ドラゴンボールDAIMA
第6話 イナヅマ
11月18日(月)放送分
士郎正宗さんのマンガが原作のアニメ「攻殻機動隊」シリーズの「ARISE」シリーズと「新劇場版」を収録したブルーレイディスクボックス「攻殻機動隊ARISE/新劇場版 Blu-ray BOX」が22日、発売される。これまでのキャストを一新し、坂本真綾さんがヒロイン・草薙素子(くさなぎ・もとこ)を演じたことも話題になった。坂本さんは元々、同シリーズのファン。「愛情があるから、ファンの批判、不安も受け止めることができる。自分のできることを精いっぱいするという覚悟がありました」と強い気持ちで素子役に挑んだという。坂本さんに「ARISE」「新劇場版」を振り返ってもらった。
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「攻殻機動隊」は、近未来の電脳化社会を舞台に架空の公安組織を描いた作品。原作の士郎さんのマンガは1989年に発表され、押井守監督が手掛けた「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」(1995年公開)、「イノセンス」(2004年公開)、神山健治監督の「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」(02年放送)などが製作されてきた長寿シリーズだ。「ARISE」は4部作が13~14年、「新劇場版」は15年に公開された。押井監督作品で作画監督を務めた黄瀬和哉さんが総監督を務め、素子の過去や公安組織・攻殻機動隊の創設秘話が描かれた。
「ARISE」のオーディションは厳戒態勢だった。坂本さんは「オーディションでは作品名が伏せられていたんですよ。それだけシークレットなプロジェクトだったんです。演じながら、刑事ものかな?とは感じていました。合格した時に『攻殻機動隊です』と伝えられたんです」と振り返る。
「攻殻機動隊」シリーズのファンだっただけに「一視聴者として、声優が変わることがショックでした。私があの素子をできるわけない……」と感じたという。しかし、「ARISE」では、攻殻機動隊の創設前の素子が描かれることから、「素子の過去の話で、未熟なところもあり、今までと違う素子が描かれる。少し安心しました。すごくプレッシャーもありましたが」と受け止めたという。
素子と言えば田中敦子さんが演じてきたイメージが強い。坂本さんは「(田中さんの演技と)あまりにかけ離れていると、ファンに見てもらえない。私も一人のファンなので、ファンの気持ちが痛いほど分かる。愛情があるから、ファンの批判、不安も受け止めることができる。自分のできることを精いっぱいするという覚悟がありました」と強い気持ちで役に向き合った。
さらに「(田中さんの演技に)イメージは近くなくてはいけないけど、ものまねでは、見ている人が不快になる。役が決まってからは、あえて過去の作品を見直しませんでした。『ARISE』の素子は見た目も若いので、演じる中で引き出されるものを自由に演じようとしました」とも考えたという。
坂本さんが「攻殻機動隊」シリーズに出演したのは、実は「ARISE」が初めてではない。95年公開の劇場版アニメ「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」で少女時代の素子を演じた経験がある。「当時は15歳でした。あの時は訳も分からず、経験も無い中で演じて、大人っぽい作品だなと思っていました。大人になって、あの演技はできない。時を経てまた素子を演じることになったのは偶然ですが、縁があるのかもしれませんね」と話す。
以前、黄瀬総監督にインタビューをした際、「ARISE」「新劇場版」の素子について「完璧ではない。失敗もするし、可愛げもある。スーパーウーマンになる前の素子」と説明したことがあった。坂本さんは「最初に台本をもらった時に驚きました。こういう素子は見たことがない。どうやって演じるんだろう?と感じました。失敗したり、恋愛したり、意外な素子もいて、これまでの素子は完璧すぎて、自分を重ねることはできなかったけど、人間らしいところがあり、親近感が湧きました」と語る。
キャストが一新されたこともあり、アフレコ現場は最初、「みんな緊張していた」という。「スタッフも作品を好きな人が多く、リスペクトがあるので、葛藤があったと思います」。しかし、黄瀬総監督の言葉をきっかけに緊張が解けた。「『僕がオーディションで選んだ人だから、心配しないで。僕が責任を取るんで』と力強く言っていただき、みんなが救われました。あの言葉があったから、自分のインスピレーションを信じて演じることができた。黄瀬さんは、みんなに任せる懐の深さがある。リーダーのかがみですね」と深く敬慕する。
「ARISE」「新劇場版」は、小山田圭吾さんのソロユニット「コーネリアス」が音楽を手掛けたことも話題になった。「新劇場版」は、小山田さんが手掛け、坂本さんが歌った「まだうごく」が主題歌となった。小山田さんとのコラボについて「すごくいい巡り合わせをさせていただきました。幸運なことです。『まだうごく』は今もライブで歌っていますが、歌えば歌うほど育っていく曲。とても大切な曲です」と喜ぶ。
「ARISE」「新劇場版」について「今、一番恥ずかしいかもしれません。終わった直後は、できることは全部やった!と思っていたんですけどね。当時は、素子みたいな役はあまりやっていなかった。守られるヒロインが多く、戦う女性を演じることが増えてきた時期だったんです。当時、もがきながらやっていた。未熟な素子を演じるという意味では、あの時で良かったのかもしれませんが」と振り返る坂本さん。
デビュー以来、声優として第一線で活躍を続けているが「出会える役は何でも新しく感じる」とも語り、「何でもやりたいんです。最近、クセのある役に出会うことが多く、それはありがたいことで、任せてもらえるようになったんだな……って。やりがいがあります。普通の役だと、緊張するんですよ」と笑顔で話す。挑戦を続ける坂本さんの今後の活躍も期待される。
「攻殻機動隊 ARISE」シリーズの「border:1 Ghost Pain」「border:2 Ghost Whispers」「border:3 Ghost Tears」「border:4 Ghost Stands Alone」と「攻殻機動隊 新劇場版」に加え、「攻殻機動隊 ARISE PYROPHORIC CULT」を収録。映像特典として3DCGショートアニメ「ロジコマ・ビート」などや黄瀬監督らのオーディオコメンタリーが収録され、20ページのブックレットも付属する。税抜き2万円。
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