今週シネマ:1、2日公開の映画「あやしい彼女」「蜜のあわれ」「のぞきめ」…

「あやしい彼女」のワンシーン (C)2016「あやカノ」製作委員会 (C)2014 CJ E&M CORPORATION
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「あやしい彼女」のワンシーン (C)2016「あやカノ」製作委員会 (C)2014 CJ E&M CORPORATION

 今週公開される映画の注目作をピックアップする「今週シネマ」。1日は、女優の多部未華子さんの主演映画「あやしい彼女」(水田伸生監督)、二階堂ふみさんが主演の「蜜のあわれ」(石井岳龍監督)などが公開。2日は、元AKB48の板野友美さんが初主演したホラー映画「のぞきめ」(三木康一郎監督)などが公開される。

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 「あやしい彼女」は、2014年公開の韓国映画「怪しい彼女(英題:Miss Granny)」(ファン・ドンヒョク監督)を、「舞妓Haaaan!!!」(07年)や「謝罪の王様」(13年)の水田監督がリメークした作品。73歳の毒舌おばあちゃんが、ひょんなことから20歳の姿に若返り、歌手デビューのチャンスをつかむ………というコメディー作で、ヒロインの20歳の姿を多部さん、73歳の姿を倍賞美津子さんが演じている。多部さんの、歌はもちろんライブシーンでの堂に入ったステージングや、本当に73歳なんじゃないかと思わせる仕草や演技が見どころ。約3カ月間歌の特訓をしたという多部さんが「見上げてごらん夜の星を」(1963年)、「真っ赤な太陽」(67年)、「悲しくてやりきれない」(68年)など懐メロの名曲を劇中で歌っているのにも注目したい。

 「蜜のあわれ」は、明治から昭和にかけて活躍した、詩人で小説家の室生犀星(1889~1962年)の同名の私小説を映画化した作品。大杉漣さん演じる老作家と、二階堂さん演じる金魚の少女、真木よう子さん演じる幽霊の三角関係が幻想的に描かれている。庭の池で飼っている金魚が日中は人間の娘の姿になり、夕方になると金魚に戻り池で眠る……という信じがたいストーリーだが、外連味(けれんみ)たっぷりの演出と映像により、人間のわびしさや孤独、老いに対する戸惑い、老作家に投影されているとされる室生自身の死生観などが表れてくる。二階堂さんがショーガールのように腰を振り、なまめかしく踊る姿も注目だ。高良健吾さんや永瀬正敏さんらも出演している。

 「のぞきめ」はホラー作家・三津田信三さんの小説(角川書店)が原作。テレビ局の新米ADである主人公・三嶋彩乃(板野さん)が、日常のあらゆる隙間(すきま)から視線を投げかけ、目が合った人間を恐怖のどん底に突き落とす怪異“のぞきめ”にまつわる事件の真相を追う……という内容。ストレートな恐怖表現は要所要所にしか登場しないが、あらゆる場所に存在する数ミリの隙間(すきま)から視線を感じる、という現象が肝になっているため、登場人物たちが建物の中にいるたびにびくびくさせられる。過激なホラー表現が苦手な人もサスペンス調のストーリーとして楽しめそうだ。ほかには白石隼也さん、入来茉里さん、東ちずるさん、武田玲奈さん、吉田鋼太郎さんらも出演している。

 このほか2日は、4部作で構成された劇場版アニメシリーズの最終作「たまゆら~卒業写真~ 第4部 朝-あした-」(佐藤順一監督)などが公開される。

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