芳根京子:べっぴんさんヒロインは超ポジティブ 「落ち込む余裕あったら前を向きたい」

NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」で主演を務める芳根京子さん
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NHK連続テレビ小説「べっぴんさん」で主演を務める芳根京子さん

 女優の芳根京子さん(19)が主演を務めるNHK連続テレビ小説朝ドラ)「べっぴんさん」が3日からスタートする。芳根さんが演じるのは、戦後の焼け跡の中、子供服作りにまい進していくヒロインの坂東すみれ。撮影当初は「不安の方が大きく、大変なことは毎日ある」と苦労を認めつつも、「壁にぶち当たっても立ち上がりたい、全力で突っ走りたいって性格なので、壁にぶち当たったといって、立ち止まっていることはない。落ち込んでいる余裕もないっていうのはありますし、落ち込む余裕があったら前を向きたい」と、その小さな体にポジティブなパワーをみなぎらせる芳根さん。ドラマに懸ける思いを聞いた。

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 「べっぴんさん」は、95作目の朝ドラ。神戸市に本社を置く子供服のメーカー「ファミリア」の創業者の一人、坂野惇子さんをモデルにしたヒロイン・すみれの物語。戦後の焼け跡の中、娘や女性のために、子供服作りにまい進するヒロインと家族の姿が描かれる。

 脚本はドラマ「名前をなくした女神」「ファーストクラス」(ともにフジテレビ系)などを手がけ、フリーアナウンサーの羽鳥慎一さんの妻で脚本家の渡辺千穂さんが担当。すみれの父・五十八役で生瀬勝久さん、母・はな役で菅野美穂さん、姉・ゆり役で蓮佛美沙子さんが出演し、すみれの幼なじみ・潔を高良健吾さん、紀夫を永山絢斗さん、女学校時代の同級生・君枝を土村芳さん、良子をアイドルグループ「ももいろクローバーZ」の百田夏菜子さんが演じる。ほかに、お笑いトリオ「ネプチューン」の名倉潤さん、谷村美月さん、三倉茉奈さん、市村正親さん、中村玉緒さんが登場する。

 ◇悩んでいるなら“行動”「立ち止まっていることはない」」

 今年3月のヒロイン発表に始まり、4月から裁縫や関西弁のけいこ、5月にクランクインと一歩ずつ朝ドラ・ヒロインとしてのプロセスを踏んできた芳根さん。「初めの頃はどうしようって不安の方が大きくて、クランクインの前は不安や悩みがすごく多かったんですけど、けいこをたくさんやらせてもらって、クランクインして撮影が進んでいくと、どんどんと悩んでいるひま、時間がなく、悩んでいるなら何か行動に移そうという考えになっていったので、今は毎日、撮影が楽しいです」と笑う。

 現在の心境を聞くと、「楽しみでワクワクで胸がいっぱいです」と声を弾ませ、「手応えは十分?」との問いにも「そうですね」と力強くうなずく芳根さんは、「撮影はほとんど毎日、朝から晩まであって、もう私自身でいるよりも、すみれでいる時間のほうが長い」とすっかり役に染まりきっている様子。「本当に毎日すみれとしているので、性格が寄ってしまうというか、役に入り込みたいタイプでもあるので、すみれのことしか考えられない。『すみれなら、すみれだったら』って考えになっているので、集中力が上がったなっていう気はしていますね」と実感する。

 また、自身と役とを比べ、「すみれと私はかけ離れてはいないんだろうなって思っていて。一つ決めたことはやり通すって、そういうよくも悪くも頑固な面もある」とも明かす芳根さんは、「大変なことは毎日あるんですけど、私は壁にぶち当たっても立ち上がりたい、全力で突っ走りたいって性格なので、壁にぶち当たったといって、立ち止まっていることはない」ときっぱり。「やっぱり皆さん、優しくて、支えてくださっているのでその力は大きいなと思いますし、私が大変だなって思う以上にスタッフさんが寝られていなかったり、自分より大変な人がもっともっといるので、とにかく私は弱音を吐かずに、楽しい空気感を作れたらなって思って現場にいます」とどこまでも前向きだ。

 ◇ポジティブさは“母親ゆずり” 共演の生瀬勝久も生き方に感化

 この芳根さんのポジティブさはどこから来ているのか。若くして難病(ギラン・バレー症候群)を克服し、4度目のオーディション挑戦で念願の朝ドラのヒロインを勝ち取ったことも決して無関係ではないはずだ。以前、ドラマの制作統括を担当する三鬼一希チーフプロデューサー(CP)は「芳根さんの外見とは裏腹な中身、芯の強さ、真っすぐ、けなげさを見て、一緒にドラマを作りたいと思った」と起用理由を明かしており、また父親役の生瀬さんも「大病もされたので死生観も持っていて、いろいろなことにチャレンジしている。京子ちゃんの生き方に非常に感化されています」と会見で話していた。

 それでも芳根さんは自身のポジティブさは“母親ゆずり”といい、「とにかく私の母親がポジティブなので、母を尊敬しているという部分があります」とほほ笑む。さらに「(撮影現場では)落ち込んでいる余裕もないっていうのはありますし、落ち込む余裕があったら前を向きたいっていうのもあります」と語った。

 週間視聴率20%(関東地区、ビデオリサーチ調べ)の大台超えをキープするなど、人気を集めていた「とと姉ちゃん」から“朝の顔”を引き継ぐことについても、「何よりもいい作品をという思いが強いので、もちろんプレッシャーはありますけれど、すてきな作品を作りたいっていう思いが一番です」と毅然(きぜん)と話し、「私がこの作品で強く思うことは、この『べっぴんさん』のチーム全員で、“べっぴん”(別品)な作品を届けたいということ。見てくださる方が『この作品すてきだな』ってなるよう、ちょっとでもパワーをお届けできたらと毎日、撮影しているので、視聴率のためにこうしようっていうより、とにかく今、私ができることを全力でやるということが一番、私には必要かなって感じています」と力を込めた。

 「べっぴんさん」は全151回を予定。3日からNHK総合で月~土曜午前8時ほかで放送。

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