向井理:「わた定」種田役に「ハマリ役」の声 役者としての魅力は

連続ドラマ「わたし、定時で帰ります。」に出演する向井理さん(C)TBS
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連続ドラマ「わたし、定時で帰ります。」に出演する向井理さん(C)TBS

 ドラマ「わたし、定時で帰ります。」(TBS系、火曜午後10時)で、主人公・東山結衣(吉高由里子さん)の元婚約者・種田晃太郎を演じている俳優の向井理さん(37)。ドラマが放送されるたび、ツイッターでは「種田さん」がトレンド入りするほど話題を集め、SNSでは「最高のハマリ役」の声があがるなど、視聴者の心をつかんでいる。映画「GIRL」(2012年)に続き、向井さんとは2度目のタッグとなった八尾香澄プロデューサーは、「(種田役に)本当にハマったなと思います。ここまで盛り上がるとは思っていなかったのですごいなと思う」と大喜び。向井さんの俳優としての魅力はどこにあるのだろう。

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 ◇「“かっこよくない”向井理を見たい」

 向井さんは、1982年2月7日生まれ、神奈川県出身。テレビドラマ「のだめカンタービレ」(フジテレビ系・2006年)で注目を集め、数々の作品に主演。NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「ゲゲゲの女房」(2010年)では、マンガ「ゲゲゲの鬼太郎」の作者、故・水木しげるさんを演じ、話題となった。

 “爽やかなイケメン俳優”といったイメージが強かった向井さんだが、近年では役の幅が広がっている。ドラマ「きみが心に棲(す)みついた」(TBS系・2018年)では、吉岡里帆さん演じる“キョドコ”が自分から離れようとすると、あらゆる手を使って支配しようとする星名漣役を演じ、向井さん自身「今まであまりやったことがないような、ハードな悪役」と話すなど、新境地を開拓した。

 八尾プロデューサーとともに「わたし、定時で帰ります。」を手がける新井順子プロデューサーは、向井さんの起用理由について、「向井さんはかっこいい役が多いので、そうじゃない向井さんを見たかった」と話す。

 ◇“萌え”演出に「照れている」

 新井さんは、「……とは言っても、向井さんがかっこよくないというのは無理なので(笑い)、本人がかっこつけていないというか、スーツをばっちり着ていないとか、普通に笑ったりする役はどうなのかなと思った」と明かす。

 向井さん演じる種田は、結衣の元婚約者で、仕事に集中しすぎると周りが見えなくなるワーカホリック体質だが、会社内でも随一のデキる男で、後輩のフォローは欠かさず、チームメンバーからの信頼も厚いという役どころ。

 「ちょっと服がダサいという設定」で、Tシャツにパーカなどの服装が多いが、SNSでは「爽やかな色気がすごくイイ」といった声があがっている。また、劇中では、寝顔やおんぶする姿、口にクリームをつけながらカップケーキを頬張る姿、少し袖が長くて半分手が隠れるのが可愛い“萌え袖”などを披露している。

 こういった“萌えポイント”には、監督やプロデューサーのアイデアをもとに、追加された演出もあるという。現場での向井さんの様子について、八尾さんは「多少照れているところがある」と明かす。そうした「照れ」も手伝ってか、SNSでは「毎週種田さんにトキメキまくり」などの声があがっており、演出はバッチリはまったようだ。

 ◇俳優としての魅力は

 主演含め数々の作品に出演してきた向井さん。そんな向井さんの「GIRL」出演時の印象を振り返ってもらうと、八尾さんは「昔から落ち着いている」と述懐。「ちゃんとスタッフとも、俳優同士でも、監督とも、プロデューサーともコミュニケーションを取りながら、一緒に役を作ってくださる方」と表現する。

 「ゲゲゲの女房」では、規格外の独特のルールで生きているところがあり、好きなことだけに熱中する役どころだったが、八尾さんは「やっている役は広がっているので、それこそ『ゲゲゲの女房』の役の感じとかが今回の役に生きているんじゃないかという気がしている」と話す。

 一方、新井さんは「“ニュアンスの芝居”が絶妙ですよね。(本当は)こう思っているんだけど、言葉にしない。そういう寂しげな顔をするとか……」と向井さんの魅力を語る。第7話では、酔っ払って、結衣に「いまでも好きです」と言ったことを覚えていなかった種田が、王丹(江口のりこさん)からすべてを教えてもらった後の結衣とのシーンが描かれたが、「エレベーターで、(好きと言ってしまったことを)言おうとするけど言えなくて、ちょっと遠回しにフォローする。でも、エレベーターが来ちゃったからそれ以上続けられなくて、『じゃあ、おつかれ』って去って行く雰囲気など」と話す。

 また、第8話では、偶然、上海飯店で酔っ払ってしまった結衣に出会った種田が、結衣をおんぶで会社まで連れて行き、ソファに寝かせる場面があった。結衣に触れようとして、手を引っ込めるシーンもあったが、新井さんは「いい表情しますよね」と話す。そうした向井さんの口に出さないニュアンスの芝居が視聴者のハートをつかんでいるのだろう。

 6月11日放送の第9話では、いよいよ最終章に突入。福永(ユースケ・サンタマリアさん)から突然会議室に呼び出された結衣が、“種田が自分の会社を辞めた本当の理由”を聞かされる。そして、チーフとして定時には帰らず、残業するよう提案される……。果たして種田はどう絡んでいくのか、最後まで目が離せない。

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