キャプテン翼:三瓶由布子×佐藤拓也 翼、小次郎ライバル対談 全力のアフレコ 駆け抜けた1年

アニメ「キャプテン翼」の第51話「ミラクルドライブシュート!」の一場面(C)高橋陽一/集英社・2018キャプテン翼製作委員会
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アニメ「キャプテン翼」の第51話「ミラクルドライブシュート!」の一場面(C)高橋陽一/集英社・2018キャプテン翼製作委員会

 高橋陽一さんのサッカーマンガが原作の「キャプテン翼」の新作テレビアニメが4月1日深夜の放送で最終回を迎える。「週刊少年ジャンプ」(集英社)で連載され、サッカーブームを巻き起こした人気作。テレビアニメ化は1983、94、2001年に続き4度目。新作は昨年4月にスタートした。数々の人気キャラクターの中で、特に人気なのが主人公・大空翼とそのライバル・日向小次郎だ。1年以上にもおよぶアフレコを終えた翼役の三瓶由布子さん、小次郎役の佐藤拓也さんの“ライバル対談”で、作品やキャラクターへの思いを聞いた。

ウナギノボリ

 ◇佐藤拓也がどうしても小次郎を演じたかった理由

 ――出演が決まる前、「キャプテン翼」に対してどんなイメージを持っていた?

 三瓶さん 有名な作品なので、もちろんタイトルは知っていましたが、実は読んだことはなかったんです。オーディションの時に読んだ原稿で、若島津(健)が学校の名前なのか、人の名前なのかが分からないくらいでした。若林(源三)は人名だけど、若島津は……。それくらい知識がありませんでした。

佐藤さん 子供の頃から小次郎が大好きでした。小学生の時、アニメの再放送を見て好きになり、サッカーを友達とやる時は小次郎のように袖をまくっていました。小次郎は一匹オオカミだけど、チームメートに恵まれていますし、家族の生活のことも考えている。何かを背負って夢を追う姿に格好良さを感じていました。スタジオのオーディションでも、黒いTシャツの袖をまくっていました(笑い)。どうしてもやりたかったキャラクターです。決まった時はもちろんうれしかったのですが、翼に勝るとも劣らない人気キャラクターですし、プレッシャーというよりは、責任感を感じていました。

 ――改めて「キャプテン翼」の魅力をどのように感じていますか?

 三瓶さん 原作も読ませていただきましたが、アニメも毎回激しいんですよ。エンディングで翼の学ラン姿を見て、いつもユニホーム着ているから、新鮮だな……と。あの子たち、ちゃんと勉強しているのかな? 学園生活はどうしているんだろう?と思っていました。いつも試合をして、毎週のように傷ついていたものでして。1年を通して、キャラクターが身近になりましたし、男の子たちがハマる魅力を実感しました。

 佐藤さん 原作を読んだり、アニメを見ていると一瞬、そんなバカな!?ともなるけど、これはすごいぞ……となるんです。ここまでサッカーのことしか考えられなくなるのか……と小次郎に限らず、みんなサッカーに没頭している。こんなに没頭できることってそんなにない。うらやましいことですし、楽しいことでもあります。そのことを感じながら演じていました。毎週毎週、声を張るけど、終わるとすっきりするんです。心が浄化されるんですね。

 ◇いつか血を吐くのでは… 激しいアフレコ

 ――試合のシーンはアフレコも激しい?

 三瓶さん 佐藤さんと(実況を担当する)前野(智昭)君はいつか血を吐くんじゃないかな?と毎週、心配していました(笑い)

 佐藤さん 前野さんは影の主役ですからね。

 ――アフレコも試合のようなのでしょうか?

 三瓶さん そうですね(笑い)。(マイクを前にした声優陣の)ポジションチェンジも激しい。音を立ててはいけないので、みんなよく頑張ったな……。

 佐藤さん ここは翼のマイク、などが暗黙のルールがありましたよね。翼や小次郎が動くと、みんな混乱するので、ある程度ポジショニングがあったかもしれません。

 ――ハードな1年だったのでしょうか?

