講談社:一迅社の子会社化は「オタク系コンテンツ」の強化 

会見に出席した(左から)一迅社の杉野庸介社長、原田修会長、講談社の野間省伸社長、森武文専務
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会見に出席した(左から)一迅社の杉野庸介社長、原田修会長、講談社の野間省伸社長、森武文専務

 講談社は14日、「ヲタクに恋は難しい」などの人気マンガや「月刊コミック REX」などのマンガ誌を発行する一迅社の全株式を取得して完全子会社化することを発表し、同日、東京都内で会見を開催。会見に出席した講談社の野間省伸社長は、今回の子会社化について「一迅社はオタク系コンテンツを得意とし、多くの読者の支持を得ている。コンテンツのさらなる強化、充実が図れると考えている」と狙いを説明した。

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 一迅社は1992年設立。峰倉かずやさんの「最遊記 RELOAD」シリーズ、ふじたさんの「ヲタクに恋は難しい」や、なもりさんの「ゆるゆり」などの人気マンガや、「月刊コミック REX」「月刊コミックゼロサム」「コミック百合姫」のマンガ誌、ライトノベルなどを発行しており、アニメ化作品も多く輩出している。

 野間社長は、一迅社の魅力について「オタク系のコンテンツに強みを非常に持っている」と説明。続けて「(講談社でも)一部で(オタク系は)やってるけど、まだまだ大きなところまでは育っていないのが実情。マンガ家さんがほとんどかぶっていないので、外堀を広げられるメリットを感じている」と改めて子会社化の理由を説明した。

 また、一迅社の原田修会長は「今、地殻に大変動が起きている」と業界の現状を語り、電子コミックと海外展開の2本の柱を強化したいと説明。「業績が伸びそうな分野というと、電子(コミック)と海外。では電子と海外を事業として考えようという場合、残念ながらうちの規模では難しい。ある程度インフラのあるところに乗っかるなり、協業するしかない、というのが結論」と傘下に入ることに踏み切った理由を語った。具体的には、講談社の持つ海外の電子書籍の配信会社などのインフラを利用してコンテンツの海外配信を行うなどが一例として想定されている。

 株式譲渡の実行日については、講談社の森武文専務は「できれば今年度。決算の今年度内に実行したい」としている。

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