注目映画紹介:「道頓堀よ、泣かせてくれ! DOCUMENTARY of NMB48」 アイドルの光と影をさらけ出す

映画「道頓堀よ、泣かせてくれ! DOCUMENTARY of NMB48」のワンシーン (C)2016「DOCUMENTARY of NMB48」製作委員会
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映画「道頓堀よ、泣かせてくれ! DOCUMENTARY of NMB48」のワンシーン (C)2016「DOCUMENTARY of NMB48」製作委員会

 人気アイドルグループ「NMB48」の足跡を追ったドキュメンタリー映画「道頓堀よ、泣かせてくれ! DOCUMENTARY of NMB48」(舩橋淳監督)が29日に公開される。大阪・難波を拠点に活動する同グループの5年間に密着。アイドルとして活動していく過程で垣間見える光と影にスポットを当て、従来のアイドルが隠し続けてきた泥くさいリアルを撮り下ろしのインタビューを交えながら映し出す。貴重な映像だけでなく、人間くささや不格好な部分を隠さず、もがきながら夢を勝ち取ってきたメンバーたちの姿はある意味、衝撃的だ。同日には「尾崎支配人が泣いた夜 DOCUMENTARY of HKT48」も公開される。

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 NMB48は、2010年に“アイドル不毛の地”と呼ばれ続けてきた大阪で誕生した。デビューから5年がたち、難波にある専用劇場の観覧倍率は20倍以上、地元・大阪城はもちろん東京・日本武道館での2日間公演も超満員にするまでに成長した。しかし、輝かしい記録の数々はNMB48というアイドルグループを表現する一面でしかなく、そこには選抜と非選抜、次世代エース争いなどメンバー間でのし烈な争いがあった……という展開。

 AKB48から始まった「DOCUMENTARY of」シリーズは、どのグループを取り上げている作品においても、きらびやかな活動を単純にまとめているのではなく、その裏側にある努力や葛藤、秘められた思い、挑戦し続ける姿を映し出し、見る者の心を打ってきた。NMB48の活動を追った今作でもそのスタンスは受け継がれつつ、これまで以上に“競争”や“格差”といった部分に焦点が当てられ、閉塞(へいそく)感や厳しさ、現代社会の縮図のような人間模様を痛感させられる構成となっていて驚かされる。アイドルになった時点で、ある種、“勝ち組”と表現されるべきメンバーたちが、今度はその中で輝くべく悩みながらも戦っている姿には感銘を受ける。さまざまな面でこれまでの「DOCUMENTARY of」シリーズとは、一味違ったサプライズに満ちている。29日からTOHOシネマズ新宿(東京都新宿区)ほか全国で公開。(遠藤政樹/フリーライター)

 <プロフィル>

 えんどう・まさき=アニメやマンガ、音楽にゲームなど、ジャンルを問わず活動するフリーの編集者・ライター。イラストレーターやフォトショップはもちろん、インタビュー、撮影もオーケーと、どこへでも行き、なんでもこなす、吉川晃司さんをこよなく愛する自称“業界の便利屋”。

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