佐野史郎&吹越満:特撮作品への思い 俳優としての「義務」と「矜持」

「騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!」に出演する佐野史郎さん(左)と吹越満さん
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「騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!」に出演する佐野史郎さん(左)と吹越満さん

 スーパー戦隊シリーズの43作目となる特撮ドラマ「騎士竜戦隊リュウソウジャー」(テレビ朝日系、日曜午前9時半)の初の劇場版「騎士竜戦隊リュウソウジャー THE MOVIE タイムスリップ!恐竜パニック!!」(上堀内佳寿也監督)が7月26日に公開された。強さを象徴する「恐竜」と正義の象徴「騎士」がモチーフとなる同作で、テレビシリーズから古生物学者の龍井尚久 (たつい・なおひさ)を演じている吹越満さんと、6500万年前のリュウソウ族で、世界の支配をもくろむヴァルマ役でゲスト出演する佐野史郎さんに、特撮作品への思いを聞いた。そこには俳優としての「義務」や「矜持(きょうじ)」が見え隠れしていた……。

 ◇この話の向こうに何があるんだろうって、好奇心をかき立てられる

 東映の仮面ライダー&スーパー戦隊シリーズへの出演は「海賊戦隊ゴーカイジャーVS宇宙刑事ギャバン THE MOVIE」(2012年)、「仮面ライダー平成ジェネレーションズ Dr.パックマン対エグゼイド&ゴーストwithレジェンドライダー」(2016年)に続き、今回が3作目となる佐野さん。

 そのほか「ゴジラ」シリーズや「ウルトラQ」「ウルトラマン」といったウルトラシリーズへの造詣も深く、もちろん出演経験もあり、俳優界きっての“マニア”と言っても過言ではないだろう。

 佐野さんは特撮作品のストーリー性に「惹(ひ)かれる」といい、元をたどれば江戸川乱歩などが描いた「幻想怪奇な作品にたどり着く」と話す。「怪談と一緒で、この話の向こうに何があるんだろうって知りたくなる、好奇心をかき立てられる。ただならぬことが起こるんじゃないかっていうワクワク感。もし、自分もその場にいたらどうなっちゃうのかなって、すごく考えてしまうんです」と笑顔で語る。

 また子供のころは特撮作品には欠かせない「博士」のことが「カッコいいなと思い、まねしていた」といい、「具体的には天本英世さんや平田昭彦さん。振り返ると俳優になりたいと思ったきっかけだったと思います。ロマンチックなラブストーリーの主人公などは、自分からやろうとは思わなかった」と明かす。

 ◇「こういうことは学校で教えてくれる」と手を抜いたとたんにつまらなくなる

 一方、佐野さんほど自覚はなかったものの、子供のころは日常的に特撮作品に触れ、「本気で見ていたし、ヒーローに変身するつもりだった」と話す吹越さん。思い出深い作品に「キカイダー」「レインボーマン」「アイアンキング」などを挙げると、「記憶に残っているキャラクターってどこか切ないんですよね。『レインボーマン』でいうと、変身して一回戦うと、一定の時間眠らなくてはいけなかったし。『アイアンキング』もエネルギーが水で、喉が渇くとダメとか。そういった弱点が必ずある。ヒーローだからといって、完璧じゃない。弱さがある」と魅力を語る。

 演じる側としては「怪獣が出てきたり、ありえない世界だからって、何をやってもいいというわけではない。その度合い、さじ加減がすごく難しい」とも話しており、「普段の世界に近いシチュエーションの映画なり、ドラマなりもそれはそれで難しい。でも、特撮はさらにギリギリ紙一重。子供たちの夢は壊しちゃいけないんだけど、自分が出ている限りはっていう意味で、俳優にとって真剣勝負の世界。だから、みんな出たがるんじゃないかな」と推測する。

 さらに「子供のころは『テレビばかり見ていてはダメ』って言われるけど、そのテレビの中で、僕ら大人が大切なことを伝えようと思って、真夏の暑い時期にもかぶりものをかぶって頑張っている。そういう人たちがいるっていうのが面白いですし、僕らが『こういうことは学校で教えてくれる』と手を抜いたとたんにつまらなくなる」と力を込める。

 ◇虚実を超えた特撮作品の中には、真実を伝える核が確実にある

 佐野さんも演じる側としての思いは一緒で、「(特撮作品のように)ありもしないものに対して真剣に立ち向かうという姿が、子供たちの心を打つし、自分たちが子供のころを思っても、そこに心を動かされていたと思う。現実世界も“国家にしろ経済にしろ、皆が認識して、確かにあるもの”っていう前提になっているけど、実のところは幻想で、決して実態のあるものばかりじゃない」ときっぱり。

 最後に「何かと規制がかかる世の中で、特撮ならオーケーということがあると思いますが、それは、世の中が現実と虚構を分けているという前提だからなのかもしれません。生きて感じられることならば、現実であれ虚構であれ、感じられる上では同じなのに。だからこそ虚実を超えた特撮作品の中には、真実を伝える核が確実にある。それはこの先も変わらないと思います」と結論づけた。

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