注目映画紹介:「忘れないと誓ったぼくがいた」 村上虹郎と早見あかり共演のラブファンタジー

「忘れないと誓ったぼくがいた」のワンシーン (C)『忘れないと誓ったぼくがいた』製作委員会
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「忘れないと誓ったぼくがいた」のワンシーン (C)『忘れないと誓ったぼくがいた』製作委員会

 平山瑞穂さんのファンタジー小説を映画化した「忘れないと誓ったぼくがいた」(堀江慶監督)が28日に公開される。避けられない運命に向かって必死にもがこうとする若者2人のピュアな恋愛を描く。主演を俳優の村上淳さんと歌手のUA(ウーア)さんの長男・村上虹郎(にじろう)さんが務め、ヒロインを元ももいろクローバーの早見あかりさんが演じている。運命に翻弄(ほんろう)される2人を村上さんと早見さんが熱演。早見さんはキスシーンに初挑戦した。

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 大学受験を控えた高校3年生の葉山タカシ(村上さん)は、ある日、織部あずさ(早見さん)という少女と出会い恋に落ちる。デートを重ねていく中で、あずさはタカシに「私に会った人たちは全員、数時間後には私の記憶が消えているの。ただ理由もなく私のことだけが記憶から消えているの」と不思議な告白をする。信じようとしないタカシだったが、ふとした時に、あずさのことを忘れていることに気づく。そしてタカシは、あずさと会った日の出来事やデートの約束などを細かくメモに書き留め、忘れないようにするが……というストーリー。

 とにかく不思議で、切なさが胸いっぱいにあふれてくる。出会った人たちの記憶から存在が消えていってしまうあずさのことを思うと、見ているこちらもいたたまれない気持ちになる。そして好きな人の記憶が失われていくのをなんとか防ごうとするタカシの姿は健気すぎて、油断していると涙腺を刺激されてしまう。ピュアさや爽やかさがにじみ出ている村上さんと早見さんの演技には称賛の拍手を送りたい。存在感を感じさせ、純愛にひた走る若者2人を見事に演じ切り、物語や登場人物へと感情移入させてくれる。もちろんなぜあずさのことをみんなが忘れてしまうのかといった謎解き要素も楽しめるため、物語に没頭して見ることをオススメする。ラストは唐突感が否めないが、作品に込められたメッセージは十分に伝わってくる。ヒューマントラストシネマ渋谷(東京都渋谷区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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