人気ゲーム「ドラゴンクエスト」のVRゲーム「ドラゴンクエストVR」の27日のサービス開始を前に25日、バンダイナムコアミューズメントのVR施設「VR ZONE SHINJUKU」(東京都新宿区)で関係者向けの体験イベントが開かれた。「ドラゴンクエスト」シリーズをほぼ体験してきたおじさんゲーマーが、スライムを斬る触感、炎の呪文「メラ」を放つ感覚も再現しているというVRゲームを、実際にプレーしてみた。
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「ドラゴンクエスト」は、世界で7500万本を出荷しているスクウェア・エニックスの人気RPGシリーズ。「ドラゴンクエストVR」は、「戦士」「僧侶」「魔法使い」のいずれかを選び、4人でパーティーを組んで、ゲームの世界に旅立つ。専用の剣や盾、杖(つえ)を装備し、仲間と協力しながらゾーマ城を目指す……という内容だ。
まず、ゲームを始める前にエントリーシートを記入する。名前(平仮名かアルファベット5文字以内)、身長、性別、利き腕、希望言語(日本語、英語、中国語)を記入する。職業は三つから選ぶが、戦士2人、僧侶1人、魔法使い1人になる。誰が何の職業を選ぶかは、相談して決める必要があるのでコミュニケーション力が必要かもしれない。友達と行けば一緒にパーティーが組めるし、1人で行くとその場にいた人と“野良”でパーティーを組むことになる。おじさんも他の関係者と“野良”パーティーを組み、心の中では「魔法使い」を希望していたが、流されるままに「戦士」になってしまった。
続いて、ゲームの操作方法のレクチャーを受けた。まず約10キロの機材をリュックサックのように背負い、右手に剣になる機器、左手に盾となる機器、そしてVRゴーグルを着ける。10キロの機材は背負えば重さはさほど感じない。それよりも重いと感じたのが剣と盾の機器だ。剣の機器は1キロもないのだが、これも年のせいだろうか。同じパーティーに女性記者もいたが、やはり重いらしい。それでも「ドラゴンクエストの世界へ行ける」という高揚感が湧き上がってくる。
ゲームが始まると、王様と、案内役でオリジナルキャラクターの「ホミリー」が登場。ホミリーは、ピンクのホイミスライムのようなキャラクターで、見ているだけで癒やされる。王様から大魔王ゾーマ(「ドラゴンクエストIII」のラスボス)の打倒を命じられる。チラチラ周囲を見ると一緒にパーティーを組んだ仲間がいて、キャラクターの上に名前が表示されている。ちなみに文字は普段は白いが、ピンチになると赤くなるおなじみの仕様に仕上がっている。細かい。
いざ冒険開始。ステージ1は平原で、スライムやドラキーなどおなじみの序盤のモンスターが襲いかかってきた。だが、おじさんは興奮のあまり、移動しすぎてプレーエリアからはみ出し、画面が真っ暗になり「プレーエリアから外れてる」と表示される初歩的なミスをやらかしてしまった。後ろに下がると、元の画面になったが、まさに不覚。結果を見れば事なきを得たが、かなり恥ずかしかった。だけど、興奮しちゃうのは仕方ないと思いたい……。
戦士は、攻撃はもちろんだが、盾を使って、僧侶や魔法使いをきちんと守ることが大切になる。最も難しいのは、僧侶だろう。攻撃と守備のバランス感が要求されるためで、僧侶が戦闘不能になるとホイミ(回復魔法)とザオリク(蘇生魔法)の使い手がいなくなるので要注意だ。
そして見事にクリアできた。第1の感想は「戦士は疲れる」だ。プレー時間は約15分だが、めいっぱい剣を振り回したので、息づかいは荒くなり、疲労困憊(こんぱい)。同じ戦士でプレーした女性記者も「疲れました。でも面白かった」と息を弾ませていた。だがダイエット的な側面もあるかもしれない。
それにしても、おじさんが妄想していた「ドラゴンクエスト」の世界そのものだった。最終ステージの大魔王ゾーマとの戦いはゾクゾクするのはもちろん、それを上回るサプライズも用意されている。バンダイナムコアミューズメントの担当者も「驚いたでしょう?」と得意顔だった。負けた気分で悔しいが、実際に驚きもあって大興奮だったから仕方ない。
さらにいえば、遠くまで歩きたくなるような広々とした景色で、臨場感が素晴らしい。ゲームをそっちのけで眺めていたいのが残念といえば残念かもしれない。VRプロジェクト「Project i Can」の田宮幸春さんは「プレーヤーに『ドラゴンクエストの世界に来た!』と思ってもらいたかった」と話したが、ずいぶん力を入れたようだ。剣を振ってモンスターに当たる瞬間の感覚、ダメージを受けて吹き飛ぶ方向も計算されていた。そして戦闘後は、パーティーを組んだ仲間同士の会話が弾むのもポイントだろう。今度はぜひ、僧侶で挑戦してみたい。
「ドラゴンクエストVR」は27日から「VR ZONE SHINJUKU」でサービスを始める。プレー料金は1プレー3200円で、別に入場料800円が必要となる。
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