三森すずこ:自分は不器用なタイプ 亀の歩みのように成長を

劇場版アニメ「きみの声をとどけたい」に出演する三森すずこさん
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劇場版アニメ「きみの声をとどけたい」に出演する三森すずこさん

 アニメ「ラブライブ!」「探偵オペラミルキィホームズ」などで知られる人気声優の三森すずこさん。劇場版アニメ「きみの声をとどけたい」(伊藤尚往監督)で、新人声優ユニット「NOW ON AIR」と共にメインキャラクターの女子高生を演じている。三森さんは、約3000人の中から「NOW ON AIR」のメンバーが選ばれた「キミコエ・オーディション」に“見届け人”として参加し、「きみの声をとどけたい」で共演を果たした。三森さんに同作や「NOW ON AIR」への思い、活躍中の現状について聞いた。

ウナギノボリ

 ◇高校生役に試行錯誤も “リアル高校生感”に負けないように

 ――役が決まった時に感じたことを教えてください。

 「キミコエ・オーディション」の見届け人として参加させていただいていたので、選ばれたみんなと一緒に出演できることがうれしかったです。先輩の役かな?と思っていたけど、同級生の矢沢紫音役でした。みんなのピュアさに負けないように頑張ろうと思いました。

 ――女子高生・矢沢紫音を演じるにあたって意識したことは?

 紫音は、4歳の時に母が交通事故に遭い、母はそれ以降は意識不明。周りのみんなよりも、早く大人にならざるを得なかった女の子で、冷めた目で世の中を見ている。私は楽天的なので、紫音とは真逆。紫音は私の妹に性格が似ているんですね。見た目も似ていたんですよ。妹を想像しながら演じてみました。ピュアなところをみんな(NOW ON AIR)のお芝居に合わせながら、どうやって大人びた感じで演じるかは試行錯誤した部分です。(主人公の行合)なぎさは、演じている(片平)美那ちゃんも高校生で、等身大。なぎさのリアル高校生感に負けないようにしたかったところもあります。

 ◇おばあちゃん? 「NOW ON AIR」は孫を見ているような気持ち

 ――「NOW ON AIR」のメンバーの印象は?

 品があり、すてきな子たちだなという印象。アフレコではみんな、すごく緊張していた。大勢の中から選ばれし6人で、お芝居もすてきで、歌がうまい。みんなで合唱する曲は、焦りを感じました。これは次世代だなあ……って(笑い)。自分の新人の頃とは雲泥の差。アフレコで頑張っている姿を見たら、何て可愛いんだろう!となりました。今、世界で一番いとおしい6人です。応援したくなる。エネルギーを感じました。年は離れているけど、6人のことを尊敬しています。

 ――アフレコでのメンバーの様子はいかがでした?

 私は、じーっと見られていました(笑い)。若い人に慕われて、自分もしっかりしないと!となりますよね。お芝居のアドバイスは、私がすることではないので、私が言えることは何だろう?と考えた。先輩というよりは、お姉ちゃんのような気持ち。彼女たちは、今のままでも魅力的だし、私が何か言ったことで、窮屈になってはいけない。先輩、後輩だけど、固くなりすぎない関係がいいかもしれませんね。アフレコの日、たまたま干し芋を持っていたので、みんなで収録の合間に食べました。もっとオシャレなものにしたらよかった……。お姉ちゃんじゃなくて、干し芋をあげるばあちゃんかな? 孫を見ているような気持ちもあります。

 ――三森さん自身も先輩を見て学んだ経験はありますか?

 デビューした頃、「B型H系」に出演させていただき、田村ゆかりさんや 堀江由衣さんの仕事ぶりを近くで見させていただいたことがありました。(NOW ON AIRのメンバーも)その時のような感じなのかな?

 ◇今年は新しい挑戦も 幅を広げていきたい

 ――声にした言葉が現実に影響する「言霊(ことだま)」がテーマの一つになっています。言霊を意識することはありますか?

 私も言霊を大事にしています。ミルキィホームズでも武道館を目指そうと言っていましたし、ソロ活動を始めた時も七つくらい目標を掲げた。ソロで武道館をやりたいなどほぼほぼそれがかないました。かなっていないのは女子限定イベント、女子会をしたいというのくらいです。

 ――大活躍中ですが、活動の中で大切にしていることは?

 自分は不器用なタイプだと思っている。天才的な人もいる中で、そこに近づくために、努力していきたい。亀の歩みのように成長していきたいですね。

 ――今後の目標は?

 今年はナレーションや吹き替えのお仕事をさせていただくなど新しい挑戦が多い。もっともっと幅を広げていきたいですね。

 ――最後にアニメの見どころを教えてください。

 夏休みにぴったりな作品。なぎさたちが一生懸命、ラジオをやって、みんなに言葉を伝えようとする。湘南の景色もすごく美しく描かれています。伝えたいことがシンプルで、だからこそグッとくるものがある。ピュアな気持ちが詰め込まれていて、心が洗われる作品です。見終わった後に、爽やかな日の朝のような気持ちになると思います。

 「きみの声をとどけたい」は、湘南を舞台に、女子高生たちの悩み、葛藤、夢などを描く。将来の夢が見つからず少し焦っている行合なぎさが、何年も使われていないミニFMステーションに迷い込み、出来心からDJのまねごとをしたことをきっかけに、仲間たちとラジオ番組を始めることになる……というストーリー。

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