林遣都:声優初挑戦にプレシャーも“デュエル”は「快感だった」

劇場版アニメ「遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS」でゲスト声優として出演する林遣都さん
1 / 5
劇場版アニメ「遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS」でゲスト声優として出演する林遣都さん

 俳優の林遣都さんがゲスト声優として参加する人気マンガ「遊☆戯☆王」の劇場版アニメ「遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS」(桑原智監督)が23日から公開される。同作は完結した原作マンガのその後を描いた作品で、林さんはオリジナルキャラクターの謎の少年・藍神(あいがみ)役を演じる。今回が声優初挑戦という林さんに、アフレコを終えた感想や原作マンガへの思い、収録エピソードなどを聞いた。

ウナギノボリ

 ◇夢中になった「遊☆戯☆王」の声優オファーに即答

 「遊☆戯☆王」は、1996~2004年に「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載された人気マンガ。「千年パズル」を解いたことにより闇の人格を手に入れ、闇のゲームの番人となった内気な少年・武藤遊戯の活躍を描き、「R」「GX」「ZEXAL」など派生作品も次々と作られた。劇場版アニメは、もう一つの別人格「闇遊戯」との戦いを終えて日常を取り戻したかにみえた遊戯の前に、謎の少年・藍神が現れ、世界中で謎の失踪事件が次々と起こる……という展開で、原作者の高橋和希さんが原作・脚本・キャラクターデザイン・製作総指揮を務め、完全オリジナルストーリーとして製作される。

 今回が声優初挑戦となる林さんは、オファーを受けて「俳優をやりながら声優に挑戦している方を何人も見てきて、いつか自分もやってみたいという思いがあった」と胸中を明かす。「アニメもアニメ映画も好き」で、子供のころは「遊☆戯☆王」にも「夢中になっていた」といい、友人たちとカードゲームで遊んでいたこともあったと振り返る。それゆえに、「(声優デビューが)まさかの『遊戯王』で、やらないという選択肢はないなと思い、すぐ『やりたいです』と返事をしました」と明かす。

 ◇だんだんプレッシャーも押し寄せ……

 林さんが演じた藍神は、今作では主人公の遊戯やライバルの海馬瀬人と並ぶ主要キャラクター。初めは「20週年記念の大作で、そこで敵役という立ち位置でやらせていただけるのが何よりうれしくて。これは財産になるなと。地元の友達に自慢できると思いました」と笑う。

 それでも、「だんだんプレッシャーも押し寄せてきて……。声優をやったことないのに、初めてでこんな大役に挑戦していいのか、という思いも出てきて」と不安な思いも明かす。声優用の台本を読むのも初めてで、しかも作品はファンタジックな要素が強い「遊☆戯☆王」だ。「何が起きているのか想像するのが難しくて。とりあえず映像を見て、そこからせりふの作業に入っていく、という流れでしたね」と振り返った。

 ◇“遊戯”風間俊介と練習 小野賢章からレクチャーも

 「遊☆戯☆王」の最大の見どころはカードを用いて戦う「デュエル(決闘)」シーン。子供のころカードゲームでも遊んでいた林さんは、デュエルに憧れがあったといい、「あれ(アニメ)ぐらいのテンションでやってみたいなと思っていて。だから、何となくこんな感じなのかな、というイメージはあった」と語りながらも、「時空に消えていく、みたいな映像が、なかなかイメージできなくて」と苦笑する。

 アフレコの本番前には、遊戯役を務める風間俊介さんとも練習したといい、「僕は何も言ってなくても、(風間さんに)不安なんだろうなと察していただいて、連絡をもらって、一緒に練習に付き合っていただいた」とエピソードを明かす。風間さんだけでなく、声優の小野賢章さんとも練習し、細かいテクニックや重要なポイントなどをレクチャーされたという。

 そうした練習を経て臨んだ本番は、「反省点は山ほどある」としつつも得るものもあった。特に見どころの「デュエル」のシーンは、事前にいろいろな声優から「どのアニメのどのシーンよりも大変」と聞いていたこともあり、「慎重に慎重に臨みました」と明かす。

 「プロの(声優の)人たちも平気で声を枯らしたりとか、それぐらいエネルギーを使うみたいで……。僕は大事に、大事に(笑い)。だけど、そのおかげで大きく声を枯らすこともなくできたのは、ちょっと自信にもなりました」と充実した表情を見せる。

 ◇役者でも「心の底から叫ぶような役を」

 収録を終えた今は、「もっと(声優を)やってみたい」と林さん。「こんなに振り切って何かになろうとしたことないなってぐらい、声優さんって自分とかけ離れた存在(役)に近づこうとするんだな、と思った。それは楽しい作業でしたね」と語る。

 声優の仕事は、俳優業への刺激になったと林さんは言う。「今回は、ファンタジックで自分とはかけ離れすぎた役をやって、振り切れる数少ない機会だった」と語り、「快感だった。特に最後の方の『デュエル』のシーン。そういうのを役者でもできたらなって思う。心の底から叫ぶような役もやってみたいですね」と意欲的に語っていた。

 劇場版アニメ「遊☆戯☆王 THE DARK SIDE OF DIMENSIONS」は23日から公開。

 <プロフィル>

 はやし・けんと。1990年生まれ、滋賀県出身。映画は「バッテリー」(2007年)、「ダイブ!!」(08年)、「風が強く吹いている」(09年)、「荒川アンダーザブリッジ」(12年)、「僕だけがいない街」(16年)など出演多数。声優は今作が初挑戦となる。

写真を見る全 5 枚

アニメ 最新記事