早見沙織:吹き替えはドキドキで「試行錯誤の連続」 「スモールフット」で美声披露

劇場版アニメ「スモールフット」の日本語吹き替え版に声優として出演する早見沙織さん
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劇場版アニメ「スモールフット」の日本語吹き替え版に声優として出演する早見沙織さん

 「ミニオンズ」「怪盗グルー」シリーズを手がけた原作者と音楽スタッフが製作した米劇場版アニメ「スモールフット」(キャリー・カークパトリック監督)が12日公開される。人里離れた雪深い山頂に住むイエティと人間の出会い、冒険を描いたアニメ。日本語吹き替え版でイエティのヒロイン・ミーチーの声優を務めるのが、アニメ「聲(こえ)の形」「魔法科高校の劣等生」などで知られ、歌手としても活躍する人気声優の早見沙織さんだ。ミュージカルシーンでは美声も披露している。吹き替えについて「いつもドキドキします」「試行錯誤の連続です」と話す早見さんに作品や吹き替えについて聞いた。

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 ◇プリンセス感をイメージ

 「スモールフット」は、人里離れた雪深い山頂に住む、大きな体で心優しきイエティとスモールフット(人間)が巻き起こす騒動を描く。イエティのミーゴが、スモールフットのパーシーと出会い、「雲の下には不思議な世界が広がっているのよ」という同じイエティのミーチーの言葉を信じ、真実を突き止めるためスモールフットを探す冒険の旅に出る。日本語吹き替え版は、木村昴さんがミーゴ、宮野真守さんがミーゴと出会う人間のパーシー、立木文彦さんがイエティの村の最長老・ストーンキーパーをそれぞれ演じる。

 早見さん演じるミーチーはストーンキーパーの娘で、スモールフットの存在を信じる活発なキャラクーだ。早見さんは、米女優でシンガー・ソングライターのゼンデイヤさんが演じた役の吹き替えに挑戦した。演じる際に意識したのは「プリンセス感」だった。「ギャグシーンでもおてんばになり過ぎない。誰かに何かを頼むシーンでもプリンセスはスッと言えば通じるのかな?と、柔らかいイメージを保つことを意識していました」と話す。

 吹き替えについて「初めて、長尺の吹き替えに呼んでいただいたのが15、6歳の時。その時から気持ちが変わらず、いつもドキドキします。海外アニメの吹き替えは、元の演技がかなりオーバーなこともあります。『スモールフット』でも、私もいつもよりはオーバーにしているところもありますが、自分自身の演技に引き寄せていいところは、遊んだところもあります。試行錯誤の連続ですね」と語る。

 早見さんは歌手としても活躍中。「スモールフット」のミュージカルシーンでも透き通るような美しい歌声を披露している。「なかなかない経験。壮大な歌ですよね。前向きな気持ちで歌いました。元々のゼンデイヤさんの声とすり合わせながら、日本語の響きが伝わるように気を付けました。同じ曲を1人で歌ったり、昴さんたちと歌うシーンもあります。ハモりが気持ち良かったです」と話すように、早見さんら声優陣の歌も吹き替えならではの魅力になっている。

 ◇役に助けられるのが声優の魅力

 早見さんは「魔法つかいプリキュア!」「賭(か)ケグルイ」など数々のアニメに出演している。活動の中で意識していることを聞いてみると「何だろう? 演じている役から(キャラクターの)心理状態を引き出してもらうようなところもありますね。例えば、ミーチーを演じていると、キレイで真っすぐな気持ちになりました。自分がふたをしたかったような気持ちとリンクする役ですと、演じることで(気持ちを)表に出して、昇華させてもらえることもあります。役に助けられるのがこの仕事の魅力なのかもしれません」と明かす。

 プライベートでは「ミュージカルもすごく見に行きます。舞台、歌舞伎、ライブにも行きます。そこで(力を)もらってチャージしています」という。ミュージカルや舞台を見ていると、仕事のことを思い出しそうだが、「お仕事とは関係なく、いかに(仕事を)忘れるか……と、ただ楽しんでいます」と笑顔で語る。

 「『スモールフット』は心が温かくなる映画です。ミュージカル映画はあまり経験がありませんでしたが、演じていて楽しかった。またやってみたいです!」と話す早見さん。「スモールフット」の演技はもちろん、今後もミュージカルの吹き替えやアニメなどで美声を聞かせてくれそうだ。

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