注目映画紹介:「明治東亰恋伽 弦月の小夜曲」 恋愛アドベンチャーゲームを映画化 鏡花編を再構成

劇場版アニメ「劇場版 明治東亰恋伽 弦月の小夜曲」のワンシーン (C)魂依保存委員会
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劇場版アニメ「劇場版 明治東亰恋伽 弦月の小夜曲」のワンシーン (C)魂依保存委員会

 人気恋愛アドベンチャーゲーム「明治東亰恋伽」を劇場版アニメ化した「劇場版 明治東亰恋伽 弦月(ゆみはり)の小夜曲(セレナーデ)」(わたなべひろし監督)が18日に公開される。「明治東亰恋伽」は、モバイルやスマートフォン、PSPなどの各種ゲームだけでなく、ドラマCDや書籍化もされた恋愛アドベンチャーゲーム。現代から明治時代にタイムスリップした女子高生が、特殊能力に目覚めたことで騒動に巻き込まれたり、森鴎外や菱田春草ら明治の文化人らとの恋模様を繰り広げたりする。映画では、ゲームの「鏡花編」を主軸に新たなストーリーが描かれている。

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 女子高生の綾月芽衣(声・諸星すみれさん)は、奇術師を名乗るチャーリー(声・森川智之さん)のマジックで、物の怪(もののけ)が息づく明治時代の東亰へタイムスリップしてしまう。路頭に迷った芽衣は、運よく音二郎(声・鳥海浩輔さん)と出会い置屋に身を寄せる。やがて芽衣は、自分に物の怪を見ることができる「魂依」という特殊能力があることを知り、周囲で物の怪がからんだ事件が起き始め……というストーリー。

 明治時代にファンタジー要素を加味したオリジナリティーあふれる世界観の中で、歴史上の人物が恋愛相手として登場する……。この設定は、尺やストーリーに奥行きを持たせられる劇場版との相性の良さを感じさせる。当時を彷彿(ほうふつ)させるようなレトロな街並みはエレガントで、主人公と文化人らの恋愛模様には胸がキュンキュンしてしまう。泉鏡花編のストーリーが基にはなっているが、シナリオが再構成されていて、ゲームをプレーしたことがある人でも新鮮な気分で楽しめるはずだ。新キャラクターとして登場する岩崎桃介(声・細谷佳正さん)が、いい意味でかき回してくれ、新たな魅力を生み出している。シネマサンシャイン池袋(東京都豊島区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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