あゆみくりかまき:3頭のメスグマの夢は「オオカミVSクマ対決」! 昨年末の事故についても語る

あゆみくりかまきの(写真左から)あゆみさん、くりかさん、まきさん
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あゆみくりかまきの(写真左から)あゆみさん、くりかさん、まきさん

 可愛らしいクマのスタイルとアツく激しいロックナンバーで、アイドルシーンで異彩を放つバンド「あゆみくりかまき」が、待望の1枚目のアルバム「あゆみくりかまきがやって来る!クマァ!クマァ!クマァ!」を13日にリリースした。結成の経緯や、昨年末ニュースになった事故の話など、あゆみさん、くりかさん、まきさんの3頭がすべてを語る!

ウナギノボリ

 ――どういう経緯で結成を?

 まきさん:私とくりかが同じ高校の同級生で、一緒にあるアーティストさんのライブを見に行って、めっちゃ感動して。こういう笑顔や夢を与えられる存在になりたい、と。それで、DJ(くりか)と盛り上げ役(まき)という役割で、動画サイトで活動をスタートしました。それを、今の事務所の方が見つけてくださって。あゆみは、事務所の研究生で、見た目は癒やし系なのにライブを見たらめちゃめちゃ迫力があって。一目ぼれして、半年かけてくどいて加入してもらったんです。

 ――半年も?

 あゆみさん:くりかまきはすでに2年くらい活動していて、大きな舞台にも立っているのに、私はデビューもしてなくてオリジナル曲もなくて。そんな私が入って受け入れてもらえるのかな、という不安があったんです。でも、まっちゃん(まき)がすごく熱心に誘ってくれたので、私も頑張ってみようと思って。

 ――なるほど。そもそもの話ですが、なぜクマをモチーフに?

 まきさん:モチーフも何も、生まれたときからクマなので。

 くりかさん:ナチュラル・ボーン・クマです!

 ――じゃあ学校には?

 まきさん:人間界で暮らすには言葉とかいろいろ勉強しないといけないので……世を忍ぶ仮の人間の姿で通っていました。

 ――「聖飢魔2」方式ですね。じゃあ年齢は?

 まきさん:クマ年齢3歳です!

 くりかさん:きっとこの話は、いくら続けてもずっと平行線だと思いますよ(笑い)。

 ――では。1枚目のアルバム「あゆみくりかまきがやって来る!クマァ!クマァ!クマァ!」がリリースされたわけですが、2012年の結成から4年。ここまで長かったと思いますか。

 まきさん:でも、去年の3月にメジャーデビューしてから数えると1年ちょっとですから。順調な方じゃないですか?

 くりかさん:くりかは、ずっとアルバムを出したかったので、ようやくという気持ちでしたけれど。

 ――どんなアルバムにしたかったんですか?

 くりかさん:最初のアルバムは、くりかまきとしての2年間と、あゆみくりかまきとしての2年間を凝縮したものにしたくて。私たちのことを知ってくださっている方もまだ少ないので、これから知ってくださる方に対しても「これが、あゆみくりかまきだ!」と伝えられるものにしたいなと思ってました。

 あゆみさん:私たちが誰にも負けないと思っている勢いと元気、みんなの背中を押して一緒に頑張っていきたいという気持ち。それとライブ感を、このアルバムでは押し出せたらと思いました。これを聴いて、あゆみくりかまきのライブに行きたいと思ってもらえたらうれしいです。

 ――可愛らしい見た目に反して、けっこうアツく激しい曲がたくさんありますね。もともとロックが好きなんですね。

 まきさん:3頭とも日本のロックが好きで、オリジナル曲がまだないときは、くりかがDJでJ-ROCKをかけて踊っていたんです。そのときは、MAN WITH A MISSION、10 Feet、キュウソネコカミ、WANIMAなど。いろいろ選曲してきました。やっぱり私たちクマなので、激しいものが好きなんです。

 くりかさん:初めてのDJでかけた曲が、MAN WITH A MISSIONの曲で。尊敬しているし、ライブも見に行って感動したし。いつかオオカミVSクマで対決したいと思っています!

 あゆみさん:私は、マキシマム・ザ・ホルモンのライブを見に行ったとき、すごく感銘を受けたんです。下ネタが多かったのも衝撃でしたけど(笑い)。でも、自分たちもああいうアツく激しいライブができたらなって。私たちのライブはモッシュ&ダイブが禁止ですけど、ホルモンズの、心を裸にしてありのままをさらけ出している感覚がすごくて、私たちもそういうライブにしたいなって。

 ――では、アルバムからおすすめの曲を紹介してください。

 まきさん:うちらのライブは、来ている人一人残らず音楽で一つにさせたいというのがモットー。それを音源として実現させたいと思って作ったのが、1曲目の「スターライトジャンボリー」です。タイトルは「星空の下の音楽会」という意味で、手と手を取り合って歌って踊れば、世界平和につながるんだよと歌っています。本格的な作詞はこの曲が初めてだったので、そういう意味でも思い入れの強い曲になりました。

 くりかさん:「自分革命」という曲は、自分でも聴いて奮い立たせてくれるような曲です。歌詞にメークの話が出てくるんですけれど、やっぱり女の子ってメーク一つで気持ちが変わるので。朝起きて顔のむくみをチェックして肌の調子を見て。メーク乗りがいい日は、最高の気分です! 

 あゆみさん:「WAR CRY」は、自分がネガティブになっているときは、できない理由を探してるんだというような歌詞があって。自分自身も振り返るとそうだなと思います。こういう気持ちは誰にでもあると思うので、この曲を歌いながら、一緒にできる理由を探していきたいです!

