山田涼介:魅力は“非日常”と“日常”の絶妙なバランス感 「もみ冬」を経て「セミオトコ」でもう一段上へ…

人気グループ「Hey! Say! JUMP」の山田涼介さん演じるセミと恋に落ちるアラサー女子・由香を演じる女優の木南晴夏さん(C)テレビ朝日
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人気グループ「Hey! Say! JUMP」の山田涼介さん演じるセミと恋に落ちるアラサー女子・由香を演じる女優の木南晴夏さん(C)テレビ朝日

 「これは、かなり野心作であると同時に自信作です」と脚本の岡田惠和さんが胸を張るのが、人気グループ「Hey! Say! JUMP」の山田涼介さんが、前代未聞となる“セミ”役に挑戦する26日スタートの連続ドラマ「セミオトコ」(テレビ朝日系、金曜午後11時15分)だ。NHKの連続テレビ小説「ひよっこ」などの岡田さんが描く、セミとアラサー女子の7日間限定のラブストーリーで、山田さんは人間に姿を変える美しきセミの王子様を演じる。公式HPなどで公開されている木に抱きついた山田さんのビジュアルはインパクト抜群で、どんな物語が展開されるのか気になるところ。ドラマを手がける同局の服部宣之プロデューサーに、山田さんの魅力や、作品の見どころを聞いた。

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 ◇“大真面目”だからこその笑い 顔芸なしもちょっぴりの“セミっぽさ”

 物語は、セミオトコ(セミオ)(山田さん)が何年もの間、地中で羽化するときを待ち続け、ようやく迎えたその日、頭上から落下してきたアラサー女子・由香(木南晴夏さん)の下敷きになりそうになる。由香の機転により、“ぺしゃんこ”の難は逃れたものの、彼女の寂しそうな雰囲気が気になってしまい、「この人を笑顔にしてあげたい」と強く願うと、人間の姿に。セミは由香の前に人間として現れ、「恩返しに何でもしますから、7日間一緒にいましょう」と持ちかけ、7日間限定の生活がスタートする……という展開。

 先月放送された山田さん主演のスペシャルドラマ「もみ消して冬 2019夏~夏でも寒くて死にそうです~」(日本テレビ系)では、振り切ったコミカルな演技や、“変顔”など豊かな表情を披露した山田さん。“セミ”を演じる今作では、どのような演技が見られるのかを服部さんに聞いてみると、「今回の物語は、もちろんクスッて笑えるシーンもいっぱいあるし、面白いシーンもいっぱいある」としつつも、「いわゆるコメディーのような“顔芸”や、“変顔”は一切なしにしようと……」と明かす。

 山田さんとは、「大真面目にセミが人間になっちゃった、っていう話をやることで、むしろ勝手に笑ってもらえる。そういう世界を目指したい」という話をしたといい、山田さんも「それはそうですよね」と話していたという。

 そのため、撮影現場では、「“セミ要素ゼロ”のかっこいい山田くんがいる」というが、服部さんによると「その中に“セミっぽさ”をちょっとだけ入れている」という。たとえば、「直線的に動く」という動作。チョウのように華麗に舞ったりしないセミの「ガーってなるあの直線的な感じ」を、日常の動作の中に入れている。「笑わそうと思って大げさにやっているというよりは、セミが人間になったらこうだよね、っていうある種の“あるある感”を微妙に入れていっている」と明かす。

 ◇山田涼介の王子様感とセミオの成長感

 山田さんについて「絶妙の非日常感と日常感を持っている方」と表現する服部さん。「あれだけ美しい顔で見つめられていると非日常なんだけど、アイドルアイドルしてるかっていったら、そうでもない。ちゃんと日常を演じられる……その絶妙なバランス感がこの物語に合っているなという気がしました」と話す。

 山田さんが演じるセミオは、好物がメープルシロップで、セミなので人間界の常識には疎く、高い頻度で浮世離れした言動を繰り出す。地上は憧れの世界のため、「なんて素晴らしい世界なんだ!」が口癖だ。

 「(セミオが)優しく背中を押してくれたり、夢をかなえてくれる“王子様”的なところと、セミオの成長過程を7日間皆で見守っていくことの楽しさ。逆に、『もうこれも感じてしまったのね』みたいなせつなさも当然出てくるので、そこが見どころ」と話す。そして、「山田涼介のビジュアルとキャラクターと確かな演技力。この三つをもってこそ成立している役なんじゃないかという気がします」と説明する。

 ◇“役者山田涼介”の魅力は…

 「第一にものすごく勘がいい」と山田さんの役者としての魅力を語った服部さん。「たとえば、セミっぽさを出すため、『わざとカクカクしてみよう』ってなったときに、それをのみ込んで演技として出すまでに時間がかかる方も多い。でも、山田さんはそこのセンスがいいので、すぐに表現できるという瞬発力の良さがある」と話す。また、「台本を読み取って、それを自分でアウトプットする。顔の表情、セリフの言い方とかのチョイスの仕方が抜群にお上手」と続ける。

 “暗殺”という特異な能力を開花させていく少年・潮田渚を演じた映画「暗殺教室」(2015年)では、「第39回日本アカデミー賞」の新人俳優賞を受賞するなど、役者としても評価されている山田さん。服部さんは、「最近、演じてらっしゃる役の幅も広く、殺し屋みたいな役をやってみたり、『もみ消して冬』みたいなのをやってみたり。それは表情の豊かさからできていることだと思う。あれだけ表情をころころ変えられる人はあんまりいない」と絶賛する。「今回のドラマでも、そこはすごく大切に、丁寧に、その(山田さんの)表情をすくおうと演出家とも話しています」と明かす。

 「『もみ消して冬』を経て、もう一段役者としてちがう顔を見せてくれるんじゃないかと思います」と語る服部さん。最後に、視聴者に向けて「この夏一番、ちょっと優しくなれて、ちょっと前向きになれて、せつなさを感じられるドラマだと思う。山田くん演じるセミの可愛さにやられる夏であってほしいです」と呼びかけた。「セミオトコ」は、26日から毎週金曜午後11時15分(一部地域を除く)に放送。

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