 三瓶さん 1年やった感覚があんまりないんですよ。終わってみればあっという間。チームワークがありましたし。

 佐藤さん 毎週、出し惜しみをしない現場で、全力でした。みんなでぶつかり合った。1年間駆け抜けた寂しさが大きいですね。

 ◇三瓶由布子は佐藤拓也の演技に力をもらった

 ――翼と小次郎はマンガ、アニメ史に残るライバルでもあります。ライバルを演じるお二人のそれぞれの印象は?

 三瓶さん 佐藤さんはめちゃくちゃいい人なんです。だからギャップがすごい。日向君が悪い子というわけではないですよ(笑い)。日向君は驚かされるシーンが多いですし、佐藤さんは体当たりで演じられています。翼というキャラクターを形成してくれたものの一つがライバルの存在。日向君と翼は心が通じているところもあります。男の子の世界は奥が深いですね。演じていて、引っ張っていただくことが多かった。いろいろな気持ちをぶつけてもらって、力をもらっていました。佐藤さんはこんなに体当たりで、佐藤さんのどこにこの引き出しがあるのかな? 子供の頃は強引だったのかな?とも思っていました(笑い)。

 佐藤さん そんなことはないですよ(笑い)。三瓶さんとは、ここまでがっつりお芝居で絡ませていただくのは初めてでした。三瓶さんが演じる翼はブレないんですよ。勝とうが負けようが、翼には強い芯がある。小次郎って結構、繊細なところもあるんですよ。チームメートや家族がいるからこそ、日向小次郎としていられる。対して、翼はいつでも翼なんです。小次郎は、翼のハートの強さにコンプレックスを感じているところがあるかもしれません。収録中に三瓶さんにもその芯の強さを感じていました。僕が苛烈なせりふ投げかけても返してくれる安心感がありました。

 三瓶さん 日向君はいい子になりましたね。最初は結構、インパクトが強かったので(笑い)。

 佐藤さん 根はいい子なんですよ。ハングリー精神の塊。そこにすごく共感するんです。

 ――三瓶さんはこれまでも少年も多く演じていますが、少年を演じる中で意識していることは?

 三瓶さん 男、女という意識を強く持たないようにしています。私は男ではないので、理解できるところを広げていくことしかできません。男、女ではなく、キャラクターの芯の部分を意識しています。

 ◇最終回は全員に拍手を まさか!の展開も

 ――今回の「キャプテン翼」は深夜アニメですが、子供も録画で見るなど親子2世代で楽しんでいる人も多いようです。子供の人気を実感したことは?

 佐藤さん 親子でイベントで来てくださったり、お手紙をいただくこともありました。世代を超えて深く愛される作品に携われたことはうれしいし、幸運ですね。

 三瓶さん この前、エンディングの「燃えてヒーロー」を駅で歌っている子供を見たんですよ。時代を超えて、今の子供も魅了する力を感じていました。アニメを見て、新たなプロが生まれることが楽しみです。

 ――ついに最終回を迎えますが、見どころを教えてください。

 三瓶さん 全員に拍手を送りたくなります。少年たちの思いがギュッと詰まっています。試合が終わったら、サッカーが好きな仲間になる。サッカーに限らず、こういう時間っていいな……と思っていただけるはずです。子供にも見てほしい作品ですしね。最終回ならではの豪華な仕掛けもあります。最終回ですが、より熱くなるはずです。

 佐藤さん 全力を尽くした少年たちだからこそ見える景色があります。スポーツに限らず、切磋琢磨(せっさたくま)できるライバルがいることは素晴らしいですよね。自分が好きなもの、大事なものを思いっ切り追いかける勇気を感じていただきたいです。一ファンとしては、まさか!の展開もあります。最後まで見てください!

 三瓶さん お父さんたちも興奮するはずです!

 ――原作はまだまだ続きがあります。この先も翼、小次郎を演じ続けていきたい?

 三瓶さん もちろん! キャラも掘り下げられましたし、まだまだ先を見たいですね。若林君と岬(太郎)君は中学時代、あんまり出ていなかったので、ここから先も見てみたいです。

 佐藤さん もっと小次郎とプレーしたい。ジュニアユース編、ワールドユース編をやりたいです。ファンとしても見たいですし。

 「キャプテン翼」はテレビ東京ほかで放送中。最終回「エンドレス・ドリーム」はテレビ東京で4月1日深夜1時50分に放送される。

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