スター・ウォーズ新3部作の第1作「スター・ウォーズ/フォースの覚醒」(2015年)が封切られて2年。第2作「スター・ウォーズ/最後のジェダイ」(ライアン・ジョンソン監督)が15日に全国で公開された。前作に続きカイロ・レンを演じた米俳優アダム・ドライバーさんに話を聞いた。
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ドライバーさんが演じるカイロ・レンは、レイア(キャリー・フィッシャーさん)とハン・ソロ(ハリソン・フォードさん)の息子であり、祖父ダース・ベイダーを崇拝している。幼いころ、レイアの双子の兄でジェダイの騎士ルーク・スカイウォーカー(マーク・ハミルさん)に預けられたが、今は、銀河の独裁をもくろむ帝国の残党「ファースト・オーダー」の最高指導者スノーク(アンディ・サーキスさん)の下にいる。前作でカイロ・レンは、父ハン・ソロを自らの手で殺したことでフォースの暗黒面に滑り落ちてしまった。
今作でライアン監督が描いたカイロ・レン像は、演じるドライバーさんにとっても「予想外」だったようだ。「実の父を殺したという心理的側面を、ライアンは決して無視することができなかったんだ」と、脚本も担当した監督の気持ちを推察する。「その事実が、今回の彼(カイロ・レン)の状況をよりリアルなものにしている。それが、演じる上でとても役に立った」と話す。
ヒロインのレイ(デイジー・リドリーさん)の存在については「正反対の立場にあるけど、その境界線はとても細く、どちらにも光と闇が存在している。実は2人はかけ離れた存在ではないし、孤独は感じているかもしれないけれど、同じ旅をしているんだ」と2人の関係が「表裏一体」であると指摘した。
前作では、装着したマスクの視界の悪さに苦労させられた。今回もマスク自体は変わっていない。「体が記憶している」ため前作ほどの苦労はなかったそうだが、「マスクには、愛憎相半ばする思いを抱いているよ(笑い)」と複雑な心境をのぞかせる。
「(マスクは)人を威嚇したり、相手に恐怖を感じさせたり、歴史を語ることもできる。あるいは、(カイロ・レンが)何から隠れようとしているのか。彼自身必ずしも完全ではない。そういったことを表現する上ではとても有益なものではあるけれど、実際かぶってしまうと、あたりが見えなくなるから靴のひもを踏んづけて転んでしまったり、それによって自分が描いている(演技の)イメージが崩れ去ってしまったりということもあるんだ」と苦笑する。
前回の来日で「役者としては、スパイのような状態でいられるのがベストだけれど、今回のような大作に出ることで、いろんな人に気付かれるようになってしまうんだなあ(笑い)。もちろん、ありがたいことだけどね」と話していたドライバーさん。生来、「そうすることの有益性が分からないから、過去を振り返ることはしない」そうで、この2年間も、特に振り返ることはしていないという。
それでも、「スター・ウォーズ」シリーズへの出演には「もちろん感謝しています。この作品以外にも素晴らしい監督、自分が尊敬している方々と仕事ができてとてもワクワクできた。この作品の前でも後でも、抱えていた問題は特になかったし、いいことも変わっていません」と話した。
2度目の来日。「1度目の時に、日本の魅力は数時間で感じることができた」というドライバーさん。「まず、街の清潔さや細部へのこだわり。抽象的な言い方になりますが、文化として謙虚さを持っているところがとても美しいと思います。建築物でも驚くほど細かいところに日本の様式美を見ることができます。それに、一般的な言い方になりますが、皆さんとても優美で、前回同様、今回もとても親切に温かく迎えてくださっています」とべた褒めする。
日本の女性に対する印象をたずねると、「グレート!」と笑顔で答えたものの、「僕は既婚者なので、妻に知られると怒られちゃうから、ここだけの話にしておいてね(笑い)」とちゃめっ気たっぷり、記者にくぎを刺した。
<プロフィル>
1983年、米カリフォルニア州サンディエゴ生まれ。高校時代から演劇を始めた。2001年9月の米同時多発テロを機に海兵隊入り。イラク派遣を目前に自転車事故で入院。米国内基地勤務を経て退役後、インディアナポリス大学に入学、2年目にジュリアード音楽院演劇部門に編入。09年に卒業し、「J・エドガー」(11年)や「リンカーン」(12年)などに出演。12年から続く米テレビシリーズ「GIRLS/ガールズ」のヒロインの恋人役で注目される。ほかの出演作に「フランシス・ハ」(12年)、「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」(13年)、「奇跡の2000マイル」(13年)などがある。遠藤周作の小説をマーティン・スコセッシ監督が映画化した「沈黙 サイレンス」(16年)にも出演した。
(取材・文・撮影/りんたいこ)
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