片思いをテーマにした八つの恋愛エピソードを描くオムニバス映画「全員、片想い」が全国で公開中だ。俳優の加藤雅也さんがパーソナリティーを務めるFMヨコハマの番組「BANG!BANG!BANG!」をきっかけに、小説投稿サイト「E★エブリスタ」と共同で片思いをテーマにした小説を募集。その中から選ばれた4本と映画オリジナルストーリー4本を映像化した。うそを繰り返す女性が誠実な青年に恋してしまうエピソード「嘘つきの恋」(藤井道人監督)で、ヒロインのマナ役を演じるモデルで女優の新川優愛さんに聞いた。
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新川さん演じるマナは、彼氏がいるとうそをついてクラブで出会った男と後腐れのない関係を楽しむという役だが、「遊んでいる感じの役を演じたことはありますが、ここまで遊んでいて……という役は今まで経験がなかった」と新川さんは切り出し、「撮影でクラブにも初めて行ったし、いろんな意味で新しいことだらけというか、いろんな発見があった撮影期間でした」と振り返る。初めて訪れたというクラブの印象について、「音楽とかすごい(音量だ)し、ミラーボールが回っているし、なんかすごいところもあるなって思いました」とほほ笑む。
自身が演じたマナについては、「どこか素直になれなくて、本当に好きになった人にすぐ好きと言えないところって、誰しもあるんじゃないかなと」と分析し、「彼氏がいるってうそをついちゃう子もきっといるだろうし、逆に『好きな人いるの?』って(自分が)好きな人に聞かれて、『いない』って答えちゃうようなうそもあったりする。小さいうそって片思いにつきものじゃないですけれど、そんなこともあるので、私は共感する部分があったなと思います」とマナの行動に理解を示す。
演じる際には、「最初、台本に目を通したときは、(マナは)なんでそういうことを言っちゃうのかなって思ったのですが、じっくり考えてみると分かるみたいな(笑い)」と新川さんは感じ、「(マナの言葉などに)『高校の時、私こうだった』みたいなところがちょこちょこ出てきたので、誰しもが経験していることなのかなと思うと、演じやすさはありました」という。
今作が映画初主演となったが、「そういわれれば初主演なんだ、と」と少し驚いたように話し、「どの現場も自分ができることを出したいと思っているので、そこに関しては必要以上に気にすることなく、普段通り、あまり気負わずという感じでした」と自然体で臨んだという。
続けて、「力みすぎても空回りしたり、自分のよさが出せないと困るので、変に力みすぎないように、だけれども、ある程度の緊張感を持ってというのが、いつもどの現場でもモットー」と明かし、「主演という(立場)より、(マコト役の志尊淳さんと)2人だったのが大きい。私たち2人でいかようにも空気がなるので、和ませるシーンは和ませて、真剣なシーンはこうメリハリを持ってできるかということを考えて臨みました」と語る。
新川さん演じるマナと志尊さん演じるマコトを中心に物語が進行していくが、「私はわりと人見知りなのですが、会話がないと相談とかもできないと思い、志尊さんも人見知りだったので、(メインキャストは)私たち2人だったし、私の方がいくつか(志尊さんより)年上なので、なるべく話しかけるようにしました」と現場の雰囲気作りを意識したという。
その結果、「お互いが話すようになって、天候に左右されてしまうシーンで、お天気が安定しなくて大変だった日もありましたが、そういうときも『雨降ってきちゃったね』みたいな感じで、志尊さん含め現場も和やかに笑ってくれていたので、ハプニングがあってもみんなで楽しくできたかなと思います」と充実感をにじませる。
撮影で印象に残ったシーンを聞くと、「最初に私(マナ)が『彼氏いるんだよね』と軽く言うけれど、(マコトは)本当にショックを受けて本当に『えっ!?』となる。その後に志尊さん(マコト)がレストランで『彼氏いるんだよね……』と言うせりふがあるのですが、そのときのマコトくんの表情が忘れられない」と新川さんは話す。
その理由を「マナとしては今まで(の男性とは)と違うというのがあるし、私自身も『わー』って思ってしまうぐらいの目力だったり表情がありました」と説明し、「そのシーンを見て、私のマネジャーさんから、『志尊さんのほうが可愛い』『負けてるよ』と言われました(笑い)。でもそれはしょうがないって返しました」と言って笑う。
そして、「可愛らしいと言ったら失礼ですけど、お店の雰囲気や周囲の雰囲気作りを大切にしてくださった現場なので、そういったすべてのものがあってこそなのですが、すごくマコトくんに引かれるいいシーンだったなと思います」と感慨深げに語る。
新川さん自身の理想の男性像について、「マコトくんみたいな人は好き」と言い、「真面目というか、真剣だし、一生懸命だし、いちず。マコトくんって家族とか大切にしそうだなと思って」と笑顔で理由を説明する。さらに、「フワッとしているけれど芯があって、前を向いているという意味で、マコトくんみたいな人はいいなって思います」と語る。
しかし、周りに優しすぎると心配になるのでは……。「そう言われるとそうですね(笑い)。それでも、この人は私だけって思えるかどうかは、その2人の関係性なので、それを気付いていけたらいいのかなと思います」と思いをはせる。
片思いエピソードを描いた今作だが、「もちろん大人の方も楽しめるし、その他の世代でも面白いと思うのですけれど」と前置きし、「大人になってくると恋愛に関してうまくいかなくても、『こんなもんか』と思ってしまったりとかあると思いますが、へこむところはへこんで、うれしいときは舞い上がってる、そういった恋愛が楽しいであろう10代後半から20代前半の“恋愛どんぴしゃな世代”の子に特に見てほしい」とアピールする。
男性から見ると少し行動が理解しにくい部分もあるマナについては、「男性って女心が分からないというから、男性からしたら(マナは)なかなか……」とほほ笑みつつ、「女の子がキュンキュンするだけでなく、男性が女心を知るじゃないですけれど、異性の思いというか自分側には分からないことだったりも、(『全員、片想い』)全部のお話を通して知ることができるのでは」と紹介した。映画は全国で公開中。
<プロフィル>
1993年12月28日生まれ、埼玉県出身。2010年に講談社の「ミスマガジン2010」でグランプリを受賞し、11年には集英社の「ミスセブンティーン2011」に選ばれ、「Seventeen」専属モデルとして活躍。08年に「長男の結婚」(テレビ朝日系)でドラマ初主演、10年公開の「瞬 またたき」で映画初主演を果たす。主な出演作に、ドラマは「GTO」(フジテレビ系)、「35歳の高校生」(日本テレビ系)、「水球ヤンキース」(フジテレビ系)、「恋仲」(フジテレビ系)など、映画は「今日、恋をはじめます」(12年)、「アオハライド」(14年)などがある。現在は「non‐no」専属モデルや、「王様のブランチ」(TBS系)の5代目女性MCを務めるなど多方面で活躍。7月期のドラマ「グ・ラ・メ!~総理の料理番~」(テレビ朝日系)に出演する。
(インタビュー・文・撮影:遠藤政樹)
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