ドラゴンボールDAIMA
第10話 ウナバラ
12月16日(月)放送分
永井豪さんの人気マンガ「キューティーハニー」の新作テレビアニメ「Cutie Honey Universe」の放送が、この4月始まった。何度も映像化されてきた人気作。2004年に発売されたOVA(オリジナル・ビデオ・アニメ)の「Re:キューティーハニー」以来、約14年ぶりのアニメ化となった。シリーズ構成、脚本を担当するのが、「ゆゆ式」「俺物語!!」「覇穹 封神演義」など数々の人気作を手がけてきた高橋ナツコさんだ。新作は「原点回帰」がテーマ。「ハニーは普遍的に魅力的なキャラクター。この時代でもみんなに愛してもらえる」と話す高橋さんに、新作に込めた思いを聞いた。
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「キューティーハニー」は、美少女アンドロイドで愛の戦士キューティーハニーが、父で天才科学者の如月博士の敵討ちのために、変身能力と戦闘能力を生かし、犯罪結社パンサークローと戦う……というストーリー。1973年にマンガ誌「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)で連載を開始。同年にテレビアニメが放送されたほか、テレビアニメ「キューティーハニーF」(97年放送)、庵野秀明さんが監督し、佐藤江梨子さんが主演した映画「キューティーハニー」(04年)など何度も映像化されてきた。
高橋さんは、そもそも永井さんの大ファンで、特に「キューティーハニー」「UFOロボ グレンダイザー」が好きだったという。「『グレンダイザー』は、みんなイケメンで耽美(たんび)じゃないですか。『キューティーハニー』は子供の頃から強烈な印象があり、私にとっても特別な作品。死ぬまでに関わりたかった」と熱い思いがあったようだ。これまで何度も映像化されてきた名作ということもあり、「すごく緊張しますね。リメークは本当に難しい。何度もリメークされ、過去の作品も素晴らしい」と、身の引き締まる思いだったという。
新作は、原点回帰が大きなテーマとなっている。「ハニーは格好良くて、可愛くて、涙もろい。その鮮烈な印象を今回も描きたいと思っていました。原点回帰というのは、監督、プロデューサー陣らとも一致していた。ハニーを知らない若い人にも原点を知っていただきたいという気持ちもありました。(ハニーの持つ)空中元素固定装置などもそのまま使うことになりました」と話す。
原点回帰するとはいえ、原作の連載開始は73年と40年以上前。ただ、高橋さんは、現代のアニメファンにも通じる普遍性があると考えているという。「ハニーは普遍的に魅力的なキャラクター。この時代でもみんなに愛してもらえる。私は、原作の女子高のユリめいた雰囲気も好きでした。新作は、そういうところも余すことなく入れ、ユリとバイオレンスが同居しています。戦うハニーが鮮烈だったけど、そういうシーンも大好きだったんです。原作には、バラにまつわる耽美ですてきなせりふがあるのですが、そのままに使っているところもあります。バラが重要なアイテムになります」と語る。
一方で、アレンジしたところもある。「ハニーと(敵の)シスタージルの関係を掘り下げるために、シスタージルが偽名を使って、対パンサークロー組織に潜入する設定になりました。ハニーは敵と知らず、純粋に信じます。今の人たちは、目が肥えています。なぜ、パンサークローがハニーを狙っているのか?という裏側にうごめいていることも匂わせています。暮らしの中に脅威が潜んでいるように見せたり、ナイトプールが出てくるところも現代風ですね」と話す。
高橋さんは、昨年「恋愛暴君」「恋と嘘」などを手がけ、今年は「Cutie Honey Universe」以外にも「覇穹 封神演義」「こみっくがーるず」のシリーズ構成を担当する売れっ子だ。多数の作品を手がける中で、大切にしていることを聞いてみると「オリジナル作品は、まず、今、なぜ、誰に向かって届けたいのか?という意義を考えます。原作がある場合は、原作が膨大だと、1~2クールでは全てを描けません。焦点を決めて、そこに向かうことに注力します。4コママンガが原作のアニメもありますが、4コマは、隙間(すきま)にたくさんのドラマがあるんですよね。ずーっと読んでいると感じるところがあります。そこを膨らませます」と明かす。
焦点を絞ったり、膨らませたり……と柔軟性が必要になりそうだが、「Cutie Honey Universe」も「泣く泣く削る作業をしたところもあります」と作品愛があるが故に苦労したという。「『キューティーハニー』は愛の作品。愛をテーマにドラマで紡いでいったつもりです」と話す高橋さん。愛を注ぎ、愛を描くようで、見どころ満載のアニメになりそうだ。放送はTOKYO MX、BS11ほか。
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