といい、「コミカルだけど熱がある。一言目のせりふでよだれが出たのですが、NGかと思ったらオーケーだった」と語る。「僕がやりやすいように、普段やっていること(お笑い)とかけ離れないようにしていただいている。やりやすいんですよ。僕がカッコつけて、大河に出ています!みたいになってもね……」と話すように“らしさ”を考えながら演じているようだ。

 一方で、伊藤利助は、千円紙幣の肖像にもなったヒゲをたくわえた“あの姿”に成長する。劇団ひとりさんは「後半はカッコつけたい。ただ、(千円紙幣の)あの伊藤博文を演じるんですよね……。(見た目を)忠実にやればやるほど、コントのようになってしまうかもしれませんが、違和感のない形で近づきたいですね。小童(こわっぱ)がここまで立派になったか!と見ていただければ」と演技プランを明かす。

 お笑い芸人、俳優、作家、映画監督……と幅広く活躍する劇団ひとりさん。「一つにしぼれないんですよね。職人的な芸人はカッコいいけど、やりたいことをやらせてもらえるうちは、いろいろな創作に携わりたい」と話している。「花燃ゆ」を含め今後の活動も注目される。

 NHK大河ドラマ「花燃ゆ」はNHK総合で毎週日曜午後8時ほかで放送中。

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