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注目映画紹介:「さらば あぶない刑事」 男のロマンを体現するタカ&ユージにふさわしい最後とは?

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映画「さらば あぶない刑事」のワンシーン (C)2016「さらば あぶない刑事」製作委員会

 俳優の舘ひろしさんと柴田恭兵さん演じる破天荒な刑事コンビが活躍するドラマ「あぶない刑事(デカ)」(通称・あぶ刑事)シリーズの完結編となる劇場版「さらば あぶない刑事」が30日、公開される。2005年公開の前作「まだまだあぶない刑事」から11年ぶり、7作目の劇場版で、「定年退職」をテーマに“タカ”こと鷹山敏樹と、柴田さん扮(ふん)する“ユージ”こと大下勇次が、世界の闇市場を牛耳る中南米マフィアから横浜を守る姿が描かれる。

 「あぶない刑事」は、横浜を舞台に、おちゃめで破天荒キャラのタカとユージの刑事コンビが次々と事件を解決していく人気刑事ドラマシリーズ。日本テレビ系で1986年10月~87年9月に放送され、88年10月~89年3月にはテレビドラマ「もっとあぶない刑事」(同)も放送された。劇場版は87年12月公開の第1弾「あぶない刑事」を皮切りに、これまで6作品が公開され、総観客動員数は600万人、総興行収入は82億円を突破している。

 今回の映画「さらば あぶない刑事」は、定年退職まで残り5日となったタカとユージは、横浜港署捜査課の課長となった町田透(仲村トオルさん)の心配もよそに、新興暴力団「闘竜会」が仕切り、ロシア、中国、韓国など各国マフィアが入り乱れるブラックマーケットへと潜入する。銃撃戦の末、狙いを定めていた闘竜会の幹部・伊能を逃してしまうが、今度は伊能が惨殺死体となり発見された。各国マフィアたちの均衡が崩れ始める中、タカとユージは暗躍するある組織へとたどり着く。その組織とは、キョウイチ・ガルシア(吉川晃司さん)が率いる中南米の犯罪組織「BOB」。あらゆる犯罪に手を染め、圧倒的な戦闘力と獰猛(どうもう)さを兼ね備えたBOBの横浜進出を食い止めようと、タカとユージは動き出すが……というストーリー。

 横浜港署という所轄の警察署に在籍するヒラの刑事が、自分たちの縄張り(横浜)を守るため、世界的な犯罪組織に戦いを挑むという構図は、昭和の刑事ドラマの中にしか存在しない男のロマンそのもの。ここには警察官僚や公安、特殊部隊、組織内の権力争いといった、最近の刑事ドラマの定番のテーマが入り込む余地はない。時代は平成に変わっても、相変わらずコンビまたは単独行動が大好きで、獲物(犯人)を見つければ、躊躇(ちゅうちょ)することなくすぐに発砲と、タカとユージは今回もやりたい放題。おとなしくしていればいいのに、誰よりも好奇心が旺盛で、人並みに正義感だけは持ち合わせているがゆえに、勝手に動き回っては周りをどんどんと巻き込んでいく。俯瞰(ふかん)すると迷惑以外のなにものでもないのだが、なぜか全てを許せてしまう愛すべきキャラクターで、すなわちこれが、30年間で築き上げてきた「あぶ刑事」の魅力なのであろう。

 最後の敵となった吉川さんも、ヒットした昨年の連続ドラマ「下町ロケット」(TBS系)での重厚な演技から一転、猛禽(もうきん)類を彷彿(ほうふつ)とさせる目つきで、見事、悪に染まり、グレーゾーンのない勧善懲悪な世界観に一役買っている。得意の“シンバルキック”で、難を逃れるシーンもファンにとってはたまらない演出だろう。もちろん最大の見どころは、タカとユージが無事に定年を迎えることができるのか、はたまた殉職してしまうのかという部分で、その“描かれ方”には少々不満も残ったが、最後まで大いにハラハラドキドキさせてもらった。30日から丸の内TOEI(東京都中央区)ほか全国で公開。(山岸睦郎/MANTAN)

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