イギリスのマイケル・ウィンターボトム監督作「イタリアは呼んでいる」が1日から公開される。これまで、「ひかりのまち」(1999年)や「24アワー・パーティ・ピープル」(2002年)、「マイティ・ハート 愛と絆」(07年)、「いとしきエブリディ」(12年)など、さまざまなジャンルの作品を撮ってきた監督だが、こんな作品を撮る人だったっけ? と思うほどあっけらかんとした作風の新鮮さに驚かされる。
あなたにオススメ
来春朝ドラ「あんぱん」の“二人の妹” 朝ドラヒロインまで手が届くか
互いに友人同士で、英国のショービジネス界で活躍するスティーブとロブは、ある雑誌が企画した取材旅行でイタリアに出掛けることに。それは、イタリアの名所各地を回りながら料理を取材するというもの。2人は黒いミニクーパーをレンタルし、イタリア北部のピエモンテ州を皮切りに、イタリア半島の西側を5泊6日で南下する旅を開始する……というストーリー。
スティーブを演じるのは、ウィンターボトム監督作の常連で、「あなたを抱きしめる日まで」(13年)や「ナイトミュージアム」シリーズ(06年、09年、14年)などに出演してきたスティーブ・クーガンさん。ロブ役を、英国を代表する人気コメディアンのロブ・ブライドンさんが演じている。プライベートでも親しい仲という2人が、それぞれ本人役を演じているのがミソ。映画は、その2人が、イタリアの郷土料理に舌鼓を打ちながら会話に興じる姿で埋め尽くされている。話のネタは「ダークナイト ライジング」(12年)のクリスチャン・ベイルさんやトム・ハーディさん、あるいはジュード・ロウさんなど、俳優や映画にまつわるもの。映画ファンなら誰もが思うことをズバリと言い当て、そうそう、あるある的な共感を誘う。人気者の2人が言うのだから、たとえそれが“悪口”でも後腐れはない。さんざんこき下ろしておきながら、「でも……」とフォローするあたりがまた笑いを誘う。ときには、2人が人生について考えたり、感傷的になったりする場面もあるが、おおむね彼らの軽妙洒脱(しゃだつ)な会話が楽しめる愉快な仕上がりだ。Bunkamuraル・シネマ(東京都渋谷区)ほか全国で順次公開。(りんたいこ/フリーライター)
<プロフィル>
りん・たいこ=教育雑誌、編集プロダクションを経てフリーのライターに。映画にまつわる仕事を中心に活動中。大好きな映画はいまだに「ビッグ・ウェンズデー」(78年)と「恋におちて」(84年)。
ディズニー・アニメーション・スタジオの最新作「モアナと伝説の海2」(12月6日公開、デイブ・デリック・ジュニア監督ほか)で主人公モアナが楽曲「ビヨンド ~越えてゆこう~」を歌う劇…
人気グループ「なにわ男子」の長尾謙杜さんが、2025年4月4日公開の映画「おいしくて泣くとき」(横尾初喜監督)で劇場映画初主演を務めることが11月22日、分かった。ヒロイン役は俳…
ディズニー・アニメーション・スタジオの最新作「モアナと伝説の海2」(12月6日公開、デイブ・デリック・ジュニア監督ほか)の日本版エンドソング「ビヨンド ~越えてゆこう~」を、ガー…
故・坂本龍一さんが指揮をとった2014年のフルオーケストラ公演「Ryuichi Sakamoto | Playing the Orchestra 2014」の模様が映画化され、2…
俳優の今田美桜さんが11月19日、東京都内で行われた映画「劇場版ドクターX FINAL」(田村直己監督、12月6日公開)の完成披露舞台あいさつに、他のメインキャストと共に出席。美…