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anone:広瀬すず主演の話題作 「うそ」をテーマに「本物」問う プロデューサーに聞く(前編)

テレビ
日本テレビの次屋尚プロデューサー

 女優の広瀬すずさんが主演の連続ドラマ「anone(あのね)」(日本テレビ系)の放送が始まった。「Mother」「Woman」に続く同局と脚本家の坂元裕二さん、演出の水田伸生監督が手掛けるシリーズ第3弾で、第1話の放送前から注目を集めた。「うそ」をテーマにして、本物を世に問う同作の狙いについて、プロデューサーの次屋尚さんに聞いた。

 ◇「金より大切なものがある」

 ドラマの放送前、1話の試写会が東京・汐留にある日本テレビで開かれた。キャストは不在にもかかわらず、20人もの記者が出席し、次屋さんを質問攻めにしたことからも注目の高さがうかがえた。次屋さんは同作について「ある事件をきっかけに、ワケありの人たちが集まって、触れあいながら絆を築く。そこに金にまつわる話もありますが、そんなことより大事なものが得られる。そういうことになります」と話した。

 「anone」の第1話は、テレビドラマというよりは映画に近い濃厚な展開だった。社会からはぐれた少女・辻沢ハリカ(広瀬さん)は、ネットカフェで友人と暮らし、療養中の男性「カノンさん」とのチャットが楽しみという日々を送っていたが、友人と共に「札束の入ったバッグ」を探すため、ハリカの楽しい思い出がある「柘(つげ)」という町を目指す。一方、事務員の林田亜乃音(あのね、田中裕子さん)は、自宅の床から大量の1万円札を見つける。さらに、医者から半年の命を宣告された舵(阿部サダヲさん)は、客のるい子(小林聡美さん)と意気投合し、死に場を求めて「柘」という町に着く。

 一見、関係もない三つのストーリーだが、ハリカたちが札束を見つけると急転する。ハリカの2人の友人が札束を巡って争い、そこに舵とるい子、さらに亜乃音も参戦する札束の争奪戦になる。ところが亜乃音は、札束の一部を奪い取ると、トイレに流すなど謎の行動を取る。札束の争奪戦に勝ったハリカは、楽しい思い出の土地を訪ねたが、幸せな記憶は勘違いで、虐待を受けていたという真実を思い出して衝撃を受ける。それでも「カノンさん」の言葉に救われ、ハリカは再びネットカフェに戻る。しかしハリカの持つ2枚の1万円札のナンバーが同じ……という衝撃の展開だった。

 次屋さんは「1話を見ると、金がテーマになっているように見えるが違う。テーマは『うそ』。世の中にうそも間違いもあるが、それが人間の支えになることもある。うそは普遍的なもので、信じたことがうそというのもあること……という話を坂元さんとしました」と明かす。そして「人間が大切なモノは何かといえば、それは金ではないでしょう。見ていただいた方が、自分の立場で探してもらえれば」と力を込めた。

 会見では、坂元作品の魅力の一つで「カルテット」(TBS系)でも話題を呼んだ「せりふ回し」についても質問があった。だが次屋さんは「確かにそれもあるが、anoneは物語性が核。傲慢に聞こえるかもしれないが作品性を問うている」と答えている。

◇ちりばめられた「うそ」と心の揺らぎ

 次屋さんと坂元さんは、Woman(13年)の放送時に次を計画していたが、スケジュールの折り合いなどで今回のタイミングになったという。テーマの候補は複数あり、その中から選んだのが「うそ」をテーマにした本作だ。確かに第1話を見ても、偽札、ハリカの「幸せな」記憶、もろくも崩れていく友情、カノンさんの正体と「うそ」がキーになっている。次屋さんは「うそが散りばめられていて、何が本当で何がうそか分からなくなるが、うそでも見た人の感情は動いているのがポイント」と明かす。

 タイトル名について、次屋さんは「申し訳ないが、あまり明確な答えはない。田中さんの人物名であり、広瀬さんの口癖。もちろん『あのね』という響きのイメージもある。横文字のほうが3部作っぽいから」と笑う。

 ドラマの発表時はタイトルに「仮称」がついていた。「Mother」「Woman」を意識して「Girl」という案や、平仮名にした「あのね」、形容詞を付けるようなアイデアもあったという。それでも次屋さんは「タイトルは作品の顔ではあるが、あまり気にせず物語性を重視した」と明かす。あくまで同作の核は物語というわけだ。(後編へ続く)

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