新海誠監督:「君の名は。」原点にSNSへの対抗心 次回作は「2019年を目標に」 

「第71回毎日映画コンクール」表彰式に登場した新海誠監督
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「第71回毎日映画コンクール」表彰式に登場した新海誠監督

 「第71回毎日映画コンクール」(毎日新聞社、スポーツニッポン新聞社主催)の表彰式が15日、「ミューザ川崎シンフォニーホール」(川崎市幸区)で開催され、「アニメーション映画賞」「TSUTAYA×Filmarks 映画ファン賞 日本映画部門」に選出された劇場版アニメ「君の名は。」の新海誠監督が出席した。新海監督は「君の名は。」について、「コミュニケーションそのものになるような映画を作りたいという気持ちがここ数年ずっとあった。LINEに負けないようなものを」とSNSへの対抗心が原点にあったことを明かした。

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 さらに新海監督は「SNSに勝てなくても、『映画を見に行ったよ』ってSNSで会話のネタになるような映画を作りたいって気持ちがあった」とも話し、「退屈する隙のない映画を作って、若い子がスマホを見る暇がないような映画にしようと思ったんですね。そういったところが“響いた”のかな」とヒットの要因を自己分析した。また気になる次回作については、「2019年(公開)を目標に」と語っていた。

 「君の名は。」は、1000年ぶりとなる彗星(すいせい)の来訪を1カ月後に控えた日本を舞台に、山深い田舎町に暮らす女子高生・三葉と東京で暮らす男子高生の瀧が、入れ替わってしまう……というストーリー。主人公・瀧を俳優の神木隆之介さん、ヒロイン・三葉の声を女優の上白石萌音さんが演じており、声優として長澤まさみさん、谷花音さん、市原悦子さんらも出演している。

 「毎日映画コンクール」は、日本で最も長い歴史を持つ映画コンクールの一つ。今回は怪獣映画「ゴジラ」の新作「シン・ゴジラ」(庵野秀明総監督、樋口真嗣監督)が「日本映画大賞」「女優助演賞」「美術賞」、こうの史代さんのマンガが原作の劇場版アニメ「この世界の片隅に」(片渕須直監督)が「日本映画優秀賞」「大藤信郎賞」「音楽賞」を受賞し、それぞれ3冠を達成。監督賞は「永い言い訳」の西川美和監督に贈られた。

 表彰式には、「永い言い訳」で「男優主演賞」を受賞した本木雅弘さん「淵に立つ」で女優主演賞を受賞した筒井真理子さん、「クリーピー 偽りの隣人」で男優助演賞を受賞した香川照之さん、「シン・ゴジラ」で女優助演賞を受賞した市川実日子さんらも出席した。

 ◇「第71回毎日映画コンクール」の各賞は以下の通り(敬称略)

 日本映画大賞:シン・ゴジラ▽日本映画優秀賞:この世界の片隅に▽外国映画ベストワン賞:ハドソン川の奇跡▽監督賞:西川美和(永い言い訳)▽脚本賞:向井康介(聖の青春)▽男優主演賞:本木雅弘(永い言い訳)▽女優主演賞:筒井真理子(淵に立つ)▽男優助演賞:香川照之(クリーピー 偽りの隣人)▽女優助演賞:市川実日子(シン・ゴジラ)▽スポニチグランプリ新人賞:毎熊克哉(ケンとカズ)、中条あやみ(セトウツミ)▽田中絹代賞:松原智恵子

 撮影賞:斉藤幸一(64 -ロクヨン-)▽美術賞:林田裕至、佐久嶋依里(シン・ゴジラ)▽音楽賞:コトリンゴ(この世界の片隅に)▽録音賞:白取貢(聖の青春)▽ドキュメンタリー映画賞:桜の樹の下▽アニメーション映画賞:君の名は。▽大藤信郎賞:この世界の片隅に▽TSUTAYA×Filmarks 映画ファン賞 日本映画部門:君の名は。▽同外国映画部門:ズートピア▽特別賞:島村達雄(白組社長)

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