新宿アニソンスコープ：茅原実里の恋愛テーマ作が首位　故・和田光司の「Butter-Fly」再浮上

　タワーレコード新宿店のアニメ担当バイヤー・樋口翔さんが、アニソンの売れ筋や販売現場の生の声をお伝えする「新宿アニソンスコープ」。洋楽の聖地として知られるタワレコの中で、アニソンが充実し、巨大なPOPの展示やインストアライブを開くなど業界が注目する新宿店の4～10日の1位は、声優で歌手の茅原実里さんのアルバム「Innocent Age」だった。

ウナギノボリ

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　◇先週の結果

　「Innocent Age」は、茅原さんにとって2年半ぶりのオリジナルアルバムで“恋愛”をテーマにしたコンセプト作になっています。アニメのタイアップは2曲のみで、新曲が多いのも特徴。また全16曲中、5曲で本人が作詞を手掛けるなど、よりパーソナルな面をフィーチャーした一枚になっていますね。恋愛がテーマとは言え、バラード主体ではなく、ポジティブなメッセージソングも多い。今の季節にもぴったりで初動も過去作に比べて非常によく、今回の首位奪取につながりました。

　2位と4位には、今月3日に上咽頭がんのため亡くなった歌手の和田光司さんのシングル「Seven～tri．Version～」と「Butter-Fly～tri．Version～」が入りました。特に代表曲の新録バージョンを収録した「Butter-Fly～tri．Version～」は発売から5カ月が経過しているにも関わらずの上位ランクイン。現在もファンの間で追悼する動きが広がっています。

　和田さんと言えば、1990年代半ば、いわゆる「エヴァンゲリオン」以降のアニソンシーンの最前線を走り続けてきたアーティストの一人。ある一定の世代にとって“バタフライ”と言えば木村カエラさんではなく和田さんで、僕自身も改めて惜しい人を亡くしたと感じています。

　◇今週の動向

　「After the Rain（そらる×まふまふ）」のアルバム「クロクレストストーリー」、「CHiCO with HoneyWorks」のシングル「恋色に咲け」といったネット発人気ユニットの作品が好調です。また「GRANRODEO」が歌うアニメ「文豪ストレイドッグス」のオープニングテーマを収録したシングル「TRASH CANDY」、声優の水瀬いのりさんの2枚目のシングル「harmony ribbon」も次回チャートで上位ランクインが期待できます。

　◇タワーレコード新宿店アニソンコーナーランキング

1位　「Innocent Age」　茅原実里　アルバム

2位　「Seven～tri．Version～」　和田光司　シングル

3位　「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER 01 Snow Wings」　島村卯月（CV：大橋彩香）／渋谷凛（CV：福原綾香）／本田未央（CV：原紗友里）／大槻唯（CV：山下七海）／上条春菜（CV：長島光那）　シングル

4位　「Butter-Fly～tri．Version～」　和田光司　シングル

5位　「『たまゆら』主題歌コレクション～卒業写真～」　Various Artists　アルバム

6位　「嘘と未来と」 入野自由　シングル

7位　「SIX SHAME FACES ～今夜も最高！！！！！！～」　トト子 feat．おそ松×カラ松×チョロ松×一松×十四松×トド松（遠藤綾／櫻井孝宏／中村悠一／神谷浩史／福山潤／小野大輔／入野自由）　シングル

8位　「歌物語　－＜物語＞シリーズ主題歌集－」　Various Artists　アルバム

9位　「brave heart－tri．Version－」　宮崎歩　シングル

10位　「THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS ANIMATION PROJECT ORIGINAL SOUNDTRACK」　田中秀和　アルバム

※左から順に、タイトル、アーティスト

　◇プロフィル

　樋口翔　タワーレコード新宿店7階（邦楽・販売促進）アニメ担当バイヤー。2014年に町田店から異動。アニメにハマったきっかけは「新世紀エヴァンゲリオン」「BLUE SEED」「VS騎士ラムネ＆40炎」など1990年代の作品で、アニソンの中でもキャラソン、とりわけアイドルアニメ関連の楽曲を愛聴。マイアンセムは「アイドルマスターミリオンライブ！」より「Up！10sion Pleeeeeeeeease！」。お気に入りのアニメ・ゲーム作品は「プリティーリズム」「アイドルマスター」「フォトカノ」「サクラ大戦」など。