ドラゴンボールDAIMA
第10話 ウナバラ
12月16日(月)放送分
故・水木しげるさんのマンガ「ゲゲゲの鬼太郎」の第6期となる新作テレビアニメ(フジテレビほか毎週日曜午前9時~)。13日に放送された第7話「幽霊電車」の平均視聴率は番組最高の5.7%(以下・ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。放送日のツイッターで「幽霊電車」「ゲゲゲの鬼太郎」などがトレンドに上がった。「幽霊電車」は、これまで何度もアニメ化されてきた人気エピソードだが、第6期では、ブラック企業のパワハラ、SNSいじめが描かれ、鬼太郎が妖怪から人間を救うのではなく、悪い人間は容赦なく切り捨てる描写もあった。ニチアサ(日曜朝に放送されるアニメ、特撮番組)ながら、ハードな内容で、鬼太郎はただの正義のヒーローではないということを印象づけた。第6期の鬼太郎の魅力とは……。
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「ゲゲゲの鬼太郎」は、主人公の鬼太郎が、ねこ娘、ねずみ男、砂かけばばあら個性的な仲間の妖怪たちとさまざまな事件に立ち向かうマンガが原作だ。第6期は、人々が妖怪の存在を忘れた現代が舞台。第1話から現代を描くことを印象付けた。渋谷のスクランブル交差点で、信号無視をしたらどうなるか?という動画を撮影する若者が突然、木になってしまう。道行く人々は、木になった様子をスマートフォンで撮影し、SNSにアップし、その人たちも木になってしまう。スマートフォン、SNSが普及した現代ならではの展開だろう。
人気エピソード「幽霊電車」も現代風にアレンジされた。ある企業の社長が、部下の男と飲み屋で「妖怪なんて信じるやつは、自分が弱いのを言い訳にしているだけだ」とくだを巻いているところに、鬼太郎が現れる。鬼太郎が「見えなくても妖怪はいる」と反論すると、社長は鬼太郎を突き飛ばして立ち去ってしまう。帰路についた社長と部下だが、不思議な臨時列車に乗ることになる。電車がいつもと違う場所を走っていることに気づき、周りを見回すと、乗客たちの様子もどこか薄気味悪い。あくまで強気な社長に、世にも恐ろしいことが起こる。
幽霊電車に乗る社長は、ブラック企業で部下にパワハラをしてきた。子供の社会問題であるSNSいじめも描かれた。鬼太郎が、現代の社会問題を「妖怪なんかよりよっぽど恐ろしい」と語るシーンも印象的だった。SNSで「今日の話は教育番組」「神回」などと話題になり、大人も子供もドキリとさせられたようだ。
鬼太郎の描かれ方は作品によって異なる。原作では人情に薄く、どこか冷めたキャラクターとして登場したこともあった一方で、アニメでは、人間のために悪をやっつける正義のヒーローとして描かれたことも。第6期を制作する東映アニメーションの永富大地プロデューサーは「鬼太郎は、人間を助けるが、何も言わずに立ち去る。人間が悪かったら、容赦なく切り捨てることもあります。子供に嫌われるかもしれません。でも、振り切った表現をしたかった」と話したことがあった。
ただの正義のヒーローではない鬼太郎が描かれている。永富プロデューサーは「人情話、ホラー、コメディー、アクションもある。バリエーションを豊かにしています。これからも、見たことのない『鬼太郎』をお見せします」とも話している。6日に放送された第6話「厄運のすねこすり」では、自分が妖怪で、人間の生気を吸って生きてきたことを知らないねここすりとおばあさんの愛情、葛藤が描かれるなど、第6期は確かにバリエーションが豊かだ。今後も目を離せない展開が続きそうだ。
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