ワンピース
第1159話 箱庭をブッ壊せ 脱出!ブロックの国
4月26日(日)放送分
「蒼き鋼のアルペジオ -アルス・ノヴァ-」「シドニアの騎士」など、日本でもフル3DCGのテレビアニメがこの1、2年で急増しているが、3DCGアニメのルーツと言われる作品がある。女児向けアニメ「プリキュア」シリーズ(ABC・テレビ朝日系)だ。同シリーズは伝統的なセルアニメのイメージが強く、3DCGのイメージはあまりないかもしれないが、2009~10年放送の「フレッシュプリキュア!」からエンディング(ED)に3DCGのダンスシーンを流すことが定番となっている。3DCGの女の子は可愛くならない……などとも言われていたが、「フレッシュ」の放送以降、その認識が覆されたとも言われるほどだ。アニメ業界に衝撃を与えた「プリキュア」シリーズの3DCGの進化の軌跡を探った。
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「プリキュア」シリーズは、普通の女の子が妖精たちの力を借りて伝説の戦士プリキュアに変身し、さまざまな困難に立ち向かう姿を描くアクションファンタジーで、04年に第1弾「ふたりはプリキュア」がスタートした。同シリーズのEDに3DCGの映像が初登場したのが09~10年放送の第6弾「フレッシュプリキュア!」だ。「フレッシュ」はダンスがテーマで、EDは3DCGになったキャラクターがダンスをする映像だった。
1995年に世界初のフルCGの劇場版アニメ「トイ・ストーリー」が公開されてから、ディズニーやピクサーはフルCGアニメを続々と制作している。一方、国内のアニメは、00年ごろから、メカのみを3DCG化する作品が増えているものの、人間のキャラは手描きという作品が多い。
国内のアニメで人間キャラの手描きが多いのは、顔がのっぺりしていて、目が極端に大きいような美少女キャラを3DCG化すると、不自然に見えてしまうことがあるからだ。また、3DCGのキャラは、動きが滑らかになりすぎる傾向があり、セル画で制作され、作画枚数を抑えたセルアニメに慣れたファンが違和感を覚えることもある。3DCGアニメとセルアニメは別もので、3DCGの女の子は可愛くならない……などとも言われていたこともあり、「フレッシュ」のEDでキャラが自然にダンスする映像がアニメファンや関係者に衝撃を与えた。
国内のアニメで、人間キャラを3DCG化する際、キャラの造形や動きなどを調整して、3DCGでセルアニメのような表現を実現する「セルルック」という手法が用いられている。フルCGで制作されたテレビアニメがこの1、2年で急増したこともあり、セルルックが注目を集めているが、「フレッシュ」のEDはその先駆けとなった。同シリーズのEDを手がける東映アニメーション・デジタル映像部の野島淳志さんは「フレッシュ」の制作当時を「挑戦だったが、CGの技術が発展する中で、実用段階に入りつつあると考えていた」と振り返る。
また、同社のデジタル映像部の宮本浩史さんはセルルックについて「プリキュアのキャラ設定は、極端に髪がはねていたり、現実ではありえない“ウソ”がある。3DCG化した際、正面から見て違和感がなくても、角度を変えると不自然に見えてしまうことがあるので、調整して“翻訳”する必要がある」と説明する。地道な作業によって微調整しているといい、「どんな“ウソ”でも3Dで再現するのが腕の見せどころ」と話す。
「フレッシュ」のEDはアニメ業界に衝撃を与えたが、宮本さんは「当時はまだまだ限界があった。実は当時は、キャラの顔を横から見せると少し不自然に見えることもあったため、あまりやっていなかった」と明かす。そこで「独自の技術で限界を突破した」というのが、12~13年放送の「スマイルプリキュア!」だ。
「スマイル」のEDは、キャラの横顔が描かれるなど視点がグルグルと変わる派手な演出が特徴で、キャラは肌の質感や陰影がくっきりし、表情も豊かになった。宮本さんが「独自の技術で仕草を可愛く見せることで、キャラの個性を表現した。セルルックとリアル志向のいいとこ取りをしている。私は“セミリアル”と呼んでいます」と説明する。「スマイル」はブレークスルーとなり、以降のEDでは派手な演出が見られるようになった。
3DCGのダンスシーンは、劇場版の大ヒットも記憶に新しい「ラブライブ!」のほか、女児向けアニメ「プリパラ」「アイカツ!」などでも定番になっている。宮本さんは他作品の3DCGについて「意地の張り合いですよ。『やられた!』と思うこともあるけど、それぞれ追求しているところが違う」と話す。
“ライバル”も増え、女児向けアニメの3DCGシーンが盛り上がる中、31日に公開される劇場版アニメ第19弾「映画Go!プリンセスプリキュア Go!Go!!豪華3本立て!!!」の「プリキュアとレフィのワンダーナイト!」「キュアフローラといたずらかがみ」はフル3DCGアニメで製作された。
劇場版は、これまでのEDとは違いストーリーのある作品となる。東映アニメーションの鷲尾天(わしお・たかし)プロデューサーは「チャレンジではありますが、3DCGで芝居ができる段階にきている」と話し、技術が進化する中で、製作に踏み切ったようだ。さらに宮本さんは「子供たちはキャラが実在していると思っているので、CGが別ものに見えてはいけない。違和感を極力なくしている」と自信を見せる。
鷲尾プロデューサーは「プリキュア」シリーズの3DCGの今後の展開について「期待されているのであれば、やり続ける。CGでやる意味があるのか?と言われたくはない。挑戦し続ける」と語る。進化を続ける「プリキュア」シリーズの3DCGに今後も期待だ。
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