ドラゴンボールDAIMA
第11話 デンセツ
12月23日(月)放送分
アニメ化もされた人気マンガを実写映画化した「亜人」(本広克行監督)がヒットしている。不死身の新人類「亜人」を巡る戦いを描いたアクション大作で、俳優の佐藤健さんが主人公の研修医の永井圭を、綾野剛さんが亜人のテロリストの佐藤を演じている。頭脳戦や黒い幽霊のようなIBM(インビジブル・ブラック・マター)を伴う肉弾戦、銃撃戦など手に汗握るアクションシーンの連続。佐藤さんと綾野さんがストイックな役作りで挑んだという“裸のシーン”も話題になっている。主演の佐藤さんが、綾野さんとの撮影秘話やアクションシーンの苦労などについて語った。
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「亜人」は2012年に「good!アフタヌーン」(講談社)で連載を開始した桜井画門さんの同名マンガが原作。トラックと衝突して死亡したことで、不死身の新人類「亜人」であることが発覚した研修医・圭(佐藤さん)は、懸賞金目当ての人々や警察に追われる身となる。そんな圭に、同じく亜人のテロリスト、佐藤(綾野さん)が手を差し伸べるが、国家転覆を謀る佐藤に、圭は加担することができず……というストーリー。厚生労働省の亜人担当職員・戸崎役を玉山鉄二さんが演じ、そのほか城田優さん、千葉雄大さん、川栄李奈さん、山田裕貴さん、浜辺美波さん、品川祐さん、吉行和子さんらが出演。また人気声優の鈴村健一さん、宮野真守さんも出演している。
――原作マンガを読んだ感想は?
「映画化しようと思うんだけど」という話を聞いてから読んだんですが、純粋に作品として面白かったですし、もちろん映画化を頭に入れた上で読んだので、新しいアクション映画が作れるなと思いました。
――「新しい」というのは具体的には?
傷を負っても自ら命を絶つことでリセットして傷が再生してっていうことを戦法に取り入れて戦うんですけれども、それを実写で俳優たちがやったら面白くなるなというのが見えました。
――原作の主人公・圭は高校生ですが、映画では研修医です。そこはどう考えましたか。
原作の圭が亜人と気づかずに普通に大人になったらどうなっていたんだろうということをイメージしました。高校生が医大に入って研修医になったら、こうなるんじゃないだろうか、と。基本的にキャラクター像、圭のパーソナリティーの部分はマンガを意識して演じています。
――圭の人間としての温かみに欠けるキャラクターについてはどう感じましたか。
圭は合理主義過ぎるがゆえに、人から見ると冷たく見える瞬間があるキャラクターで、結構共感できたんですよ。僕も、感情以上に正しいことに興味があるというか。圭って結局、何が最善か何が正しいかということを感情を切り離して考えることができる人で、正しい答えにたどり着くことができるのが魅力で、僕もそういう人が好きなので、自然に無理なく演じられました。
――以前にも映画「何者」(16年)などで周りを客観的に見ている役を演じられていますが、そういう役が自分に来るのはなぜだと思いますか。
なぜかは分からないですけれど、僕がやりたいと思うことは事実です。そういう人にシンパシー(共感)を感じます。
――そういう人物を演じる上で気を付けていることは?
