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デビルマン:初めてラストまで描く新作アニメ 鬼才・湯浅監督の映像表現に永井豪が太鼓判

アニメ マンガ
マンガ「デビルマン」の原作者の永井豪さん(左)と新作アニメ「DEVILMAN crybaby」を手がけた湯浅政明監督

 永井豪さんのマンガ「デビルマン」の新作アニメ「DEVILMAN crybaby」が、動画配信サービス「Netflix(ネットフリックス)」で5日から配信される。テレビアニメ「四畳半神話大系」「ピンポン THE ANIMATION」や2017年、アヌシー国際アニメーション映画祭の長編部門でグランプリに輝いた劇場版アニメ「夜明け告げるルーのうた」などの湯浅政明さんが監督を務め、初めて原作のラストまで映像化される。現代風にアレンジしつつも、「本質的な部分はキチンと押さえていて、ちゃんと『デビルマン』になっている」と永井さんが太鼓判を押す新作アニメについて、湯浅監督と永井さんに聞いた。

 ◇誰かがやるくらいなら、自分でやりたかった

 「デビルマン」は、悪魔の力を手に入れた不動明の戦いを描いた永井さんの代表作の一つで、1972年に「週刊少年マガジン」(講談社)で連載がスタート。新作アニメは、親友・飛鳥了との出会いから、デビルマン誕生、デビルマン対サタンのハルマゲドンまでが描かれる。

 湯浅監督は、独特の映像表現から鬼才とも呼ばれている。原作のファンで「誰かがやるくらいなら、自分でやりたかった」という思いがあった。「大好きな作品。うまくできるのだろうか? 難しいとは思っていた。ただ、こうやればいいのじゃないのかな?というのを示せればと思い、挑ませていただいた」と話す。

 「デビルマン」はこれまで数々の映像作品が作られてきた。72、73年にテレビアニメが放送され、OVA(オリジナル・ビデオ・アニメ)として「デビルマン 誕生編」(87年)、「デビルマン 妖鳥死麗濡編」(90年)、「AMON デビルマン黙示録」(00年)が発売。04年には実写映画版も公開された。永井さんは「僕はマンガを描いた時点で出したいことは出した。料理するのは自由。過去にもいろいろな形で映像化されていますが、僕は素材を提供したらおしまいで、どう料理されてもこだわらないので、お任せしてきた」というスタンスを取ってきた。

 永井さんは、湯浅監督が手がけた「夜明け告げるルーのうた」「夜は短し歩けよ乙女」などを見て「この監督なら、かなりシュールに作ってくれる。『デビルマン』は現実には無い悪魔の世界に飛び込んでいく話なので、リアルに作り過ぎても嘘くさく見える。抽象的なイメージで描くことで、気付いてくれることもある」と感じたこともあり、これまでと同様に湯浅監督に作品を委ねた。

 ◇現代も起こりうる話に アレンジも

 託された湯浅監督は「好きだけど、理解はしていないところもあった」といい、原作を読み込んだ。永井さんが自身の作品の制作秘話を描いたマンガ「激マン!」も読み、「いろいろ探りながら、当時、(永井さんが)思っていたことを想像しながら作っていきました」という。

 監督が原作を読み込み、アニメを作る中で気付いたことがある。「了は『愛など無い』とは言っているけど、愛は存在をしていて、愛に気付くことになる。原作を昔、読んでいた当時はそんなに分かっていなかったことだった。(原作では)人間ってこんなに弱いんだ……ということが描かれている。了が明を失いたくなかったことを描ければいいなと考えた。こうすれば、当時の自分も分かるのかな?と考えながら作った」と話す。「DEVILMAN crybaby」は、明と了の関係性がフォーカスされることになった。

 原作は普遍性がある一方で、70年代に発表された作品ということもあり、若いファンが見ると、古く感じてしまうところもあるのは否めない。湯浅監督は「70年代の話ではなく、現代を舞台にして、現代も起こりうる話にしたかった」といい、原作では学生服姿の不良グループが、ラッパーになるなどアレンジした。

 ◇美樹の死は「引き返せなくなった」 衝撃の名シーンの秘話

 原作には衝撃的なシーンが多く、その中でも特に伝説になっているのが、ヒロイン・牧村美樹の死のシーンだ。永井さんは、美樹の死を描いた当時を「途中で引き返せなくなった。美樹を死なせないで、デビルマンが助けてしまうと普通のマンガになってしまい、このマンガを否定してしまうことになる。死なせたくないけど、死なせないといけない状況に追い込まれた」と振り返る。

 「DEVILMAN crybaby」でも美樹の死が衝撃的に描かれる。湯浅監督は「原作を読んで、僕も最も衝撃を受けた。(アニメも)ここを描けないと最後までいけない。自分で神回と言っていて、描けているんじゃないかな?と思っている。美樹ちゃんの声も気合が入っていて、何度も見るのはつらかった」と自信を見せる。

 暴力的だったセクシュアルなシーンが描かれている一方で、デーモンがどこか可愛らしく見えるところもあったり、湯浅監督らしさも表現されている。監督は「最初はスタイリッシュにやろうとも考えていたけど、デーモンをデザインした押山(清高)君が丸っぽく可愛く描き、少し間抜けな感じもあった。でも、肉感的な感じもする。直線的に描くとパキパキするんですよね。原作もおどろおどろしいけど、曲線的だったりする」と話す。

 完成作品を見た永井さんは「本質的な部分はキチンと押さえていて、ちゃんと『デビルマン』になっている。ネットも無く、今の時代を想像できない中で描いた。『デビルマン』が描きたかったものが、現代でも通用すると分からせてもらった」と太鼓判を押す、湯浅監督は「やってみないと分からないところもあったけど、終わってみれば、描けたのかな?と思っています。精いっぱいできた」と話す。「DEVILMAN crybaby」は原作同様に伝説になっていくのかもしれない。

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