人気アニメ映画「LUPIN THE IIIRD」シリーズの新作「LUPIN THE IIIRD 峰不二子の嘘」が31日公開される。スタイリッシュでハードボイルドなシリーズ。アニメを手がけるテレコム・アニメーションフィルムの浄園祐プロデューサーは「今のルパンにないものへ振り切りたかった」と話す。「ルパン三世」の原作者のモンキー・パンチさんが4月に亡くなった後、「ルパン三世」はどうなっていくのだろうか……浄園プロデューサーに聞いた。
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「峰不二子の嘘」は、2012年に放送されたテレビアニメ「峰不二子という女」や劇場公開された「次元大介の墓標」「血煙の石川五ェ門」に続く、「LUPIN THE IIIRD」シリーズの新作。「次元大介の墓標」「血煙の石川五ェ門」を生んだクリエーターが再集結し、小池健さんが監督を務めた。シリーズは、スタイリッシュな映像が魅力で、その表現はどこか懐かしさもある。原作のマンガや1971~72年に放送されたテレビアニメ第1シリーズを彷彿(ほうふつ)させるところもある。
「原作やテレビシリーズ第1シリーズなどハードなルパンの格好よさに影響を受けた40歳以上のクリエーターがたくさんいる。ルパンはワクワクするところも魅力ではあるのですが、(子供が)背伸びをして見るような、大人でも見られるアニメも作ってきた。ルパンは国民的なキャラクターのルパンとして認知される中で、失ったものもあり、昔のルパンがバイブルという人もいます。今はリサーチして、お客さんに合わせて作っていくものが多い中、作り手が『これが格好いい!』と思うものを作りたかった。今のルパンにないものへ振り切りたかった」
「ルパン三世」は多くのクリエーターに影響を与えた。浄園プロデューサーは「渡辺信一郎監督が『カウボーイビバップ』を作ったのを見て、がくぜんとしました。やられた……と」とも明かす。大人のための格好よく、スタイリッシュでハードボイルドな「ルパン三世」をまた作る。それが「LUPIN THE IIIRD」シリーズだった。
「LUPIN THE IIIRD」シリーズの企画が立ち上がった際、関係者の中には反対の声もあった。しかし、「原作の絵を踏襲したアニメ。モンキー・パンチ先生が評価してくださったんです」。パンチさんは「次元大介の墓標」を見て「歴史に残るものになる」と絶賛したといい、浄園プロデューサーは「そのお言葉があったから続けられている」と話す。
パンチさんは4月11日に肺炎のため死去した。昭和に生まれた「ルパン三世」は平成でも愛され、時代は令和になった。原作者が亡くなり、時代も変わり、今後はどうなっていくのだろうか?
「ルパンたちの格好いい生き様は、大人になればなるほど、格好よさがしみてくる。目的のために引き金を引くし、人もだましますが、誰にも縛られずに自由に生きているところに格好よさを感じる。先生は『ルパンは痛快な娯楽』ともおっしゃっていました。先生が作ったルパンのアイデンティティーを守り、格好いいものを作り続けていきたい。大人のファンに向けて見応えがあるものを作っていきたですし、若い人に新しい!と思っていただけるようになりたいですね」
「ルパン三世」には、時代が変わっても愛され続ける普遍的な魅力がある。子供や家族でも楽しめるものもあれば、「LUPIN THE IIIRD」シリーズのような大人向けの作品もあり、世代を超えて愛されている。
新作「峰不二子の嘘」では、人気キャラクターの不二子が魅力的に描かれている。浄園プロデューサーは「男が考えるいわゆる不二子像ではないものを描きたかった」と説明する。モンキー・パンチさんの遺志を受け継ぎ、これからも「ルパン三世」は挑戦を続けていくのだろう。
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