今回に関していうと、圭は自分が置かれた状況を常に客観的に見て、何をするのが最善なのか、何をすべきなのかということを考えて、正しい答えにたどり着けることができる人で、僕も純粋にキャラクターが置かれた状況を自分だったらということも踏まえて考えて、どういうことを言うのか、どういう選択をするのか、どういう行動が最善なのかということを、台本とは別のところで考えて、それに準じて演じました。
――綾野さんの佐藤のキャラクターは、年齢は若くなっていましたがアニメに寄せているように感じました。共演されていかがでしたか。
演じる以上のことが必要な現場だったんです。アクションは台本に描けないですし。僕は圭というキャラクターだったらどう動くのかということを考え、綾野さんは佐藤というキャラクターだったらどう動くのか、どういうタイミングでせりふを言うのかということを考えていた。僕たち2人で考える時間がすごくあったし、話し合う作業もすごくしました。もともと信頼関係があって、遠慮なくいろんな意見を言うことができ、その結果、お互いが満足いくものが作れたのでよかったです。
――「亜人」ならではのアクションもキーポイントになっています。
亜人の特性を生かして作戦に取り入れているわけで、なかなか他の映画ではできないことだし、面白いアイデアでしたね。実写化でそういうことがやりたかったんです。なぜ実写化したかったかというと、そういった亜人だからこそできることがやりたかったから。現場では(アクションについて)いろんなアイデアを出し合いました。
――今回、圭のIBMの声はアニメで圭を演じた声優の宮野さんが担当されています。アニメの宮野さんの声は参考にされましたか。
大分参考にしました。というのも純粋に圭の声に合っているなと思ったし、他のアニメに比べて、宮野さんがかなり実写的なお芝居をしているように感じたので。僕が永井圭になるために佐藤健ではない別人の何者かになるために、宮野さんの声を一つの指標にさせてもらいました。
――映画では宮野さんのIBMはかなり加工した声になっていますが、あの声を聴いたときはどう思いましたか。
思ったよりナチュラルでした。ナレーションも宮野さんがやってくださっているんですけど、そもそも宮野さんが出られるのっていいアイデアだなと思いました。アニメのファンの方も多い作品で、宮野さんが出られるということで映画「亜人」に興味を持ってくれる方たちも多いと思うし。結果、よりよい作品になったと思うので、出ていただいてうれしかったですね。
――IBMと絡みながら動くシーンは、もちろん撮影のときは見えないわけですが。
アクション担当のスタントマンの方が、グリーンマンっていうんですけど、緑の全身タイツを着て現場にいてくれて。その方がIBM役でガイドとして合わせて撮って、そのあとにグリーンマンに抜けてもらって、本番として何もない空間で同じ動きをする、というような撮影の仕方ですね。
――女性陣のアクション、特に川栄さんのアクションシーンが印象的ですが、どう思われましたか。
すごいなと思いました。もともとアクションを得意とされている方ということは知ってましたけど、今回の役にも合っていて、衣装も似合っていたし。前半のクライマックスシーンで川栄さんのアクションシーンが出てくるんですが、そこでこの映画の一番いい音楽を使っていて、僕は見ていて、一番テンションが上がりました。
――亜人のように佐藤さんが何回も生き返られるとしたら何をしたいですか。
なってみないと分からないですけど、死なないわけですから、かなり危険なアクションができるので、すごいシーンを演じたいですね。
<プロフィル>
さとう・たける 1989年3月21日生まれ、埼玉県出身。2007年、ドラマ「仮面ライダー電王」(テレビ朝日)で初主演を飾る。ドラマは「ROOKIES」(08年)、「ブラッディ・マンデイ」(08年)、「メイちゃんの執事」(09年)、NHK大河ドラマ「龍馬伝」(10年)、「天皇の料理番」(15年、主演)などに出演。映画は「BECK」(10年)、「るろうに剣心」(12年、主演)、「リアル~完全なる首長竜の日~」(13年、主演)、「カノジョは嘘を愛しすぎてる」(13年、主演)、「るろうに剣心 京都大火編/伝説の最期編」(14年、主演)に出演。また舞台「ロミオ&ジュリエット」(12年、主演)などに出演した。近年は、15年に映画「バクマン。」に主演、16年は主演映画「世界から猫が消えたなら」、「何者」が公開。今年は「亜人」に続いて、12月16日には主演映画「8年越しの花嫁 奇跡の実話」、18年には映画「いぬやしき」「ハード・コア」が公開予定。また、18年4月からNHK連続テレビ小説「半分、青い。」に出演。
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