京都市内で開催されてきた「京都国際映画祭2016」(同映画祭実行委員会主催)のクロージングセレモニーが16日、京都ホテルオークラで行われ、国際的な活躍を期待される俳優を表彰する「三船敏郎賞」が俳優の阿部寛さんに贈られた。授賞式に出席した阿部さんは「本当にうれしいです」と笑顔を見せ、「この賞をもらうことは僕の人生にとってすごくいい経験になりましたし、これをバネにしないわけにはいかないので、これからも頑張っていきたい」とさらなる飛躍を誓った。
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同賞は、戦後の日本映画界を代表する大スターである故・三船敏郎さんが表現した「日本の男の強さとやさしさ」「侍の立ち居振る舞いを取り入れた芸風」などを受け継ぎ、国際的な活躍を期待される俳優を表彰。一昨年は役所広司さん、昨年は仲代達矢さんが受賞している。
阿部さんは「僕がもらっていいいのかな」と恐縮しながらも、「今もずっと若い俳優は三船さんの作品を見て勉強し、いろいろなことを吸収していると思います。僕も今年、海外の映画祭に行かせていただいて、外国で日本の映画を認められる難しさと、どんどんと世界に出ていかなくてはいけないって話を海外の方から聞きました。僕も向こうの作品に携わりたいと思うし、日本の映画もどんどんと向こうに出していきたい」と意欲的に語っていた。
「京都国際映画祭」は、1997年から京都市内で開催されてきた「京都映画祭」を発展継承する形で2014年に誕生。「映画もアートもその他もぜんぶ」をテーマに、映画、アート、パフォーマンス、工芸、演芸などあらゆる分野に対象を広げて京都から世界に文化を発信する。
3年目の今年のキャッチコピーは「京都上ル上ル(あがるあがる)」で、オープニングとして“世界のミフネ”こと名優・三船敏郎さんのドキュメンタリー「MIFUNE:THE LAST SAMURAI」(スティーブン・オカザキ監督)をプレミア上映した。そのほか映画部門はドキュメンタリーとサイレントを中心に上映され、ゴーストライター騒動の佐村河内守さんにスポットを当てた作品「FAKE」が話題を呼んだ森達也監督や喜劇王チャップリンを特集。また、アート部門ではマンガ家の蛭子能収さんの個展も行われた。
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