今週シネマ:6、7日公開の映画 「64-ロクヨン-前編」「ヒーローマニア-生活-」…

映画「64-ロクヨン-前編」のワンシーン (C)2016映画「64」製作委員会
1 / 1
映画「64-ロクヨン-前編」のワンシーン (C)2016映画「64」製作委員会

 今週末に公開される映画の注目作をピックアップする「今週シネマ」。7日には「半落ち」「クライマーズ・ハイ」などの著書で知られる横山秀夫さんの小説を、佐藤浩市さん主演で映画化した「64-ロクヨン-前編」(瀬々敬久監督)、福満しげゆきさんのマンガ「生活【完全版】」を基に、東出昌大さん主演で実写化した「ヒーローマニア-生活-」(豊島圭介監督)、ダンス・ボーカルグループ「EXILE」「三代目 J Soul Brothers」、「劇団EXILE」のメンバーらが出演する「ROAD TO HiGH&LOW」(久保茂昭監督)が公開される。

あなたにオススメ

 「64-ロクヨン-」は、昭和天皇の崩御によりわずか7日で終わった昭和64(1989)年に起き、迷宮入りとなった少女誘拐殺人事件=通称「ロクヨン」と、平成14(2002)年に発生した「ロクヨン」を模倣した新たな誘拐事件を巡る物語。映画は2部作で「前編」は、県警刑事部の刑事として「ロクヨン」の捜査にも関わり、現在は警務部広報官のポストにある三上義信(佐藤さん)が、ある事件の加害者を匿名発表したことで、県警記者クラブと衝突する出来事を中心に語られていく。記者クラブを幹事社として仕切る東洋新聞キャップの秋川を瑛太さんが演じ、綾野剛さん、榮倉奈々さん、永瀬正敏さん、滝藤賢一さん、夏川結衣さんらも出演。当時、事件に関わりながら真犯人を見つけられなかった刑事や被害者遺族らそれぞれの思い、警察とメディアのあつれき、刑事部と警務部の反目、さらに地方(県警)と中央(警察庁)の確執があらわになっていく……という展開に、スクリーンにくぎづけになる。

 「ヒーローマニア-生活-」は、東出さん演じる会社をリストラされたさえない主人公が、謎の身体能力を誇るニート、夜は若者とケンカをする定年間近の会社員、情報収集力が高い女子高生と自警団を結成し、戦いを通して成長していく姿を描く。悪事を働く人間を裁くという勧善懲悪もののような設定でありながら、裁く側は世間的にはうだつが上がらないニートを中心とした自警団という変化球過ぎるヒーロー物語で、スタイリッシュかつポップな世界観にも引き込まれる。自警団のメンバーには東出さんのほか、窪田正孝さん、小松菜奈さん、片岡鶴太郎さんが扮(ふん)し、若手とベテランが個性的なキャラクターを演じ切っている。ヘタレで不器用ながら愛嬌(あいきょう)たっぷりのダメさ加減を見せてくれる東出さんと、ときに変顔をはさみつつ自警団の紅一点をキュートに演じる小松さんの2人は、新境地を切り開いた役どころで楽しませてくれる。

 「ROAD TO HiGH&LOW」は、2015年10~12月に放送された連続ドラマ「HiGH&LOW~THE STORY OF S.W.O.R.D.~」(日本テレビ系)を、コブラ(岩田剛典さん)、ヤマト(鈴木伸之さん)、ノボル(町田啓太さん)の3人の視点で再構成し、未放送カットや16年7月公開の映画本編のシーンも登場。幼い頃から無二の親友であるコブラ、ヤマト、ノボルの3人。頭がよく大学に進学したノボルは、ケンカしか取り柄のないコブラとヤマトの希望だったが、ある日、ノボルに突然の悲劇が襲いかかる。コブラとヤマトは、ノボルの戻ってくる場所として「山王連合会」を結成。「White Rascals」「鬼邪高校」「RUDE BOYS」「達磨一家」を合わせた五つのチームがせめぎ合い、それぞれの頭文字をとってSWORD地区と呼ばれるようになる。同地区にノボルが戻ってくるが、SWORD地区の支配をもくろむ「家村会」の一員となっていて……というストーリーが展開する。

 そのほか6日には、2012年から「good!アフタヌーン」(講談社)で連載中の桜井画門さんのマンガが原作の劇場版アニメの3部作の第2部「亜人-衝突-」(安藤裕章監督)が公開されている。

映画 最新記事