アメコミ界の巨匠スタン・リーさんの手がけた最後のプロジェクト、オーディオブック「スタン・リー・アライアンス トリックオブライト(Stan Lee’s Alliances A Trick of Light)」が、6月27日に全世界で配信された。長編小説の朗読を独りで担当したのが、人気声優の花澤香菜さん。演劇への出演や歌手としての活動など、幅広く活躍する花澤さんは、今回の朗読を「チャレンジだった」と語る。これまでの活動を振り返り「顔面から前のめりにぶつかっていった」と振り返る花澤さんに、朗読でのこだわりや今後の目標を聞いた。
ウナギノボリ
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「トリックオブライト」は、「スパイダーマン」「アイアンマン」など数々のヒット作を手がけてきたスタン・リーさんと、作家のカット・ローゼンフィールドさんが共同執筆し、ルーク・リバーマンさん、ライアン・シルバートさんらと制作したSF。
主人公は、YouTuberとして有名になるという夢を持つ青年キャメロン。彼はある日、嵐の中、出かけた先で雷に打たれ、テクノロジーを自在に操る能力・サイバーキネティックを手に入れる。この力によって、最先端のテクノロジー装備を持つ父親に軟禁されている不思議な少女ニアと出会い、恋に落ちる……というストーリー。「本が聴ける」がコンセプトのボイスブックサービス「オーディブル」で全世界に配信。
今回花澤さんは、約15時間のオーディオブックを10日間にわたって収録。主人公の青年キャメロンをはじめ、母親たち、おじいさん、宇宙人と、登場する多様なキャラクターを全て演じ分けた。
今回の朗読を「チャレンジだった」と振り返る花澤さん。声優の仕事以外でも、2018年には演劇ユニット「地球ゴージャス」のプロデュース公演「ZEROTOPIA(ゼロトピア)」への出演、今年4月には歌手として自身初となる海外公演を中国の広州、上海で開催した。第一線で活躍する花澤さんに、今後の目標を聞いた。
「目標は二つあります。一つは、今までは何か挑戦することがあると顔面からぶつかっていくみたいな、体当たりで前のめりに突進していたんですけど、もうちょっと周りを見て、肩の力を抜いて、いろいろなことをできたらいいなと思っています。あとは、もうちょっといろいろな人に甘えてもいいんじゃないだろうかと。今までは自分のことに精いっぱい過ぎて、助けてもらっていたことにも気付けていなかった。だから、そういうことにも気付いた上で甘えられるような感じになりたいなと思っています」
二つ目の目標は「中国語習得」。最近では、アプリゲームなど中国からの仕事が増えているといい、「中国の方たちは、日本語をゲームやアニメで覚えてくれるんです。だから、私の声も知ってくれている。こんなにみんなは日本語を覚えてくれているのに、私はしゃべれないじゃん! と思って。もやもやしていたんです。あいさつやちょっとした会話ができるぐらいにはなりたいと思っています」と語る。
勉強のかいもあって、先日上海に行った際は「ホテルのクーラーが効き過ぎて寒かったんですけど、それを中国語で伝えることができたのがすごくうれしくて『やった!』と思った」とうれしそうに語る。ゆくゆくは「中国語で仕事ができるようになれたら」と意欲を見せた。
日本の人気声優から世界の人気声優へ……花澤さんの活躍がますます注目を集めそうだ。
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