春名風花:みつばちマーヤ役で“再デビュー” これからは「声優を本業に」

劇場版アニメ「みつばちマーヤの大冒険」日本語版で主人公のマーヤの声を務める春名風花さん
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劇場版アニメ「みつばちマーヤの大冒険」日本語版で主人公のマーヤの声を務める春名風花さん

 “はるかぜちゃん”の愛称で知られる春名風花さん(15)が日本語版で主人公の声を務めるフルCG劇場版アニメ「みつばちマーヤの大冒険」(アレックス・ステイダーマン監督)が3日から公開される。海外アニメの吹き替えは初挑戦となる春名さんが演じるのは元気で天然なみつばち・マーヤ。「マーヤ役で“再デビュー”です」と語る春名さんに、主人公役を務めた心境や今後の芸能活動などについて聞いた。

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 「みつばちマーヤの大冒険」の原作は、ワルデマル・ボンゼルスの児童文学「みつばちマーヤの冒険」(1912年)。日本では75年と82年にアニメ化されている名作だ。今回の作品は、教育係の言うことを聞かず、騒動を起こしてばかりのマーヤは、勝手に外の世界に飛び出し、さまざまなことを経験しながら成長していく……というストーリーで、2014年にドイツなどで製作。日本語版では主人公・マーヤの親友・ウィリー役を声優の野沢雅子さんが担当している。

 ◇主役のプレッシャー 野沢雅子との共演に緊張も…

 正式にオファーを受ける前は、「まさかマーヤのわけがない」と思い、他の虫の役のつもりでいたという春名さん。マーヤ役だと聞いた時は「いろいろな人が作ってきたキャラクターだったので、僕がやっていいのかなと思って」と当時の不安な心境を振り返る。しかも、親友のウィリー役は野沢さんで、「昔からテレビで見ていて、野沢さんと共演できるなんて(共演者が)うらやましいなと思っていたら、まさか自分がやることになるとは」と笑う。

 「共演することもドキドキでしたし、野沢さんが親友役で自分がマーヤ、ということにもかなりプレッシャーはありました」と春名さん。「緊張しすぎて、何を話したのかあまり覚えていない」というが、野沢さんの隣で演技をする中で、自分の演技力がどんどん底上げされていく感覚もあった。「本番では緊張はなくなっていった」と度胸の良さものぞかせながら、「充実感でいっぱいですね」と目を輝かせる。それでも、「一度満足しちゃうと、さらにもっと上へと思っちゃう。今度(別の作品に)出演した時は、後から見た時に『全部完璧だ』と言えるようにしたいですね」と意欲的に語る。

 ◇ジェットコースターに乗って役作り

 世界中で愛されている作品に携わる上で、意識したのはイメージを守ること。「いろいろな人のイメージを壊したくないという気持ちがあったので、(事前に)いろいろな国のマーヤの声を聞いた」という春風さん。「主役ということで、かなり動転して。何から始めればいいのか分からなくて……。ハッと、『自分、飛んだことない!』と思って、ひとりで室内遊園地のジェットコースターに乗りに行きました」と楽しそうに明かす。

 「怖いから目をつぶりたいけどつぶっちゃだめで、笑わなきゃいけないから、乗りながら『ハハハハ!』とひとりで声を出して笑ったり」と独特の“役作り”を明かし、「(はたから見て)怖いですよね。あの時、同じジェットコースターに乗っていた人、ごめんなさい、と思いました」と笑う。

 ◇マーヤのように純粋に 「人見知りなんです」

 好奇心旺盛なマーヤのキャラクターは、自身と重なる部分もある。「今までずっと心がけてきたことは、『偏見と先入観をなるべく持たない、その人自身を見る』ということ」と語る春名さん。「マーヤって、何の先入観も持ってないし、偏見も持たない。自分で見たものしか信じない節があって。そこがすてきだなと思う。誰とでも仲良くなれる。それは自分が心がけてきたことでもありますけど、これからは、もっとマーヤのように純粋にいろいろなことを見ることができたらいいなと思います」とほほ笑む。
 
 ただ、「誰にでも声をかけるというのは、自分にはないところかもしれないですね。「昔は『はい』と『いいえ』しか言えないような子で。結構、人見知りなんですよ」と語る。ハキハキとした受け答えが印象的な春風さんだが、「お仕事だ、という時はしゃべれるんですけど、初対面の人や一度番組で一緒になった、という人とは全然仲良くなれなかったり……。ちょっと悲しいなと思いつつも、あまりガンガン話しかけられない」と意外な一面を明かす。

 ◇「声優が本業」 マーヤ役で“再デビュー”

 これまで声優の仕事もこなしつつ、子役タレントというイメージが強かった春名さんだが、「声優を本業にしたいですね」と明かし、「マーヤ(役)が再デビュー」と表明する。「声優のお仕事って、何にでもなれる。地球外生命体でも、動物でも。芯として、お芝居が好きだっていうのがあって、その中でも声優という職業は可能性がぶわーっと広がる仕事だなと思っているので、本業は声優としてやっていきたいですね」と宣言。「この人はこの役(の人)だよね、とみんなが思ってくれるような役が欲しいと思います」と意気込んだ。

 <プロフィル>

 はるな・ふうか。2001年生まれ、神奈川県出身。声優は「おおかみこどもの雨と雪」(細田守監督、2012年)の荘子役など多数出演。ドラマやバラエティー番組などでも幅広く活躍。3日公開の劇場版アニメ「みつばちマーヤの大冒険」(アレックス・ステイダーマン監督)の日本語吹き替え版で主人公・マーヤを務める。

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