人気バラエティー番組「世界の果てまでイッテQ！」（日曜午後7時58分・日本テレビ系）に“ご意見番”として出演するお笑いタレントの出川哲朗さん（55）。番組初期から体を張ったリアクションで、100回以上のロケに出てきた。6月30日の放送では、「出川哲朗 およそ100回アワード」と題して、番組初登場回やハプニングなど、出川さんの歴史を振り返る。収録を終えた出川さんに、番組への思いを聞いた。

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　◇出川が“テンションが上がる”企画

　2007年2月に「イッテQ！」のレギュラー放送が始まる前、2006年に放送された特番で放送された「間欠泉でしゃぶしゃぶはできるのか？」で、初めて同番組のロケ企画に挑んだ出川さん。その後も、「夢の100メートル！ゴムパッチン世界記録に挑戦」「ペットボトルロケットで人は飛べるのか？」などの「男の挑戦シリーズ」や、さまざまなマジックに挑戦する「マジシャン出川」、カンヌ国際映画祭などに潜入し、スターたちとのツーショット撮影を狙う「パパラッチ出川」などの企画が生まれてきた。

　なかでも、2015年2月に初放送された「はじめてのおつかい」では、出川さんの“体当たりの英語”「出川イングリッシュ」が披露され、大人気企画に。英語をしゃべることもヒアリングも苦手な出川さんが、海外で道行く人に質問をしながら目的地にたどり着くまでを追う企画で、出川さん自身も「僕の代表作になった」と話している。

　「すべてにおいて、ロケに行く前に、『よっしゃー！　楽しみだー！』っていうロケは一つもない」と率直すぎる思いを語る出川さん。そんな出川さん自身にとっての「テンションが上がる企画」を聞いてみると、「パパラッチ出川」を挙げる。

　「ジョン・トラボルタやクリント・イーストウッドとか、僕が子供のときから見ていた大スターなので、まさかそんな人に会えて、その人とちょっとだけ話せて、ツーショットが撮れるなんてことは本当に想像できなかったこと。心の底からうれしい」と笑顔を見せる。

　◇担当ディレクターには「憎しみが止まらない」？

　周期的に噴き出す100度の熱湯を浴びながら、一生懸命にしゃぶしゃぶを作る体当たり企画「間欠泉でしゃぶしゃぶはできるのか？」以降、10年以上タッグを組んでいるのは、武井正弘ディレクター（D）だ。出川さんの担当として、企画を考え、出川さんのロケにほぼ毎回参加し、VTRの編集まで行っているが、出川さんは「まさに『感謝と憎しみ』の象徴ですね」と話す。

　出川さんがさまざまなネタに挑戦しても、編集でカットされることも少なくない。30日の放送回では、「出川哲朗 およそ100回アワード」のほか、出川さんが催眠術を体験したり、“人間水切り”に挑戦したりする「男の挑戦スペシャル In アメリカ」が放送されるが、出川さんは「本当はもっと、めちゃめちゃ（たくさんの）ロケをやっているんですよ！」と明かしながら、「丸一日かけたやつとかも全部カットですからね！　オールカット！」と声をはりあげる。

　武井Dは以前、「編集上やってみて面白くないと切っちゃうことはある。でもそれをやると、（出川さんに）『このくそディレクター』みたいなことを言われたりする」と話していたが、出川さんは「『（これ以上撮影してもVTRには）入らないですよ！』って言い続けているのに変わらない。案の定、編集でカットになるんですよ。その繰り返しの10年間。『憎しみが止まらない』という感じ」と笑う。

　◇「本当に感謝」

　一方で、近年のブレークの理由を「イッテQ！のおかげ」と語り、番組への感謝の思いも明かす出川さん。「イッテQ！をやらせてもらえるようになってから、子供から大人までみんなに『見てるよ、面白いです』って言っていただけるようになって。本当に感謝しています」と話す。

　そんな番組も開始から丸12年が経過。番組を続けることについて、「好きなことをやり続ければ、みんなに観てもらえるというわけではないので、正直なかなか難しい」と思いを明かす。「ただ、イッテQ！が10年以上、これだけみなさんに見ていただいて続いているというのはとんでもないことだと思う。すごいとしかいいようがない」と話す。

　「『はじめてのおつかい』なんて、普通企画として通らないですからね。50代のオヤジがおつかいしてるって何が面白いんだって、絶対になる。それを企画にするという勇気というか、私のキャラもわかってくれた上で、これをやってみようよという企画力のすごさ。本当に優秀な人たちだと思うので、何も心配していないですね。僕たちは乗るだけなんで、まだまだ続くんじゃないかなとは思っていますけどね」。「世界の果てまでイッテQ！　出川哲朗100回アワード2時間SP」は6月30日午後7時58分から放送。