ミラー・ツインズ:双子を巡る心理サスペンスドラマ19年放送 先行コミカライズ連載スタート

「ミラー・ツインズ」のイラスト(C)高橋悠也・寺山マル/小学館
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「ミラー・ツインズ」のイラスト(C)高橋悠也・寺山マル/小学館

 東海テレビとWOWOWが共同制作する連続ドラマ「ミラー・ツインズ」のSeason1とSeason2が2019年に放送されることが20日、分かった。Season1は19年4月6日から東海テレビ・フジテレビ系の「オトナの土ドラ」枠(毎週土曜午後11時40分)で、Season2は同年6月にWOWOWの「連続ドラマW」として放送する予定。

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 「ミラー・ツインズ」は、刑事と犯罪者という全く異なる人生を送ってきた双子を巡る心理サスペンスで、映画「曇天に笑う」などの脚本家・高橋悠也さんによるオリジナル作品。資産家の息子である葛城圭吾と勇吾は双子の弟と兄。真面目な圭吾とは反対に、勇吾は奔放な性格。10歳の頃、公園で遊んでいた時も、時計を見て「もう帰ろう」と言う圭吾の言葉を勇吾は聞かず、圭吾は勇吾を置いて一人家路に向かう。その後、勇吾は誘拐犯に拉致されてしまう。

 それから20年、勇吾の事件は未解決のまま、勇吾の行方どころか生死すら分かっていなかった。圭吾は自ら事件の真相を明らかにしようと、刑事になっていた。圭吾にとって唯一心を許せる恋人・里美との仲がなかなか進展しないのも、人生の全てを20年前の誘拐事件の真相解明に注いでいるからだった。そんな中、圭吾の父がテレビ番組で事件の情報提供を呼びかけ、有力な情報には懸賞金1億円を私的に支払うと語る。

 やがて一件の殺人未遂事件が起こる。刺されたのは番組を見て情報提供をしようとした男性。圭吾はたまたま近くにいたことで第一発見者となるが、そこで驚きの事実を告げられる。犯行現場に残されていた毛髪と圭吾のDNAが一致したのだ。圭吾と同じDNAを持つのは誘拐された兄・勇吾だけ。圭吾は、勇吾は生きていると確信するが、だとしたらなぜ家に戻ってこないのか、そしてなぜ殺人未遂事件を起こしたのか……という内容。

 ドラマの放送に先駆けて、マンガ誌「月刊!スピリッツ」(小学館)で同ドラマのコミカライズ作品を先行連載。コミカライズはマンガ家の寺山マルさんが担当し、現在発売中の同誌19年1月号に第1話が掲載されている。

 ◇脚本家・高橋悠也さんのコメント

 ミラー・ツインズは双子の物語です。しかし双子というコンセプトにとどまらず、各登場人物の内面にある「鏡に映るもう一人の彼ら」を探求する物語でもあります。さまざまな登場人物に二面性があるので、その分だけ登場人物が2倍に増えているような感覚に陥りました。それが苦労でもあり刺激でもあったように思います。

 刻一刻と変わっていく状況の中で、時に正反対の顔を見せる者たちの物語を楽しんでいただけたら幸いです。

 また放送に先駆けて「月刊!スピリッツ」でコミカライズ版が連載されています。作り上げた一つの物語をドラマとコミカライズそれぞれの作法に合わせて進行していくというのは新鮮かつ貴重な試みでした。ある意味、両作品は一つの物語を鏡に映した「ミラー・ツインズ」というわけです。似ているようだけどよく見ると違う、そんな双子を産んだ気分です。ぜひドラマとコミカライズ両方合わせてお楽しみください。

 ◇マンガ家・寺山マルさんのコメント

 昔から条件反射で返事をしてしまう癖があり、そのおかげでうまくいくこともあれば、失敗してあとで後悔することもあり……。大抵うまくいったことは忘れるのに、失敗したことはなかなか忘れられません。今回、担当編集者から「こういう企画があるのですが」とテンション高めに持ちかけられて、私もテンション高めに「やります!」と返事をしたのですが、電話を切ってから、あまりにも大きなお話で、自分の力じゃ到底及ばないんじゃないかと戦慄(せんりつ)したのを覚えています。

 「高橋さんの原作があるとはいえ、サスペンスって私に描けるのかしら。映画やドラマを見ても、だいたい犯人外すんだけどな……」と自問自答しつつ、そもそもこの企画自体が本当にあるのかと、脚本を読ませていただくまで、あまり実感が湧かずにおりました。しかし、いざ脚本を読んでみると、私の不安とは無関係に主人公の圭吾や、彼を取り巻く人たちに魅力を感じ、物語の展開に引き込まれていきました。読み終わる頃には圭吾も勇吾も里美も、あの人もこの人も描いてみたい!という気持ちでいっぱいになりました。作画に入ってからは、原作からどんどんイメージを膨らませて、読んでいる途中に思い描いたシーンを絵にしてみたりと……勝手気ままにぜいたくに、『ミラー・ツインズ』の世界を描かせていただいております。

 最後に、一足先にコミカライズ版を読んでくださる方々へ。「あの時、こうしていれば」と悔やみ続ける圭吾が、もう戻れない過去とどう向き合って、どんな選択をして、今を歩いていくのか……近づいてみたり、遠くから見たりして、『ミラー・ツインズ』の世界を楽しんでくださると幸いです。

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