まんが王:八王子のマンガ専門店が30年の歴史に幕 今後は通販に注力

30日で店舗の営業を終了したまんが王八王子店
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30日で店舗の営業を終了したまんが王八王子店

 マンガ、ライトノベルの専門書店「まんが王八王子店」(東京都八王子市)が30日、閉店した。常連客らが見守る中、従業員の新井貞治さんが「30年間、地域の人に愛されてやってきました。残念ではございますが、まんが王八王子店は営業を終了します。今後は通信販売部で営業を続けていきます」とあいさつをすると、周囲から拍手が起こり「お疲れ様!」「また復活してください」という言葉も飛び出した。

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 まんが王八王子店は1985年5月創業。地域住民や、マンガ、ラノベファンから親しまれてきた。店舗での営業はこの日を持って終了したが、通信販売部「まんが王倶楽部」「まんが王Yahoo!店」と通販商品の手渡し販売、電子書籍での販売は続けていく。

 この日は開店時から新潟や長野といった遠方に住んでいる“元常連客”や長年の常連客が詰め掛け、閉店まで客足は途絶えなかった。中1のころから通っているという40代の男性は「悲しい。ほかの店には行く気持ちにならない。これからは通販を利用します」と話し、同じく八王子市在住の40代の男性も「まさかなくなるとは……。もっと買えばよかった」と悔しさをにじませた。相模原市から来たという40代の男性は「(まんが王は)買い逃した雑誌も取っておいてくれたし、関連するジャンルの本が、目当ての本の側に置いてあるというのは昔は珍しかった。今までありがとうございました」と語った。

 また、ライトノベル「不戦無敵の影殺師(ヴァージンナイフ)」(ガガガ文庫)などで知られるライトノベル作家の森田季節さんも駆けつけ「閉店すると聞いて本当に驚いた。ちゃんと本を知っている人が売っているというのが品ぞろえを見れば分かる」と話して、閉店を見届けた。

 同店舗のバイイングマネジャーの日吉雄さんは「通販は続けていく。全国の書店が次々とつぶれていく中で、リアル店舗に近い通販を体現して頑張っていきたい。近くに書店がない方にも通販を利用してほしい」と語った。

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