注目映画紹介:「劇場版『進撃の巨人』後編~自由の翼~」 巨人化したエレンの葛藤を描く

「劇場版『進撃の巨人』後編~自由の翼~」のワンシーン (C)諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会
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「劇場版『進撃の巨人』後編~自由の翼~」のワンシーン (C)諫山創・講談社/「進撃の巨人」製作委員会

 人気アニメ「進撃の巨人」を再編集した劇場版アニメ2部作の後編となる「劇場版『進撃の巨人』後編~自由の翼~」(荒木哲郎監督)が27日に公開される。「進撃の巨人」は、諫山創さんが月刊マンガ誌「別冊少年マガジン」(講談社)で連載している人気マンガ。映画は2013年に放送されたテレビアニメ全25話の総集編という位置付けで、後編は14~25話の物語を劇場版用に再編集した。劇場サイズで繰り広げられるスリリングなバトルが物語に緊迫感を与えている。

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 兵士として巨人と戦うエレン・イェーガー(声・梶裕貴さん)は突然、自らが巨人化してしまう。自分が何者であるかに悩むエレンだったが、人々を守るために巨人化の能力を使うことを決意。戦い続けるエレンの前に、ほかの巨人とは違う知性を持った女型の巨人が現れ……というストーリー。

 8、9月に実写版の公開を控え、劇場版アニメもクライマックスを迎えるが、昨年公開の「前編~紅蓮の弓矢~」以上に、ハイテンションでスリリングなバトルに圧倒される。多少のグロテスクな表現はあるものの、描画の美麗さやアクションシーンの疾走感などが恐怖を追いやり、むしろ心地よさすらどこかで感じてしまうほどだ。巨人化の能力が発現したエレンの葛藤や、そのためにたどってしまう過酷な運命などドラマ部分もしっかりと描かれ、単なるバトルものにとどまらず登場人物たちの魅力が前面に押し出されている。これほど大スクリーンがふさわしい作品も珍しく、劇場サイズならではの巨人の迫力や臨場感をとことん味わえる。新宿バルト9(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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