ご長寿早押しクイズ:鈴木史朗アナ、司会交代は自ら… 総合演出が語る功労者への思いと番組“長寿化”のワケ

「爆笑!明石家さんまのご長寿グランプリ2018」のMCを担当する山本匠晃アナ(左)と、“殿堂入り”した鈴木史朗アナ (C)TBS
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「爆笑!明石家さんまのご長寿グランプリ2018」のMCを担当する山本匠晃アナ(左)と、“殿堂入り”した鈴木史朗アナ (C)TBS

 2014年に終了した「さんまのスーパーからくりTV」(TBS系)の人気コーナー「ご長寿早押しクイズ」が、今年も「爆笑!明石家さんまのご長寿グランプリ2018」として29日放送される。先日、MCがフリーアナウンサーの鈴木史朗さんからTBSの山本匠晃アナにバトンタッチされたことが発表された。今回の司会交代は鈴木さんからの申し出だったといい、「今年の2月に80歳になって『これを機に』と史朗さんの方から話をいただきました。ずっと一緒にやってきましたので複雑な思いでしたが、鈴木さんは間違いなく功労者。無理にお願いはできないので……」と明かす番組の総合演出・塚田俊男さんに、鈴木さんへの思いやそれでも番組を続ける理由など語ってもらった。

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 「ご長寿早押しクイズ」は、解答者となる“ご長寿さん”たちの珍解答や、鈴木さんの淡々とした進行、ご長寿たちとの掛け合いなどが話題を集め、人気コーナーとして1994~2002年にわたって断続的に放送されていた。16年に「ご長寿グランプリ」として復活してから、今年が3回目の放送で、鈴木さんは“ご長寿アナ”として殿堂入りを果たすことになった。

 ◇鈴木史朗アナがいなければ成り立たなかった? 大事にしたのは「ライブ感」

 「さんまのスーパーからくりTV」において、間違いなく番組の“顔”でもあった「ご長寿早押しクイズ」。企画立ち上げ当初から携わってきた塚田さんは、「史朗さんがいなければ成り立たなかった」と振り返る。

 休止期間があったものの今も企画が続いていることについて、「一番の理由は史朗さんがいたから」と断言する塚田さん。「この企画を始めるにあたり、最初に史朗さんをMCに起用したのはとても大きかった。果たして他の人だったら、こんな長寿企画になっていたのかって。ご長寿の皆さんにも好かれましたので、そこもとても大きかったと思います」としみじみ。

 収録現場では鈴木さんが積極的に“ご長寿さん”たちとコミュニケーションをとる姿が見られたという。塚田さんは「とにかくずっとしゃべっていました。自分で考えてきたダジャレを挟んでみたり、時にご長寿の皆さんが好きな歌を歌ってみたり。僕らがすることは問題を考え、人選するくらい。収録が始まってしまったら、あとは『よろしくお願いします』って感じ。だからこそ、そこ場で生まれるライブ感というものを大事にしましたし、そこが面白さの源泉でもあったのかな」と分析。

 鈴木さんの淡々とした司会ぶりと“ご長寿さん”たちの繰り出す珍回答のギャップも人気の秘訣(ひけつ)だった。「あの史郎さんの感じは唯一無二。司会としてはごく当たり前に、むしろ真面目なくらいに進行していくんですけど。それでも珍回答が止まらないことが多々あって。そこのギャップ、温度差がまた面白さを生む。もちろん、史郎さんも何度かたまらず笑ってしまったときもありましたけど」と塚田さんは懐かしむ。

 ◇一にも二にも主役は「ご長寿の皆さん」 まずは楽しんでもらいたいくて…

 鈴木さんの後任にTBSの山本アナを迎えて、新たな歴史をスタートさせる「ご長寿早押しクイズ」。番組作りでは今も昔も変わらず、「ご長寿の方々にまずは楽しんでもらいたい」ということを第一に考えているという。

 塚田さんは「決していいことを言おうとしているわけではないのですが、撮影が終わってご長寿の皆さんに『楽しかった』って言ってもらえるのが一番うれしい。皆さんに楽しんでもらわないと番組として成り立たないですし、主役は『ご長寿の皆さん』。そこは一にも二にも、という考えは変わらない」と明かす。

 もちろん、番組作りにはハプニングは付きもの。塚田さんは「本当にご長寿の皆さんは歌が好きで。急に『1曲いいですか』って歌い始めちゃう。出題とは全く関係のないところで(笑い)。そこは『どうぞ』ってお願いしてしまうんですけど、歌なのですぐには終わらない。1番からさらに2番、3番って。できればそういうところも番組で出して差し上げたい、本当に楽しそうなんで。でもさすがに……。ただ、そういうときも史郎さんは冷静でしたが」と笑っていた。

 ◇番組を続ける理由 ご長寿の皆さんの「元気を届けたい」

 最後に番組を続ける理由を聞くと、塚田さんは「とにかくご長寿の皆さんがお元気というのはあります。あとはあくまで個人的な思いになりますが、僕はこの番組を若い人に見てもらいたい。冒頭でも言っているんですけど『高齢化社会が何だ!』『年を食っていて何が悪い!』って。まさにその象徴であるご長寿の皆さんの元気な姿を若い人たちに届けたいし、番組がその橋渡しになれば」と力を込める。

 29日の放送に向けては「とにかくお元気なご長寿の皆さんを見て、一緒に元気になってもらいたい。あとは早押しクイズの決勝は3人から5人に増えて、その分、応酬がすごいことになっています」と予告していた。

 「爆笑!明石家さんまのご長寿グランプリ2018」は29日午後6時25分~同9時に放送される。

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