アニメ質問状:「ブギーポップは笑わない」 得体の知れないリアリティーが魅力 今だからこそ見てほしいドラマとは?

テレビアニメ「ブギーポップは笑わない」の一場面(C)2018 上遠野浩平/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会
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テレビアニメ「ブギーポップは笑わない」の一場面(C)2018 上遠野浩平/KADOKAWA アスキー・メディアワークス/ブギーポップは笑わない製作委員会

 話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、電撃文庫の上遠野浩平さんの人気ライトノベル「ブギーポップ」シリーズの新作テレビアニメ「ブギーポップは笑わない」です。KADOKAWAの田中翔プロデューサーに作品の魅力を語ってもらいました。

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 ――作品の概要と魅力は?

 今この瞬間、世界のどこかで、世界の根本を揺るがすような大きな事件が起きていたとして、私たちがその事件の当事者で、世界の命運を握っているなんてことは、残念ながら、ない。でも、もしほんの少しだけ、断片的にでも関わっていたとしたらどうだろう。これはそんな人々の物語で、彼らの視界にわずかに映るのがブギーポップというわけだ。

 ブギーポップは常に世界の根本を揺るがすような大きな事件の中心にいる。世界の根本を揺るがすほどの大きな事件を起こす人物、つまり世界の敵に反応し、自動的に浮かび上がってくる存在だから。この物語の主人公たちはブギーポップと世界の敵との戦いを、わずかではあるが、視界の端に捉えた人物であったり、そんな人物の傍らにいる人間たち……つまり、もしかしたら私たちかもしれない人たち。だからこそ、今作には得体の知れないリアリティーがある。

 ブギーポップのような、一見すると荒唐無稽(むけい)な存在が、あたかも本当に存在するんじゃないかと思ってしまうような、そんなリアリティーこそが、本作の最大の魅力であると、私は勝手にそう思っています。

 ――アニメにするときに心がけたことは?

 心がけたことは、世界観です。私がブギーポップを読んだときに感じた世界観を、テレビアニメーションでも表現したいと思っていましたが、夏目真悟監督をはじめ、マッドハウスのスタッフの皆様の手によって、毎週想像以上のものが出来上がってくるので、私も一ユーザーのように楽しんでしまっているところがあります。

 見せたかったものというか、なぜアニメ化したかったのかというと、ブギーポップのせりふもそうですが、本作の登場人物たちはまっとうなこと言うんです。考えてみれば至極当たり前のことなんですが、あまり聞かなくなったなと思うことを、どすんと投げかけてくる。そんなキャラクターたちのドラマを今だからこそ見てほしいと思っています。

 ――作品を作る上でうれしかったこと、逆に大変だったことは?

 純粋に映像になったこと、それ自体がうれしいものでした。私が中学生のころに夢中になって読んだ小説を、自分の手でテレビアニメーションにしているということが、半分信じられないような出来事なので、不思議な気持ちではありますが、一話一話上がっていく度にうれしさがあります。

 大変だったことは、実はそんなにありません。作りたいものがある程度明確に見えていたこともあり、スタッフの皆様ともそこは一致していてブレていませんでした。唯一あるとすれば、これだけ人気エピソードが数多くある作品なので、シリーズ構成を話し合っているときに“これをやりたいあれをやりたい”が、たくさん出てしまったことです。やれることは限られていますので、その中で収めていく作業は大変でした。楽しかったですが。

 ――今後の見どころを教えてください。

 VSイマジネーター編でもそうですが、今後も個性的なキャラクターたちがたくさん登場します。特に統和機構の合成人間たちが非常に魅力的ですので、彼ら、彼女たちの活躍……といっていいのかですが、いわゆる悪役側にも注目して見てもらえると、より一層楽しいのではないかと思います。

 ――ファンへ一言お願いします。

 本作でブギーポップを知った方はぜひ小説も手に取って読んでみてください。一度読み始めるときっと止まらなくなると思いますので。原作ファンの方々は本作をご覧になっていろんな意見があると思いますが、賛否両論すべてのみ込んでいただき、まずはぜひとも最後までご覧いただけますと幸いです。きっと楽しんでいただけるものになっていると思います。

 KADOKAWA プロデューサー 田中翔

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