プロメア:迫力の映像を生み出す技 「グレンラガン」との関係は… 今石洋之監督、中島かずきが明かす

アニメ「プロメア」の一場面(C)TRIGGER・中島かずき/XFLAG
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アニメ「プロメア」の一場面(C)TRIGGER・中島かずき/XFLAG

 人気アニメ「天元突破グレンラガン」「キルラキル」などの今石洋之さんが監督を務め、中島かずきさんが脚本を担当する劇場版アニメ「プロメア」が24日、公開された。「キルラキル」などのTRIGGER(トリガー)が製作した作品。ダイナミックなアクションシーンが魅力の一つだ。アニメファンの間では「天元突破グレンラガン」との関係も公開前から話題。今石監督と中島さんに、迫力の映像を生み出す技、「プロメア」と「グレンラガン」の関係について聞いた。

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 ◇独特の色づかいは…

 「プロメア」は、炎を操る人種バーニッシュによって世界の半分が焼失した世界を舞台に、高機動救命消防隊バーニングレスキューの新人隊員ガロの活躍を描く。声優として松山ケンイチさん、早乙女太一さん、堺雅人さん、ケンドーコバヤシさん、古田新太さんらが出演する。

 「プロメア」を見て、まず驚かされるのが映像美だ。キャラクターが縦横無尽に動き回るダイナミックな表現に驚かされる。蛍光色のような独特の色づかいも斬新だ。今石監督は「彩度の高い色を選んでいます。(キャラクターデザインの)コヤマ(シゲト)さんと『バキバキの色にしよう』と言っていました」と説明する。

 「(今石監督が手がけ、2010年に放送された)『パンティ&ストッキングwithガーターベルト』でカートゥーンっぽい色で作り、手応えがあり、中島さんの作るドラマでこの表現をさらに新しいものにしたかった。背景としてマッチしたり、CGとの親和性も高い。大変なんですけどね」

 ◇“待ちの絵”を作らない

 今石作品はアクションシーンに定評があり、「プロメア」でも見どころの一つ。今石監督はアクションシーンで“待ちの絵”をいかに作らないかを考えているという。

 「敵がしゃべっている間に待つような、作り手の都合で待ちの絵を作らないようにしています。日常の会話はまだいいんですけど、アクションシーンはとっぴな設定に対して(視聴者に)冷静になってほしくないんですね。素になって考える時間を作らないようにしているんです。様式美として待ちの絵に落とし込むことはあるのですが」

 中島さんも「立ったまま話をするシーンを作らないようにしてくれ……と言わたことがあります。今石演出の特徴ですね」と話すように、トリガー作品のキャラクターはしゃべりながら、とにかく動く。映像だけでなく、せりふまで細部にこだわり抜いているからこそ、迫力のある映像が生まれているのだろう。

 ◇出し惜しみなし 最初からフルスロットルのアクション

 「プロメア」のガロのビジュアルが公開された際、「グレンラガン」の人気キャラクターのカミナに似ている……とアニメファンの間で話題になった。「プロメア」は「グレンラガン」などこれまでの今石作品を彷彿(ほうふつ)させる描写もある。今石監督の盟友でもある中島さんは「プロメア」の製作にあたり「手の内は惜しげもなく全部出した」と明かす。

 「最初は丁寧に少年の成長を描こうともしたのですが、ええい!最初からフルスロットルのアクションだ!となった。常にそうなんですけどね。手駒は全部入れてもいいんじゃないか? ここでやるしかないだろ!と」

 今石監督が「頭のアバンから20分くらいが特に力を入れています。情報量も多いです。後半はサプライズもあります!」、中島さんが「ジェットコースタームービー。始まったと思ったら、終わった!というくらい楽しい」と話すように「プロメア」は、とてつもないスピードで物語が展開していき、あっという間に見終わってしまう。出し惜しみなしのジェットコースターに圧倒されるはずだ。

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