3人組ヒップホップグループ「KICK THE CAN CREW」が、前作「GOOD MUSIC」以来13年8カ月ぶりとなるオリジナルアルバム「KICK!」(ビクターエンタテインメント)を8月30日に発売した。
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KICK THE CAN CREWは、KREVAさん、LITTLEさん、MCUさんの3MCで1997年に結成され、2001年にデビュー。04年6月に活動休止を発表した後は、おのおのがソロ活動に専念していたが、14年の夏に開催された音楽フェス「ROCK IN JAPAN FESTIVAL 2014」のステージで3人が再集結を果たし、グループ名義での新作が待たれていた。
結成20周年の記念碑的な意味合いもある今作は、「我らここにあり。みんな集まれ!」と高らかに宣言するかのようなオープニングナンバー「全員集合」ですがすがしく始まり、パーティー的な雰囲気で盛り上がるひとときを楽しんだ後、宴の終わりと再会を匂わせる終盤までストーリー性を感じさせる構成だ。湧き上がるエモーションやイケイケムードを詰め込んだ「千%」、時の流れをさまざまな“人生の波”に重ね合わせた「また波を見てる」など、現在のKICK THE CAN CREWの等身大ともいえる楽曲が並ぶ。3人の冴えわたる言葉のセンス、それぞれ個性としてお互いに作用し合う緊張感、韻や音の響きを絶妙に操るラップのスキル、豊かな音作り……。その音楽性はまさにオンリーワンであり、ヒップホップ界の先駆者としての存在感を改めて感じさせる。
アルバム「KICK!」は全10曲入りで、初回プレス分(全2形態共通)には12月開催の全国ツアー「KICK THE CAN CREW CONCERT TOUR 2017」の先行抽選販売受け付けURLとQRコードを封入(受付期間は9月18日23時59分まで)。スペシャルパッケージ仕様の初回限定盤は、アルバム収録曲「千%」「SummerSpot」のミュージックビデオとメーキング映像を収めたDVD付きで4000円(税抜き)。CDのみの通常盤は3000円(税抜き)。(水白京/フリーライター)