女優の寺島しのぶさんが、3月17日に放送されるスペシャルドラマ「実録ドラマスペシャル　女の犯罪ミステリー　福田和子　整形逃亡15年」（テレビ朝日系）に主演し、1982年の松山ホステス殺害逃亡事件を起こした福田和子を演じることが23日、明らかになった。数々の偽名を使い、整形手術を繰り返しながら逃亡劇を繰り広げた“希代の悪女”の壮絶な人生を、寺島さんが体当たりで生々しく描き出す。

あなたにオススメ

来春朝ドラ「あんぱん」の“二人の妹”　朝ドラヒロインまで手が届くか

　福田和子は1982年に松山市のマンションで同僚ホステスを殺害し、夫と子どもたちを愛媛県に残し逃亡。2度の整形手術、20もの偽名を使い分けながら、北海道から山口まで全国規模での逃避行を15年にわたって続け、時効寸前で逮捕された人物。置き去りにした子供への思慕を募らせる母親としての側面も見せるものの、ある時期は老舗店のおかみに収まるという荒業までやってのけるなど行動は大胆そのもので、行く先々で男を“籠絡（ろうらく）”していった。

　寺島さんは「果たして責任を持って演じ切ることができるのか、最初はなかなか踏ん切りがつきませんでした。演じていても、なぜ？　何を求めて？　の問いは尽きません」と明かしつつ、「子どもを振り切って家を出て行く場面では、私も子どもがいますので演じていて痛かったですし、1日に最低でも2回は顔（メーク）を変えるなど、自分が一体何者かが分からなくなるようなめまぐるしさを味わっています」と告白。

　さらに「自分の体を通してどんな役にもなろうと考えています。私なりの女優としての在り方に応えてくれる役柄と作品に対し、うそのないよう一つ一つ真摯（しんし）に取り組んでいます」と語り、「寺島しのぶが演じることで、今までと違う和子の一面が伝わればと思っていますが、見てくださる方にはどのように感じていただいてもいい。事件が記憶にある方も、初めて知るという方も、昭和という時代にしか起こり得なかった逃亡劇、不可解だからこそドラマティックな和子の実録ドラマを、ぜひご覧ください」とアピールしている。

　ドラマには、寺島さんのほかにも豪華キャストが集結。福田和子の逃亡前の夫を滝藤賢一さん、福田和子と知らず夫婦同然の生活を送ることになった老舗店の主人を杉本哲太さん、時効直前の逮捕劇へとつながる通報を行ったおでん屋の女将をキムラ緑子さんが演じるほか、木村佳乃さん、眞島秀和さん、中村倫也さんらも出演する。「実録ドラマスペシャル　女の犯罪ミステリー　福田和子　整形逃亡15年」は3月17日午後7時から放送予定。