注目映画紹介:「浄霊探偵」SKE48・高柳明音が映画初主演 霊を扱うが温かい映画

映画「浄霊探偵」のワンシーン (C)2015「浄霊探偵」製作委員会
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映画「浄霊探偵」のワンシーン (C)2015「浄霊探偵」製作委員会

 6月のAKB選抜総選挙で14位と初めて選抜入りしたアイドルグループ「SKE48」の高柳明音さんと俳優の今野悠夫さんがダブル主演を務める映画「浄霊探偵」(都築宏明監督)が18日に公開される。人や物にとりついた霊の不浄な部分を清め、災いを止めさせて解決し霊界に導くという「浄霊」をテーマにしたオリジナル作品で、実際に浄霊師として活動する神島千尋さんが監修している。霊能師の修業をした経験を持つ探偵が、人気心霊番組のやらせ調査のため制作現場に潜入し、番組司会者とともに奇妙な事態に巻き込まれていく姿を描く。探偵の小笠原篤を演じる今野さん、心霊番組司会者の鹿篭百合香を演じる高柳さんの2人は、今作が映画初主演。

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 霊能師になるため修業をした経験がある探偵の小笠原篤(今野さん)は、人気番組「心霊ハンター」で活躍する霊能師の黒川無山(大山ダイキさん)の裏の顔を暴くという依頼を受け、番組ADとして撮影隊にもぐり込む。ある日、番組の司会を担当する鹿篭百合香(高柳さん)の実家で続く数々の不幸を題材に特番を制作することになった。百合香の実家を訪れた小笠原らは、鹿篭家に充満する邪悪な気配を感じ取り……というストーリー。

 除霊は人や物にとりついている悪霊や怨霊などを取り除くことで、浄霊はとりついている霊の不浄な部分を清め浄化させることという、まったく別ものなのだということを今作を見て初めて知った。仮に違いを知らなくても物語は楽しめるが、浄霊も除霊のどちらも出てきて世界観の軸にもなるため、知った上で見たほうがこの作品をより楽しめるのではないか。霊を扱った映画であるものの、どちらかというと主人公の小笠原の成長していく姿が中心のため、ホラー感という観点での楽しみは薄めだ。ちなみに、高柳さん本人もネタにしているが、“主演”に決まったのは映画完成後とのことなので、プレッシャーを感じることなく自然体の演技を楽しめるが、主演と思って見ると少しだけ肩すかしを食らうかもしれない。怖い中にも心温まる人間ドラマを楽しめる。池袋シネマ・ロサ(東京都豊島区)ほか全国で順次公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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