 くりかさん:くりかは「WAR CRY」では、初めてラップに挑戦したんです。レコーディングの前には、ネットでエミネムとかいろいろなラップの曲を聴いて研究して。手抜きじゃなく、でもやりすぎ感が出ないくらいのバランスが難しくて。今もライブでは、試行錯誤しながらやっていますね。

 ――また、「What’s my name?」という曲には、皆さんの名前が歌詞の中に盛り込まれていますね。

 くりかさん:奇跡の曲です!「あゆみだせ、くりかえせ、まきおこせ」って出てくるんですけど、つまり、勇気を出して歩み出し、何度でも繰り返しチャレンジして、ムーブメントを巻き起こす!ということ。これっていろんな物事における成功するための道筋だと思って。あゆみくりかまき自体、生まれたことが奇跡なんじゃないか?と思えるくらいの曲です。

 まきさん:いつもは、またぎ(ファン)さんたちに、愛が欲しいとか恥ずかしくて言えないんですけど、この曲は「もっと愛を見せてよ!」とストレートに歌っていて。ライブではそれぞれの名前のところを、みんなにコールしてもらっていて、毎回愛を感じていますね。

 あゆみさん:普段は3頭とも強がっているけれど、おうちに帰ればそれぞれ1頭のメスグマなので、ふっと寂しいときだってあります。そういう自分たちの素の部分も出ている曲だって思います。だから最初は、歌うのがちょっと照れくさかったですね。

 ――ラストには「ナキムシヒーロー」という曲を収録していますが、誰が一番泣き虫ですか?

 まきさん:最近のライブでは、いつも泣くのはあゆみですね。

 あゆみさん:感極まって泣いてしまうんです。あまりにガチで泣くから鼻水も出てきて。ツイッターで「あゆみの泣き顔がガチすぎて、ブサイクで笑ろた」って書かれたことがあって(笑い)。

 まきさん:くうちゃん(くりか)は、ライブでは泣かないよね。プライベートではよく泣くけど。

 くりかさん:強がりかもしれないけれど、強くありたいと思っているから、泣きたくてもこらえてます! プライベートではいつも泣いてますけれどもね。この間は、揚げ鶏を落として泣きました(笑い)。

 まきさん:でも私も、ライブとなると感情が抑えられなくて、つい感極まってしまいます。というのも、昨年末に交通事故に遭ったことが大きくて。ライブができるだけで幸せすぎて。「こうやって歌えてることだけでも幸せやん!」って感動して、泣けてきちゃうんです。

 ――ライブの帰りで、車移動中の出来事だったそうで。

 まきさん:夜中だったけど珍しく3頭とも起きてて、もしもみんな寝ていたら、もっと大変な事故になっていたと思う。結局「COUNTDOWN JAPAN 15/16」と「NAGASHIMA COUNTDOWN & NEW YEAR’S PARTY 2016」がキャンセルになってしまったんですけど……。初めてのカウントダウンだったからめっちゃ楽しみにしていて、腕は上がらなかったけどアドレナリンが出て痛くなかったから、「イケる」っていってたんですけれど、ドクターストップがかかって。スタッフさんとミーティングしてキャンセルが決まったときは、緊張がほどけて3頭ともブワ~って泣いてしまって。そうしたら、一気にあちこち痛くなってきて。それで、まずは年明けの東名阪ツアーに向けて、万全を期そうということに。それに、このアルバムの制作中でもあったし。

 ――メスグマだし、お顔に傷とか残らなくてよかったですね。

 くりかさん:それ以前に命があってよかったです。

 まきさん:体には少し残りましたけど。でも「森森森」の歌詞に、「傷はいつしか勲章に変わる」というフレーズがあって。そこを歌うときは、特に感極まってしまいます。傷を見るたびに、あのときの悔しさを思い出すし、ライブができて歌えることの喜びとか、原点の気持ちを思い出すことができます。

 ――6~7月には、東名阪と仙台、広島の5公演のツアーがあります。

 まきさん:ファイナルの赤坂BLITZ(7月8日)は平日だし、5公演にどれだけの人が集まってくれるのか、正直今も不安でいっぱいです。でも、その土地でしかできないライブをやりたくて、絶賛ミーティング中です。赤坂BLITZは大きな会場なので、いろんな演出ができると思うので、その点ではワクワクしていますね。それに向けて、うちのあゆみが、やりたいことがあるみたいなので、聞いてあげてください。

 あゆみさん:火を噴きたいです! KISSのジーン・シモンズさんみたいに、口からブォ~!って。スタッフさんに言うとすぐ却下されるので、こういう取材で言いまくって外堀から埋めていく作戦です。

 くりかさん:じゃあ、くりかは口から血を流しま……せん(笑い)。

 まきさん:私は、歯でギターを?……ギターを始めたので、うちがギターを弾いて、くうちゃんがリズムをたたいて、あゆみが歌うというのが一つの夢なんです。今回は間に合うか分からないですけど、いつかやりたいです。

 <プロフィル>

 メンバーは、歌うたいの「あゆみ」、DJ の「くりか」、盛り上げ役の「まき」の3頭。2012年に母体となる「くりかまき」としてデビューし、14年にあゆみが加入し「あゆみくりかまき」に。15年に「鮭鮭鮭」でメジャーデビュー。メジャー第2弾シングル「蜜蜜蜜」は、テレビアニメ「パンチライン」エンディングテーマに採用され話題に。今年1月に初の東名阪ツアーを開催。「ボクらの熊魂2016~ここで一句!『東名阪 仙台広島 まわるんやぁ』~」は、6月11日に仙台space ZERO、6月18日に名古屋ELECTRIC LADY LAND、6月26日に大阪umedaAKASO、7月3日に広島 4.14、7月8日に東京・赤坂BLITZで開催。

 (取材・文・撮影/榑林史章)

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