中島ヨシキ:バイプレーヤー声優を目指す 「あした世界が終わるとしても」で生っぽい演技も

「あした世界が終わるとしても」でメインキャラクターのハザマ ジンの声優を務める中島ヨシキさん
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「あした世界が終わるとしても」でメインキャラクターのハザマ ジンの声優を務める中島ヨシキさん

 劇場版アニメ「あした世界が終わるとしても」(櫻木優平監督、25日公開)でメインキャラクター、ジンの声優を務める中島ヨシキさん。昨年10~12月に放送されたテレビアニメ「INGRESS THE ANIMATION(イングレス)」で主演を務めた若手声優だ。中島さんに、今回作品の演技や声優としての活動について聞いた。

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 ◇梶裕貴との共演で感じたこと

 「あした世界が終わるとしても」は、幼い頃に母を亡くして以来、心を閉ざしがちな高校生・狭間真(はざま・しん)と幼なじみの泉琴莉の前に突然、もう一つの日本から「ジン」を名乗るもう一人の「僕」が現れる……というストーリー。中島さんは櫻木監督の手がけたテレビアニメ「イングレス」でも主演を務めた。「また櫻木監督の作品に関われたらいいなと思っていたので、うれしいですね。あのチームで参加させていただけることもうれしかったです」と出演を喜ぶ。

 中島さん演じるジンは、現代日本と相対するもう一つの世界・日本公民共和国に住むレジスタンス。幼い頃に母親を処刑されて以来、国と公女を憎んでいる。父の開発した遠隔人型兵器アルマと転送装置を使い、日本公民共和国の現公女、イズミ コトコの暗殺を企てる。梶裕貴さんが声優を務める現代日本の狭間真と見た目がそっくりで、対をなすキャラクターでもある。演じる際に意識したのは「大人になり過ぎない」ことだった。

 「ジンははじめから人を殺そうとしているので、共感はできませんし、彼が住むハードな世界もなかなか想像できない。あどけない部分もあっていいはずだけど、達観しているところもある。大人になり過ぎないことも意識しました」

 ジンと梶さんが演じる真は、見た目は似ているが、違うキャラクターだ。梶さんの演技は意識したのだろうか?

 「梶さんと一緒にがっつりお芝居させていただくのは初めてでした。僕には梶さんのように芝居できない。キャリアも年齢も違う。そういった意味では意識していませんでした。ジンにとって真は別の世界の自分。全てが同じではないけど、全てが違うわけではない。どこかでリンクすればとは意識しましたが。ちょっとした息の吸い方など明確にはなかなか説明できないのですが、意識したところはあります。梶さんとの掛け合いの時、すごく生々しいと感じました。過剰装飾じゃないんです。真は感情が爆発するわけではないのですが、感情の揺れ動きを感じていました」

 3DCGで描かれる映像がリアルで、声優陣の演技も生っぽいところがある。中島さんも「実写映画の雰囲気に近いかもしれません。芝居も生っぽいところを感じていただけるかもしれません」と話す。

 ◇一つ一つの仕事を丁寧に誠実に全力で

 中島さんは「ヒナまつり」「同居人はひざ、時々、頭のうえ。」「アイドルマスター SideM」「あんさんぶるスターズ!」などにも出演。「INGRESS THE ANIMATION」では警視庁特殊捜査官の翠川誠、「あした世界が終わるとしても」では18歳のジンを演じるなど幅広い演技が魅力の一つ。

 「短所だとも思っていたけど、役幅が広いのを長所にしていきたいですね。30歳だったり、18歳の少年だったり、いろいろな役ができる方が僕も楽しいですし、やりがいを感じますね。何でもできて、どこの現場にも呼ばれるようなバイプレーヤーになれればうれしいですね」

 活動の中で大切にしているのは、丁寧に誠実に全力で取り組むことだという。

 「自分は、こうやってインタビューをしていただいたり歌ったりすることとは無縁だと思っていたので、不思議な感じですね。一昨年は今の自分のことを予想していなかったし、1年後のことも分かりません。細くても長くさまざまな役を演じていきたいです。一つ一つの仕事を丁寧に誠実に全力で魂を込めることしかできない。それを続けていけば、努力は裏切らないはず」

 努力を重ねる中島さんの今後の活躍が期待される。

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