間宮祥太朗:映画「高台家の人々」の和正役に「好きな子にちょっかいを出すタイプ」と共感

映画「高台家の人々」について語った間宮祥太朗さん
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映画「高台家の人々」について語った間宮祥太朗さん

 森本梢子さんの人気マンガを実写化した映画「高台家(こうだいけ)の人々」(土方政人監督)が公開中だ。映画は、スケールの大きな妄想が趣味の女性会社員・平野木絵と、人の心が読める能力を持つイケメンでエリートサラリーマンの高台光正の恋模様をコミカルに描いている。ヒロインの木絵を綾瀬はるかさん、光正を斎藤工さんが演じているほか、水原希子さん、大地真央さん、市村正親さんらが脇を固めている。また、映像配信サービス「dTV」では映画公開と同日に、オリジナルドラマ「高台家の人々」の独占配信がスタート。小松菜奈さん、斎藤さんら豪華キャストで、映画では描かれていない原作の人気ストーリーを映像化した。映画では高台家の次男・和正、ドラマでは若かりし頃の茂正Jr.(通称マサオ)を演じる間宮祥太朗さんに話を聞いた。

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 ◇心が読める能力に「明確に分からなくてもいい」

 今作では “テレパス”と呼ばれる人の心が読める能力を持ったキャラクター・和正を演じる間宮さんだが、自身は「普段、思ったことは口に出すので、全然(心を)読まれても大丈夫です」という。

 心が読めるという能力についても、「第六感的なものの延長線だと思っていて、相手とあまり話さなくても、多分自分のことが苦手なのではということが分かることがある」と間宮さんは切り出し、「その人と自分の育ったバックボーンの違いや、普段の生活の違いだったり、いろんなことで苦手意識を感じられているなというのを、なぜか直感することがある」と説明する。

 さらに、「それとは逆に、この人とは仲よくなれるという嗅覚(きゅうかく)が働いているときも、だいたい間違っていないなど、第六感的なところは強い方だと思う」と自己分析し、「正直、明確に(相手の心の中が)分からなくても、ヒントを頼りにコミュニケーションというか人間関係を構築していると思うので、そこまで明確に分からなくてもいいかなとは思います」と語る。

 これまでの経験も踏まえ、「仲よくなれると感じた勘のようなものは、実際長い付き合いになる友人ができたりと、だいたい当たっていると思う」と話す間宮さんだが、「ただ、昔付き合っていた子に振られたときは、自分から気持ちが離れていることに全然気が付きませんでしたから、万能とはいかないです」と苦笑いを浮かべる。

 ◇綾瀬はるかの天然ぶりに驚く

 斎藤さんが演じる光正、水原さんが演じる茂子との会話は、テレパス同士、心を読み合った“脳内会話”が繰り広げられる。「段取りで動きの確認はしますが、まず先に会話のやり取りの声だけを録音しました」と間宮さんは撮影方法について語り、「録(と)った声を流しながら演技をしていくのですが、表情やせりふのタイミングもあるので、間を考えながらやっていく感じでした」と説明する。

 完成した映像では心を読み合っている感じが伝わってくるが、「心の声が聞こえるということなので、反応としては特殊な能力を持っているとはいえ人間の反応でなければいけない」と演じる際の基本スタンスを明かし、「たとえば今マネジャーが『おなかがすいた』と思っていたとしたら、『おなかがすいた』という独り言を言ったと仮定して反応すればいいだけ」と説明。そして、「わざわざ“心を読んでいます”という感じにしなくても、心の声がただ聞こえてきたということなので、独り言を聞いたのと同じリアクションで演じた」と振り返る。

 撮影現場でのエピソードとして、「綾瀬さんと話をしていたら、最初うなずいてくれていたのですが、途中で『そうだよね』といって目が合ったまま(綾瀬さんが)目を閉じていくのを見た」と間宮さんは打ち明け、「話の続きどうしようかと思った」と笑う。さらに、「(綾瀬さんが)“おっちゃん”と呼ぶので周りを見て確認をしたら、自分のことでした(笑い)」と驚きつつ、理由を聞くと、「(綾瀬さんから)『なんとなく……ごめん』と言われたのですが、後日聞くと、やり取り自体を覚えていなかった」と楽しそうに話す。

 ◇好きな子に意地悪するところは「似てなくもない」

 ひねくれ者でちょっと意地悪という性格の和正に対し、「(自分と似ているところは)なくもない」という間宮さんは、「小学校のときとかは、好きな子にちょっかいを出すタイプで、いわゆるちゃんと優しくできずに『なんだよ!』みたいに言ってしまうような男の子でした(笑い)」と共感を示す。

 そして、和正の純(夏帆さん)への接し方について、「かまってほしいのもあるのでしょうが、何を話したらいいか分からないのでは……」と間宮さんは推測し、「ちょっと一緒に話そうと普通にできる人なら言えるけれど、照れくさくて言えないから、会話の糸口がほしくて突っかかるような口調になってしまう」と分析する。

 続けて、「僕が小学生の時に同じようなにやっていたことを考えても、好きだからちょっかいを出すのか、ちょっかいを出しているうちに好きになったのか、実は分からないのでは」と自問し、「ちょっかいを出しているうちに好きになって、という可能性もあるから、和正の純に対する思いもどちらなのか分からない。最初は本当にいじっていただけなのかもしれない」と思いをはせる。

 自身の理想の女性像については、「性別問わず、誰にでも面倒見がいい人に尽きます」と間宮さん。その理由を、「もし僕にだけ面倒見がよかったり気を使うのだとすれば、それは好きという感情があるからやっていることとで、それは慣れとともに薄れていくのでは」と持論を述べ、「本当に面倒見がいいと思う女性は同性の後輩からも好かれるだろうし、(そういう部分で)かなわないなと思うと、すごく色っぽくも感じます」と笑顔で明かす。

 今作の魅力を「見終わったあとに、ものすごく幸せな気持ちになる」と間宮さんは表現し、「前半はすごくコミカルなのですが、笑いで心をリラックスした状態にして、そこに大事なメッセージを投げかけてくれるから、グッとくると思う」とアピール。「末っ子感をすごく意識して演じたので、人生をまだ酸いも甘いも知らないという感じを見ていただけたらと思います」とメッセージを送った。映画は全国で公開中。

 <プロフィル>

 1993年6月11日生まれ、神奈川県出身。2008年にドラマ「スクラップ・ティーチャー 教師再生」(日本テレビ系)で俳優デビューし、10年に舞台公演「ハーパー・リーガン」で初舞台を踏む。その後、舞台「銀河英雄伝説」(13~15年)にも出演。主な出演作として、ドラマ「山田くんと7人の魔女」(フジテレビ系)、「弱くても勝てます ~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~」(日本テレビ系)、「学校のカイダン」(日本テレビ系)、「ニーチェ先生」(日本テレビ系)、映画「ライチ☆光クラブ」(16年)など。

(インタビュー・文・撮影:遠藤政樹)

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