今週シネマ:3、4日公開の映画「アベンジャーズ」最新作、「ひつじのショーン」「アンパンマン」…

映画「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」のワンシーン(C)Marvel 2015
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映画「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」のワンシーン(C)Marvel 2015

 今週末に公開される映画の注目作をピックアップする「今週シネマ」。4日には、アイアンマン、キャプテン・アメリカ、マイティ・ソーら米マーベルコミックが誇るスーパーヒーローたちが一堂に会した人気シリーズのパート2「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」(ジョス・ウェドン監督)、「ウォレスとグルミット」シリーズでおなじみの英国「アードマン・アニメーションズ」が製作したクレイアニメーション「映画ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム」(マーク・バートン監督、リチャード・スターザック監督)、人気アニメ「それいけ!アンパンマン」の劇場版シリーズ第27作「それいけ!アンパンマン ミージャと魔法のランプ」(矢野博之監督)が公開される。

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 「アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン」は、“アイアンマン”トニー・スタークら「アベンジャーズ」と、人類の抹殺をもくろむ人工知能「ウルトロン」との死闘が繰り広げられ、前作を上回る演出の痛快さやアクションに目を奪われる。今作で描かれる自己進化につながる人工知能の発達は、英物理学者スティーブン・ホーキング博士も危険性に言及するなど、現実社会でも賛否両論のあるテーマ。また心理操作によって内側から瓦解(がかい)していくアベンジャーズのリアルな姿や、ことあるごとに意見の相違をみせる“アイアンマン”トニーと“キャプテン・アメリカ”スティーブ・ロジャースの関係は、今後の作品の伏線になりそうな予感もし、壮大なアベンジャーズサーガのターニングポイントにもなりそうな大作だ。

 「映画ひつじのショーン バック・トゥ・ザ・ホーム」は、NHK・Eテレで放送中の「ひつじのショーン」(2007年~)シリーズ初の劇場用長編。舞台は英国の片田舎で、日課を繰り返す牧場生活に退屈したヒツジのショーンたちは、牧場主を眠らせて“休暇”としゃれ込むが、牧場主を乗せたトレーラーが突然動き出し、それを追った牧羊犬ビッツァーまでもが消息を絶ってしまい、ショーンたちは意を決して牧場主とビッツァーを捜しに大都会へと向かう……というストーリー。“主人公”ショーンに始まり、子羊ティミー、牧羊犬ビッツァー、さらに3匹のいたずらブタに至るまで、愛らしさ全開の“演技”と表情の豊かさに見とれるばかりで、普段のテレビシリーズでは味わえないスリルとサスペンスが盛り込まれている。

 「それいけ!アンパンマン ミージャと魔法のランプ」は、魔法のランプの世界の精霊である小さな女の子・ミージャが、壊れてしまった魔法の腕輪を直すために冒険の旅に出るという物語。ゲスト声優として女優の大島優子さんがミージャ役を、また、お笑いコンビ「ナイツ」の塙宣之さんと土屋伸之さんがそれぞれランプの精霊とお菓子の魔人を担当している。作者のやなせたかしさんが亡くなってから初めて作られた劇場版だが、“やなせイズム”は健在。ミージャ、クリームパンダ、コキンちゃんの考え方もばらばらの3人が、行動を共にするうちに次第に協力し、誰かのために行動を起こすことを学んでいく姿は、作品テーマの「思いやり」という言葉がふさわしく、しみじみとさせる。短編「リズムでうたおう!アンパンマン夏まつり」も同時上映。

 そのほか3日は、テレビアニメ「ハイキュー!!」第1期を前後編で再編集した総集編の前編「ハイキュー!! 終わりと始まり」(満仲勧監督)が公開。4日には、人気アニメの最新劇場版で、新たな主人公・日向アキトがブリタニア帝国に戦いを挑む姿を描く「コードギアス 亡国のアキト 第4章『憎しみの記憶から』」(赤根和樹監督)、女優の薬師丸ひろ子さんが、35年ぶりに声優を務め劇中歌「わたりどり」も歌う、「日本アニメーション」の40周年記念作品「シンドバッド 空とぶ姫と秘密の島」(宮下新平監督)、ある出来事から、自ら父親の信頼を失墜させた男とその家族の姿を描き、2014年のカンヌ国際映画祭「ある視点」部門で審査員賞に輝いた映画「フレンチアルプスで起きたこと」(リューベン・オストルンド監督)、1960年代にインドネシアで起きた100万人規模の大虐殺事件の被害者遺族と加害者にカメラを向けたドキュメンタリー「ルック・オブ・サイレンス」(ジョシュア・オッペンハイマー監督)が公開される。

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