名探偵コナン
#1146「汽笛の聞こえる古書店4」
12月21日(土)放送分
話題のアニメの魅力をクリエーターに聞く「アニメ質問状」。今回は、手塚治虫の名作マンガが原作のテレビアニメ「どろろ」です。アニメを制作するMAPPAの大塚学プロデューサーに、作品の魅力などを語ってもらいました。
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マンガの神様・手塚治虫の傑作怪奇マンガが約50年ぶりに装いを新たに再アニメ化。「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」を手がけた古橋一浩監督をはじめとした豪華スタッフ陣により最高峰のアクションアニメとなっています。
アニメ「どろろ」の魅力はたくさんあるのですが、一番伝えたいのはやはり百鬼丸とどろろ、二人のキャラクターだと考えています。原作でもすてきな二人組でしたが、二人の関係性は原作とはかなり変わっています。かいがいしく百鬼丸の世話をするどろろ、それに対して体を徐々に取り戻しながら少しずつどろろの存在を認識していく百鬼丸。作品的にハードな描写も多いですが、ふとした時に挟まれる二人のやり取りに癒やされる視聴者の方々も多いと感じています。
体の部位を失っている百鬼丸を今の時代にテレビシリーズでいかに描くか、という部分は制作をする上で常に考えていました。単純な描写の問題だけでなく、取り戻すことで新たに知る感覚もあれば知ることで弱くなることもあり、その際にどういった感情が生まれるのか……。そこは監督や脚本の小林靖子さんが非常に力を入れられていた部分でもあります。
現代のファンに対しては、やはりデザインの部分でまず興味を抱いてもらえるよう(キャラクター原案の)浅田弘幸先生、(キャラクターデザインの)岩瀧智さんと議論を重ねました。手塚先生の柔らかい動きの表現や丸みなどを浅田先生の絵の範囲で取り入れていただきつつ、どろろがコロコロと動き回る感じなどを岩瀧さんがアニメーションに取り入れてくれました。とにかくどろろは可愛く、というところを皆さん意識して作業していて、それは今の視聴者の方々にもダイレクトに伝わっていると感じています。
僕自身が手塚先生の作品のファンでもあり、小学生の時に大好きなマンガだった「どろろ」の映像化に携われたことは、本当に幸せだと感じています。その分、半端なものは絶対作りたくないという思いも強かったのですが、監督、脚本、音楽などさまざまな工程で「どろろ」に対して強い気持ちを持ったトップクリエーターが集結してくれて、そこもまた恵まれていると思いました。
たくさんあり過ぎてまとめられないのですが、多宝丸とその家来、陸奥と兵庫の活躍にご期待ください。アニメのオリジナルな要素が満載です。
百鬼丸とどろろの旅がどういった結末を迎えるのか、視聴者の皆様もさまざまな想像をされていると思いますが、監督を中心としたアニメ制作チームが心血を注ぎ続けてたどり着いた答えがそこにはあります。ぜひ最後まで「どろろ」を楽しんでいただけますと幸いです。
MAPPA 代表取締役社長 プロデューサー 大塚学
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