6月11日にWOWOWが生中継する米演劇界の祭典「第72回トニー賞授賞式」のWOWOWスタジオ・ナビゲーターを務めるアイドルグループ「乃木坂46」の生田絵梨花さんがこのほど、インタビューに応じた。小学生のころに「レ・ミゼラブル」を見たことでミュージカルに親しみがあるという生田さんに、トニー賞授賞式の注目ポイントや、自身のミュージカルの思い出などを聞いた。

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　トニー賞は1947年に創設され、米ニューヨークのブロードウェーの劇場で公演された作品が対象。演劇部門とミュージカル部門でそれぞれ作品賞、リバイバル（再演）作品賞、主演男優、主演女優賞などが授与される。今回は、シンガー・ソングライターで、ミュージカル「ウェイトレス」の楽曲・主演を務めたサラ・バレリスさん、歌手のジョシュ・グローバンさんが授賞式の司会を務める。

　◇ナビゲーターは「とにかく楽しみたい」

　昨年、初めてトニー賞授賞式の中継番組を見たという生田さんは「ファッションとか、あふれ出る熱気とか、本当に気持ち良さそうに歌う姿に感動しました」とその魅力を熱っぽく語る。昨年は「一ファンとして見ていたので、ミュージカルファンとトニー賞をつなぐ立場になるとは……『（私で）良いんですか？』と（笑い）。でも、近くで熱狂を感じられることは素晴らしい経験だと思いますし、初めて見る方もいらっしゃると思うので、同じ目線に立つという意味もあるのかなと思います。とにかく、楽しみたいと思います」と話している。

　今年の注目作を聞くと、「本当に読めないなって感じですね」と少し考えてから、「今回は『アナ雪（アナと雪の女王）』とか『ハリー・ポッター（と呪いの子）』といった有名作品が選ばれてくるんだろうなって思っていたら、『スポンジ・ボブ／スクエアパンツ』が最多でノミネートされたり、コメディーが多い印象ですね。だから、どれが取るんだろうって思っています。『ミーン・ガールズ』は映画も見て、女の子の話だから『あー、あるある』って笑えるところがあって、（ミュージカルとして）音楽に乗るとどうなるか楽しみなところです」と目を輝かせる。

　番組では、ミュージカル俳優の井上芳雄さんが、生田さんと同じくナビゲーターを務める。「すごく優しいのはもちろん、同じ目線に立って話してくださるというか。大先輩だけれども、ぽろっと言ったことにすごく共感してくださったり、すごくすてきな先輩です」と共演を喜んでいる。

　現地からリポートするWOWOWトニー賞・アンバサダーを務める演出家・宮本亜門さんとは、これまでに共演したことはないというが、「一方的にドキュメンタリーなどの映像で見ていたので、緊張しちゃいますね。知っているわけではないですけど、演者と心と心で会話している印象です。心のケアとか、本人と向き合うことで、作品を良くしようと思っていらっしゃる、熱い方というイメージですね」と印象を語る。

　◇高校生でミュージカル俳優を意識

　生田さんは、小学生のころに「レ・ミゼラブル」を観賞した際は圧倒されただけだったというが、何度も劇場に通ううちに、高校生ごろからミュージカルの舞台に立ちたいと思うようになったという。今まで見てきた中で印象深かった作品は、「それこそ『レ・ミゼラブル』と『ロミオとジュリエット』です」と即答。

　ミュージカルは、「楽曲の持つ力が強くて、それに役者の思いや声とかが魂の叫びとなってくるところとか、ただ言葉で言っただけでは伝わりきらないものが、そこにある気がします」と魅力を語る。

　小学生のころ、井上さんが出演する舞台も観劇したことがあるといい、「俳優が客席側から出てくるパターンってあるじゃないですか。私が初めてそのパターンで出くわしたのが、芳雄さんでした。後ろ側に芳雄さんがいて、『ああ、すてきな香り！』みたいな（笑い）。それぐらい近くで見て『（井上さんは）本当に生きているんだ』と感動した覚えがあります」と振り返っていた。

　◇「新しい扉を開ける気持ちで楽しむ」

　最後にナビゲーターとしての意気込みを聞くと、「私もトニー賞の名前は知っていたものの、去年初めて見て、単純にこんなに『すごい人がいるのか』『ミュージカルってこんなにすごい力があるんだ』っていうのを改めて知ったので、それを皆さんにも、新しい扉を開けるような気持ちで一緒に楽しめたらなと思います。今までもずっと注目しているよという方には、より注目してもらえるようにナビゲーターとして精いっぱい頑張りたいと思います」と力強く答えた。

　「第72回トニー賞授賞式」は、WOWOWプライムで6月11日午前8時に同時通訳で生中継。字幕版は同16日午後7時からWOWOWライブで放送。特別番組「トニー賞直前SP in NY」が10日午後3時半からWOWOWプライムで放送される。